そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

今日は終戦記念日で戦争が終わった日と思っている方へ

2021-08-15 | 戦争

今日8月15日は、天皇がポツダム宣言を受け入れた翌日の正午に、そのことを国民に知らせた日である。戦争が終わった日でもなければ、戦闘が終わった記念の日でもない。敢えて言うなら、今日は官製の終戦の日といえる。この日を喜んでいるのは、東南アジアの人々とりわけ中国と朝鮮の人達であろう。
日本国内では、マッカーサーが厚木に降り立つ8月30日のまでの15日間で、軍部や官僚は不都合な書類を目いっぱい焼き、国内の主要都市の空は公文書焚書の煙が充満していたという。官僚たちは、自らの悪行を疑っていなかったのである。官僚が公文書を廃棄して、自らの犯罪を隠ぺいするのは今に始まったことではない。
多くの国は、ミズリー号調印の日の9月2日を「対日勝戦記念日」としDdayとし、第二次世界大戦終了の日としている。
終戦に向けて思う存分暗躍しポツダム宣言の下準備までしたスターリンは、ポツダム宣言には調印していないし、降伏文書に調印したのは9月3日である。時差の関係とも言い出して、時には4日とも主張する。このことは、樺太と千島列島に8月15日以降に侵攻し、戦勝で得た土地とする根拠にもなっている。
ソビエトは日本との不可侵条約を一方的に廃棄したと思われているが、期限が切れる1年前の4月には継続しない旨日本に通告している。軍部を含む官僚はそのことに無頓着で、ヒトラーの死後何度も終戦の依頼をソビエトにしていた。その半年前に、ヤルタ会談でソ連は参戦することを確約し、日本御領土分割まで協議していた。軍部も官僚も無能なのである。
官僚はソビエトに対して、ポツダム宣言受諾をた後も敗戦の通告をしていない。この一連の20日間の出来事は、スターリンの奸計に無能な日本官僚が嵌った時間といえる。
このことは当事者にとって深刻な問題をいくつも残してしまった。官僚が失態なく対応していれば、ソ連との交戦は4日で終えたはずである。千島列島以降はソビエトに渡すこともなかったし、何よりも満州で多くの日本人が殺害されたり残留孤児などの問題もなかった。樺太の交戦もなかったし留萌沖の引揚者の受難もなかった。
ソビエトを悪人に仕立てておくためには、日本の官僚たちは8月15日が終戦の日、戦争が終わった日でなくてはならないのである。




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