goo blog サービス終了のお知らせ 

そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃガキの理屈だろ

2006-06-26 | 国際・政治

北朝鮮が「お金くれなきゃ、テポドン発射する」などとのたまっているが、これは「お小遣いくれなきゃ勉強してやんない」などという、子供のおねだりと同じ論理である。自分のことだろうと思うのであるが、彼の国にはそんな理屈は存在しない。

最近読んだ本で秀逸のものがある。「新世界戦争論」ジョージ・フリードマン著、日本経済新聞社刊であるが、非常に冷静にそれでいてかなり緻密な分析で圧倒される。例えば、北朝鮮の我侭は、中国にとっては対アメリカ政策の懐刀的存在として持っておきたいのである。イランの核開発も同様の視点に立てば説明が簡単である。北朝鮮が、国民を飢えさせてでも、国際的に存在感をアピールするために、核やテポドンの開発は極めて有効なツールなのである。食料も自由もないこの国にどうして革命がおきないのか不思議であるが、現状政府の方が、対アメリカ政策に、中国やロシアにとってはうってつけなのである。

こんな国が主権を侵してまで拉致した人間を帰すには、面子を保つことと見返りがなければ必要である。困った国際間の国家論理である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そりゃ、環境破壊だろ

2006-06-22 | 国際・政治

この写真は、観光地で有名なある公共牧場の直下である。いわゆる三面工法と言われる河川改修がなされたところである。一見木や草がなくなりきれいに見えるが、瀬や淵(浅いところや深いところ)、急流や緩流をなくしてコンクリートで固めたものであるPhoto_3。河川周辺の昆虫などの小動物がいなくなり、少しの雨で増水し、しばらく雨が降らないと渇水する。放水路となった河川には魚がいなくなり、周辺には小鳥の声がなくなる。環境破壊と周辺の酪農家が気づくまでは相当な時間がかかる。

酪農家などの住民が気が付くのが遅れるのは、国がやってくださる農業の環境整備の一環だと「お上」を信じているからである。事実このような公共事業は地方僻地を潤していたことは否めない事実ではある。しかし、こうしたものを含めて農業予算が組み立てられていることに問題がある。農業予算は農業者見える形で還元されるべきである。先ごろの可決された法案は、直接払うことは良いのであるが、担い手を大きく制限することで返って自給率を減らすことになりはしないか。

こうしたことを知ってか知らずか、今日も大型観光バスなど観光客の歓声が丘の牧場上から聞こえる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そりゃ差別だろ

2006-06-15 | 国際・政治

昨日多くの人が無関心だろうと思われる「農政改革関連法案」国会を通りました。これは、日本農業にとって一大転換である。農家を、政府が指定した規模で切ってしまうというのです。府県では1.8ヘクタール以上なければ農業政策の対象農家としないとするのです。WTO交渉の中で、関税の設定が今までどおりには行かなくなるので、直接農家に所得の保証をしようというのである。これまでは農業予算の多くは、道路を作るなりしてかなりあちこちを潤してから農家に間接的に払われたことを考えるとそれは良いことある。しかし、現在のところこの政策の担い手を申請する農家は目標の10%にも達していない。

農村では、全国に先駆けて少子高齢化が始まり地域の崩壊が進行している。小農切捨て、地域での格差の増大、農産物の質の問題などがこの政策からより大きくなることが予測される。市場原理を農業に導入すること自体が効率優先の農業となるが、これを規模拡大だけで評価し差別化することは、本来の農業を育成するとは思えない。

水田と畑作の担い手を満たすのは現在三割程度しかいない。政府のもうひとつの大きな農政目標である、食料自給率の向上に寄与するとは到底思えない。わが国の農業政策の、一大転換の政策が昨日国会を静かに通過した。この国の食料はどうなるのだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そりゃ身勝手だぜ、アメリカさん

2006-06-08 | 国際・政治

アメリカがイラクに侵略したときに使ったブッシュの論理は「大量破壊兵器の存在が否定されていない以上、大量破壊兵器は存在する」と言うことだった。その後、大量破壊兵器もなければ、国際テロ組織アルカイダとの関連もなかった。アメリカが当初期待していた、シーア派の支援もなく、イスラム国にそぐわない西欧の民主主義の定着すらなく、社会不安は一層高まるばかりである。

一方、アメリカで2004年12月にBSE(牛海綿脳症、狂牛病)の発生が確認された時、彼らは「アメリカにBSEの存在が証明されていない以上、アメリカにはBSEは存在しない」と言い放った。この二つの論理は明らかに矛盾する。我々畜産関係者は決して忘れない。更に、アメリカに媚を売って、輸入再開をした直後に協定違反の輸入牛肉が発見されたときには、「一業者の不徳で全面輸入停止はおかい。この業者を排除すれば済むことである」などと言ったのである。国家間の協約であるがアメリカには責任はないというのである。自著「そりゃないよ獣医さん」(新風舎刊)http://www.creatorsworld.net/okai/参照ください。

イランや北朝鮮の核開発は異議を唱えるが、将来世界経済に大きな存在になるであろう、インドに対しては、これを容認し支援するアメリカには、倫理観などないのである。アメリカは単に、自らの利益のためだけに邁進する、超大国なのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港