そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

大規模農家は攻めることも守ることもできない

2014-04-30 | 政治と金

昨日の資料よりもっと、大型農家には無駄が多く経営に体力がないこと Syuku_3 が判る表が、左のものである。(クリックして大きくしてご覧ください)
この表は、酪農専業地帯の農協の組合勘定を基に作られた、所得率階層ごとの分類したものです一番左の列が536戸の平均、次が所得率20%未満、次が20~30%、次が30~40%、最後が40%以上となってます。
ここでは解り易く、20%未満と40%以上を比較して説明したいと思います。
20%未満の農家の生乳収入が65,425千円で総収入が85,390千円あります。これに比べて、40%以上の農家の生乳収入は29,568千円しかなく総収入も40,027千円しかありません。
ところが、農業所得となると(下から5行目)20%未満が12,757千円しかありませんが、40%以上の農家では20,216千円もあるのです。
支出となっているところで最も大きく目につくのが雇用労賃(2,926千円と197千円)、飼料費(33,538千円と6,891千円)です。
規模の大きな農家は、多くの人を雇うことになり、適正規模の農家は家族経営が主体でほとんど経費が掛かってないことが判ります。
飼料費は5倍ほども、20%未満の農家は多いのです。総収入が倍少々であるにもかかわらず、その他の支出の多くは、それ以上になっているのです。
結果的に、農業支出合計は72,633千円と19,991千円と3倍以上になっているのです。

酪農家は家族経営が主体です。これらの収入の総計を、労働人数(平均で2.8人ほど)で除すると個人所得になります。
大型農家の多くは、希望してなったという方は少なく、関係機関から推奨されて規模を大きくして、生産量を上げる結果になっていると思われます。負債を抱えて動けなくなっている現実もあります。(支払利息はほぼ5倍)
ところが、家計費として使われている金額が40%以上の農家の方が2倍近くあるのです。(4,889千円と8,393千円)共済貯金も小規模農家の方が多いのです。

政府が攻めの農業として推進する大規模農家は、攻めるどころか守ることもできないのが現実なのです。

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