結婚していない日本人との間に生まれた子供たちに、日本の国籍を認めない国籍法は、憲法14条の方の下の平等の規定に反すると、最高裁判所が判断した。
国籍法の2条では、出生前に父が認知した場合は、国籍が取得できるが出生後では、認めないという。何とも不可解な法律である。要するに法律が、現状を反映することができないのである。それに、認知さない場合や父親が行方不明の場合などは、国籍は取れない。
こ れによく似たことを思い起こした。いわゆる「300日規定」と言われるものである。離婚届が出された後、300日以内の出生した子供は、元の夫を親とする法律である。諸般の事情から、結局戸籍すら取得できない人たちがたくさんいる。
確かに「性の乱れ」の指摘や、「道徳的な問題」からは外れる行為であるとされるが、それは親や社会の問題であり、子供たちには何の関係もないことである。
婚姻による家庭の形成が社会秩序の規範であることは疑う余地はないが、現実問題として法からはじき出される子供たちがいる以上、救済されるべきである。
また、タレントの向井亜紀さんのように、病的な理由から自らの受精卵による妊娠を他人に依頼した場合、親子関係を日本では認めていない。法は、やっと養子ならよいと認めた。
家畜の場合は、このような建前ばかりの論議は存在しない。DNA判定で、親子関係を確認でき誰もこれに反論しない。受精卵移植も盛んにおこなわれる。
人の社会でも、犯罪などではDNAを証拠として法廷は認めている。残留孤児にも汎用されている。
こうしたことの関しては、人の社会は家畜以下でないか。つまりはこの問題は、単に法律が現状に追いつけないだけのことでないか。