そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

バターがなければ我慢しろ

2015-05-30 | 農業と食
農林水産省は27日、品不足が見込まれるバターを10月までに1万トン緊急輸入すると発表した。1回の輸入量としては過去最高となる。輸入されるのは、バラバターと呼ばれる業務用のもので、これは一般には多分出回らない。
報道では、農家戸数が減ったことや、牛乳の生産量が減ったことを大きな理由として挙げている。それは正しいが、このバターをどこから輸入するというのか明らかにされてはいない。
牛乳はそのまま飲むことになる、飲用乳が一般の方のイメージであろう。生産量も季節変動が大きく、貯蔵がきかない、鮮度が求められる製品である。
上図のように、(クリックすると大きくなります)きわめて多様な製品に牛乳は加工される。しかもそれぞれが価格が異なるのである。
特に北海道の牛乳は、多岐にわたり加工されることになるのであるが、その比率で農家が受け取る牛乳代が異なることになる。ホクレンのような大きな組織が、需給関係をとらえて配分する有利さはここにある。バターはその中でも価格が安く、生産が後回しになる。そのため品薄になる率が高い。

アメリカ産の牛乳も牛肉も豚肉も、規制緩和が徹底され、効率のためにあらゆることが行われている。日本では到底出荷できないような、乳房炎に罹患していると思われる牛乳でも平気で集荷されている。日本では販売できないが、アメリカでは加工乳として販売される。このことは以前汚いアメリカの牛乳として書いている。
さらに感染症の問題として、こんなにも汚いアメリカの畜産物として書いたが、アメリカン牛乳はこんなにも汚い。乳房炎、ヨーネ病汚染、ホルモン注射などなど、日本の消費者はとてもじゃないが受け入れることができない現状である。
輸入バターがアメリカから来るなら断るべきである。

抗生物質にまみれているアメリカに肉として、本ブログで紹介している。肉の汚染も甚だしいのである。
TPPという、無関税システムが完了すれば、安いこのような製品がドンドン入ってくることになる。
バターが足りなければ、事業者には申し訳ないが、多少のこととして我慢願いたいものである。TPPの予行演習のような今回の緊急輸入が、常態化される危険性も孕んでいる。
日本の畜産乳製品は、世界各国の中でも断トツに汚染度が少ない。日本の消費者を守りたいのなら、バターを必要とする事業者の方たちは、何とか耐えていただきたいと願っている。
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