そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

東電の職場放棄の隠ぺい工作、秘密保護法の適用範囲か

2014-05-25 | 原発と再生可能エネルギー

東京電力福祉AM第一原発所長だった吉田昌郎氏が、政府事故調査・検証委員会の調べに答えた「聴取結果書」(吉田調書)を朝日新聞が発表した。調書によると、2011年3月15日に第一原発にいた職員の9割の650人が、吉田所長の待機命令に違反して、10キロ南の第二原発に撤退していたこと、朝日新聞の取材で判った。
Photo 最後の命綱である非常用復水器について、熟知している人も発電所内でいなかったという。この時点で適切な対応もできなかったのである。
その後急速に放射線量は高くなった。東電は職員の命令に背いた現場放棄の事実を、3年以上伏せてきた。東電は、事故後に亡くなった本人の希望という説明である。
東電のやりそうなこと言ってしまえばそれまでであるが、あまりにも無責任な事故対応である。訓練などの事故対策、事故の想定をしてこなかった事故前の問題と、事故の隠ぺい工作は、厳しく問われなければならない。責任の所在を不鮮明にする働きを持つが、吉田氏の意向であったとしても、東電は公開するべきだったし、少なくとも政府は国民への責任として公開に踏み切るべきであった。
この隠ぺい工作は、美味しんぼ記事同様に、政府の再稼働を見据えたものであると言わざるを得ない。

初期対応の杜撰さを隠ぺいしておきながら、美味しんぼを風評被害を盾に非難する資格が、東電にも政府にもない。政府は今後も調書を公開しないとしている。
国民へ不信感を植え付ける、東電と政府の一連の言動である。再稼働と原発の輸出が、政財界にとって原発の安全よりも国民の不安よりも重要なのであろう。
政権に都合の悪いことを、隠ぺいするのは、早くも特定秘密保護法の適用をやっているのでないか。

コメント (3)
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