そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

政治に利用される科学、だからこそ強い独立性が求められる

2020-10-24 | 菅義偉

フリッツ・ハーパーはドイツの化学者である。大気から窒素を取り出し固定した。固定した窒素=アンモニアを化学肥料をして使用した。このアンモニア製造が評価されて、第一次世界大戦が終了した1918年にノーベル化学賞を受賞している。ハーバー・ボッシュ法と言われるアンモニア製造技術は基本的に今も変わららない。
この時にはバーハ国際法に違反する毒ガスをも生産していたと各国から非難があった。ハーバーも逃避の中のスイスで受賞を知った。ドイツはその後、化学の生産に貢献するなどして、ハーバーは愛国的科学者と呼ばれるようになった。
毒ガス生産の父とよばれるようになるが、同じく化学者の妻クララは非人道的兵器の製造に強く反対し、拳銃で自らの頭を撃ち壮絶な自殺している。
1933年にヒトラーが政権の座につくと、ユダヤ人の血を引くハーバーの研究所は大きな転機を迎える。国家に一定の貢献をしてきたと評価されたバーハ猶予期間はあったとはいえ、研究所を辞めることになり、国外追放されることになる。ハーバーは強くドイツに愛国心を持っていたが、ユダヤとしてヒトラーに裏切られた形になった。スイスでイスラエル入国の準備中に病死する。国家に翻弄された天才化学者ハーバーの一生であった。

政治は科学に国家の意向に沿うように強制する。化学はそれに応え、原爆や毒ガスや生物兵器を生産してきた。政治が科学者を取り込んで製造したのが、日本の原発である。湯川秀樹など多くの科学者は強く反対したが、正力松太郎と先日一億円の葬儀をしてもらった中曽根康弘の政治が主導して作った。結果は説明の必要もない。政治は一側面しか見ないし、偏狭な私欲によって判断するのが常である。その延長に国家があり、国益がある。
国益と科学は離れて存在しなければならない。戦前の日本やドイツや現在の中国などの方策、格差空を強く教訓としなければならない。


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