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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ねじれを争点にした与党とマスコミ

2013-07-21 | マスコミ報道

今回の参議院選挙であるが、争点になることは数多くあった。原発、消費税、TPP、憲法それに経済政策(アベノミクス)、雇用や貧富の格差などたくさんあり、それらがすべての論争になるはずであった。

ところが突如として、選挙戦の最中に「ねじれの国会の解消」が、今回の選挙の注目点と、マスコミが騒ぎ始めた。ねじれは現象であって、政策ではない。政党にとって、とりわけ与党にとっての運営上の不都合の解消を望んでいる、願望であって”現象”でしかない。

今回の選挙は、ねじれ国会の解消を最大の焦点にした、与党とマスコミの勝利である。そして非改選議席を加えて、大きく過半数を自公で上回ってしまった。これで次回の、多分衆参同時選挙になるだろう3年後を待たずに、安倍は憲法に手を伸ばすだろう。

自民党の勝利は、反自民の受け皿が分散したことが大きい。度重ねる虚言と不実行の民主党に最大の原因があるが、それらの票が維新の会や共産党やみんなの党に散らばったことが、自民党を支えることになった。

TPPも消費税もスケジュール通りに進むことが考えられる。多少の問題が生じても、当分はアベノミクスは突き進むだろう。それもいいだろう。矛盾が大きくなると、無関心な国民が気が付くだろう。

更なる右傾化を恐れる中国と韓国が警戒し、一層関係が遠のくことになるだろう。ねじれ解消は、ひとえに安倍を慢心させ長期政権になりかねない、今日はとても不愉快な日となった。

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地球温暖化が深刻になりつつあるが

2013-07-08 | マスコミ報道

日本が大震災を受けさらに原発事故が起きて、その後の長期にわたるデフレの抱える問題などが相まって、地球の温暖化が一層進行しているようである。

Graph2地球の温暖化は、単に温度が高くなるというのではない。ならば北国Graph3
は、これからたくさんの作物が作れるし、劣化する南方の環境をしり目にほくそ笑む構造が時に誇張されたりしている。

地球温暖化の本質は異常気象なのである。異常気象とは気象現象そのものが特定できないことである。そして、単年度の観察では見えないことも、長年経ってみると温暖化になっているというものである。

ただ今参議院選挙の真っ最中である。自国の経済問題や自国の軍事力のことを訴えるばかりの政党がひしめいている。地球温暖化は、一時大々的に各方面から問題提起はあったが、目先と自国のことばかりが問題にされている。

温暖化をネタにして、原子力がのさばろうとして国策した時代は終わった。天然ガスなどの逃げ道は多少あるものの、再生可能エネルギーの開発と利用以外に方法がないことは、多くの人が気が付いてい入る。エネルギー多消費時代にあって、先鞭をつける政党が出てこない。

中国やインドはいまだに発展途上国と言い張って、温暖化の原因を先進国に押し付けて、温暖化対策には条件を付けるばかりである。先進国と自称する、G8のメンバーの主要メンバーは、途上国らしき国々に責任をなすりつける。

このジレンマが続きながら、温暖化は一層深刻になりつつある。経済至上主義、国家のご都合主義が政権を縛っている。環境問題は、政争にならないのである。

更に、TPPやFTAなどが進む限り、次世代に環境問題はより一層大きなお荷物として残してゆくことになるであろう。

左のフォトアルバム<和琴半島、緑の回廊>アップしています。

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BSEもダイオキシンも

2013-06-28 | マスコミ報道

BSEの全頭検査が全国一斉に廃止になった。全世界でも日本だけの全頭検査を続けてきた。それには理由があり私自身もこの体制を支持入てきた経緯もある。

BSE(狂牛病:牛海綿状脳症)の原因も、体内での移動の経過や発生のメカニズムが未だに解明されていないことと、人に伝達して(感染ではなく伝達と呼ばれている)不可逆性のクロイツェルヤコブ病になるからと言われていた。約20年ほど前には、20年後には(ちょうど今頃)には、イギリスでは最大予測で25万人発症すると言われていた。現実には全世界で220名程度である。

日本はこうした予測を最大限受け入れて対応した。BSEの第一人者で、ノーベル医学賞の受賞者である、スタンリー・プリシュナーの仮説も相当いい加減である。脳の検査方法以外の彼の仮説は何も証明されていない。だから私は、全頭検査を支持してきたが、ここに来かなり予測を下回る様々なことが出てきたために、この検査基準の解除は容認せざるを得ないと思っている。

日本が最大対応したもう一つの例が、ダイオキシンの対応である。枯葉剤に象徴される、発がん性と催奇形性の強いダイオキシンとして報道されるが、現実には200種以上のダイオキシンがあり、実際にそうした毒性はせいぜい10種ほどである。

日本は何もかも、ダイオキシンを同列で評価してしまった。塩素を燃やすと、ダイオキシンと言われるものが発生するのであるが、世界中で1000度を超える焼却炉は3000ほどあるそうであるが、日本には2000を超える数がある。民間では何も燃やすことができない。たき火もストーブも困難である。

おかげで、我が家では小さな焼却炉を持っていたが、焼却することもできなくなって、町のごみとして出している。それまでは、生ごみはたい肥にして燃えるごみは焼却するため、ほとんどゴミなど出すこともなかった。

札幌の小学校の特殊学級の児童が、プラムの種を喉に詰めて死亡した。これを受けて、市の教育委員会はプラムの給食を中止するそうである。

こうした最大対応は、時として必要な場合もあると思われるが、時を経て柔軟な対応も必要である。インフラの整備にまで及んでいる、ダイオキシンは何とかならないものであろうか?

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地域の痛みは分散などできない

2013-06-21 | マスコミ報道

この数日北海道を離れていた。関東と関西にいたのであるが、その間北海道の矢臼別の誤爆の報道はほとんどどの紙面にも書かれていなかった。官房長官談話が僅Photoかにあった程度である。北海道に戻ってみると、出発当時と同じように大騒ぎである。

アメリカ海兵隊は、勝手に再訓練を通告して予定通りに、訓練を打ち上げてしまった。地域の自治体の要請など、全く関係なかった。誤爆事故も全く関係なかった。結局今日(21日)で終了してしまった。地位協定を知らんのかと言わんばかりである。

射撃訓練をやっている自治体の市町村も北海道も、極めて遺憾だとしているし、建前とはいえ政府でさえ原因究明がなされるまで訓練は、中止すべきと言っていた。こちらの側には中止する権限もなければ、アメリカ側には通告する義務もないのである。これが、地域の痛みである。

ところが、やはりこれはこの地域だけの負担なのである。騒いでいるのは、別海町と厚岸町と浜中町だけである。それに北海道の上層部が、議会で遺憾の意を表明
した程度なのである。日本中のメディアはそんなことに構ってはいない。ほとんど報道がなく、知人に聞いてみたが、「そんなこともあったPhoto_2か。お前の街なのか」という程度でしかない。われ関せずである。

右に写真は着弾地域で砲弾痕を金属探知機で探す自衛隊員である。友人のサイトからhttp://www4.ocn.ne.jp/~shusan/

沖縄の痛みを分かち合うなどという美名であるが、我々ですら沖縄の痛みなどわれ関せずなのであろう。沖縄で起きている様々な、人名などのかかわらないような事件や事故は、他府県では全く報道すらされないのだろう。

こうして沖縄には基地があることを、日本全体のことであるとする認識ですら、報道されないことをいいことに、次第に希薄になってゆくのであろう。最初の写真は監視小屋である。「沖縄でダメなものは、別海でもごめんです」は、当然のことであるが、自らの地域が関与しなければ、そうしたことすら関わらなくなってくるのである。

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最小限で幕引きを図る、カネミ・水俣・原爆

2013-05-29 | マスコミ報道

結構色々な報道やネットから情報を拾っているつもりでいるが、知らなかったことがあまりに多い。すっかり決着がついていたと思っていた、カネミ油症事件であるが、原爆症や水俣病と同様の経過をたどっていたのである。

カネミ油症事件とは、45年まえに何の瑕疵もない一般国民の台所に忍び込んだ、猛毒のダイオキシンである。食用油の生産過程で混入した、PCBであるが現在はダイオキシンと分類されている。

この被害者たちが、一時の補償にとどまることなく継続的な、補償を求め昨年救済法が成立した。被害から44年経過していた。ご多分に漏れず、カネミ油症事件でも被害者認定で、いまだに決着がついていないのである。

ダイオキシン物質の特徴として、次世代に引き継がれる恐怖がある。現実に被害者の母親から、症状として引き継いでいる2世たちがいる。しかし、血液検査をしても全く異常を見出すことができないため、カネミ油症の認定患者にはならないのである。

日本では救済法が成立しても、可能な限りその範囲を狭めるのである。ほぼ同様の油症事件が起きている台湾では、親が患者なら子供にもその対象を広げて認定しているのである。

こうした日本政府の姿勢は、原爆症や水俣病についても同じことが言える。原爆症については、アメリカの見解あるいは指示のもとで、7日間を過ぎ現地にいた人は認めなかったことに始まり、地域を限定する作業は延々と続けられた。それがようやく昨年枠が外れた。

水俣病についても、血液検査の結果で認定患者を絞り込んだ。現実の症状がある人たちは、救済されることがなかったのである。アスベスト被害も同様である。被害者が声を上げ、多くの場合亡くなられてから、工場周辺の人たちの認定に腰を上げたのである。

その他数限りない、薬害事件はいずれの場合も加害者擁護に国家は動いている。原発による放射能被害者や被害地域も同様に、最小限にとどめようとし、加害者擁護とみられる動きを見せる。

不特定多数の人たちが被害者となった事件の場合、日本という国では最小限に留めようと国家権力は動くのである。慰安婦問題も集団自決についても同様の力学が働いている。

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自民党のクーデターと言える動き

2013-05-04 | マスコミ報道

憲法記念日の昨日、週刊金曜日の発行人の北村肇さんの講演があった。第一線の編集者の視点から、自民党の動きや安倍内閣の危うKen_2142さを語ってもらった。

安倍政権になってこの国の根幹をなしてきた、平和の安定した動きが危なくなってきた。96条の改定はその入り口にしか過ぎない。

自民党の憲法草案は、いつでも戦争ができ、いつでも海外に派兵できる、そうした動きの陰には、すでに徴兵も視野に入れている。個人の権利よりも、公益と称する国家への奉仕の方が優先される。

何よりも安倍首相が執念を燃やしているのが、教育改革である。日教組を封じ込めるため、かなり周到に取り組んでいる。教育再生実行委員会議のメンバーは、名うての右翼の人物が並んでいる。

TPPについても、すでに日本は自動車に関してはアメリカの言うことを飲み込んでいることが解っている。ほとんど唯一、利益が上がると思われていた、自動車産業でさえこの通りである。日本をアメリカの経済傘下に置くための条約である。

マスメディアは、96条の改正報道についても、緊張感がないという。こうした動きは、改革などではなく、クーデターと言える急速な右傾化が進んでいるというのである。産経や読売は、改憲を促す側に回っている。

安倍の狙いは96条にあるのではなく、それは単なる政党への踏み絵にしか過ぎない。石原慎太郎の言うように、この国を軍事国家にしていこうとするのである。アベノミクスも、財界を取り込む手段に過ぎないことが判る。北村氏の言う、クーデターという状況に近いと実感できる。

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憲法96条は平和憲法の柱である

2013-04-11 | マスコミ報道

第96条  [改正の手続き、その公布]

1、この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国魅音に提案してその承認を経なければならない。この承認には、、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

2、憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体をなすものとして、直ちにこれを交付する。

上記は、憲法96条の原文である。

橋下維新の会の共同代表が盛んに、憲法改正を夏の参議院選挙の争点に祭り上げようとしている。橋下が担いだ神輿の上には、自民党総裁の安倍晋三がいる。担ぎ手にはみんなの党も引き込んでいる。どうやら、民主党も一部も巻き込むようでもある。

3分の2のところを、2分の1にしたいというのである。彼らは96条を変えるのが本音ではない。9条を変えることこそが、目的である。9条変え、この国が軍隊を持てるようにすることが、本来の目的である。

我々国民は、国会議員を選出はするが、彼らに対して全てを委ねているわけではない。投票した議員の公約などを見て、概ねの支持の中で選出しているに過ぎない。

多数決が民主主義の基本であるのは、当事者が単一の審議に関して決議する時だけである。ましてや国会議員となれば、無数に近いことが付託されるわけである。ましてや、小選挙区制の下では、最大議席を獲得した党以外の意見は無きに等しくなる。

有権者数や選挙区割りばかりを近視眼的に、憲法違反とか法の下の平等性に欠けると、裁判所は断じているが、二位以下の政党の意見は国会に限定的にしか反映されることがない。こんな不平等の下で、半数の国家議員の賛成で、憲法が改正されたのではたまったものではない。

国家の存立の基本となる憲法の改正に対して、厳しい枠を設けているのは、当然のことである。その時々の流れや風が吹いたなどということで、将来展望のない政党が多数を占めたりすることも珍しくはない。

現在の民主党がいい例である。あれほどの国民の支持を得ながらも、平気で裏切り今や維新の会位以下の支持しか持つことができない。こうした政治の短期的な流れで、憲法などを改正するようにするべきではない。96条は日本国憲法の重要な柱である。

左のフォトアルバムに<増え過ぎたエゾシカ.>をアップしました。

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サッチャーの光が、今陰になっている

2013-04-10 | マスコミ報道

イギリスの元首相の、マーガレット・サッチャー女史が死去した。87才とのことである。英国病と言われた、国頼りで生産をあげない社会体制を、彼女は大きく変えた。
アメリカではレーガン大統領が、サッチャーと政策の足並みをそろえていた。崩壊寸前のソビエトを強く非難し、社会主義体制を否定し、ゴルバチョフを支持していた。
時代が彼女を強くした。一度選挙に落ちている間に、結婚して双子の子供を産み弁Photo護士資格も取得した、努力家でもある。

彼女は鉄の女と呼ばれながらも、戦後最長の11年半も政権を担った。妥協を許さず小さな政府を目指し、レーガンと共に今日の新自由主義と呼ばれる、政治体制の見本となった。経済改革では、ガスや石油、鋼鉄、電話、空港、航空など国営独占企業の民営化を強力に推し進めた。競争、民間事業、倹約、自立が信条で「サッチャーリズム」で知られる政治哲学を生んだ。日本では中曽根がこれに追従して、国鉄の民営化など大きく日本を変えた。

その一方で、鉱物産業などを衰退させ、雇用不安などを増加させ、競争社会を作り上げたといえる。欧州統合の理念には一貫して距離を置いた。

しかし後に新自由主義と呼ばれる「小さな政府」とは、規制緩和と強者による収奪によって、格差社会の原因ともなって行くのである。国家や社会体制、企業の収益が人々の生活に優先する社会が、その後各国で出現するのである。

当初は、崩壊するソビエトや東欧の社会主義へのアンチとして登場したものであり、積極的な支援の結果とも思われなかった。

自由競争は、強者に有利に働く。自由競争は、都会にとって有利になる。日本でも国鉄の労働者が徹底した差別のもとで排除された、影の部分も忘れてはならない。

存在感の大きな政治家ではあったが、イギリスでは決して歓迎していたわけではない。サッチャーは、「愛されてはいないが信頼されている、好ましく思われてはいないが尊敬されている」と言われていた。よくも悪くも、時代の風を受けて、信念と存在感のある政治家であったが、格差を作った手法はいまだに世界各国で模倣されている。

<増え過ぎたエゾシカ>左にアップしました。

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どうもキナ臭い南海トラフ被害予測

2013-03-19 | マスコミ報道

国の中央防災会議の作業部会「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」(WG)は18日、南海トラフ巨大地震に伴う経済やライフライン、交通など第2次Photo
の被害想定を公表した。被害総額は、220兆円という、国家予算の単年度分の2倍以上になる、驚くべき数字である。 

東日本大震災の直後のこともあって、多くの国民は仕方ないかと思わせるに、いいタイミングの発表である。従来の被害予想を3倍も上回るものである。愛知が30.7兆円、大阪が24兆円、静岡が19.9兆円と天文学的数字を並べている。

被害金額ばかりでなく、死亡者や避難民の人数や道路や通信施設の被害など、生Photo_2
活に直接かかわる水道やガスの被害まで予測している。 

しかし、どうもこの時期の発表はきな臭い。アベノミックスで、から動きしている市場を支援する数字でもある。 

自民党の国土強靭化計画は、被災地の復興を第一に掲げてはいるが、明らかに従前からの公共土木工事に他ならない。10年間という期間ではあるが、国土強靭化計画は、200兆円と類似する金額を掲げている。 

震災への備えや予測を否定するわけではないが、この時期のこうした大きな数字としての発表は、自民党政府を勢いづかせることになる。国債の乱発発行への道を開き、日銀の購入というセーフティネットまで用意している。 

この被害予測を見て、多くの国民はあの津波を想起し、やむなく認めることになるだろう。これは安倍の用意周到な、公共投資による危機浮揚策の絡め手戦法である。誰も反対しない。 

こうして、財政赤字は進行し、官僚手動による土木事業は地域の産業を食い潰し、地方は疲弊するのである。これまでと同じ構図である。

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天皇の戦争責任を空洞化する映画

2013-03-10 | マスコミ報道

逃亡者で、ジェラード刑事を好演し、オスカー助演男優賞を受賞、最近ではコーヒー缶のコマーシャルで知られるトミリー・ジョーンズが、ダグラ・スマッカーサーを演じることで話題になっている、映画「終戦のエンペラー」が近日公開される。Photo
原題は[EMPEROR](天皇)で、岡本嗣郎の「陛下をお救いなさえまし」である。クリスチャン河井道とボナ・フェラーズの交流を描いたものである。つまり、この映画は天皇の処分を思いとどませるように、マッカーサーに進言した男、ボナ・フェラーズのお話である。

終戦直後から国内では、国体護持(天皇制の維持)を最大の命題として、旧軍部や政府が奔走していた。天皇の戦争責任が問われないための理由付けを探していた。こうした国内の国体護持を至上命題とする一派を、彼は取り込むことになった。

確かに昭和天皇は、第一次世界大戦のヨーロッパを最もつぶさに見た日本人である。戦争の恐ろしさを見ることで、彼自身が反戦思想を持っていた事実はある。

しかし、軍部は天皇制を最大に利用した。天皇の国家、天皇の軍隊、天皇を中心といた神の国と教育も社会体制も全てが天皇の国家へ動き、軍国主義の頂点に天皇を頂いた。

「天皇万歳」と散華を称賛し、戦陣訓で徹底した軍国主義の集約の頂点に天皇は存在していた。その中で戦争責任がないはずがない。天皇自身も終戦直後は、自らの戦争責任を語っている。

天皇の戦争責任を刑罰としてどのようにするか、皇族の存廃はどうするかは、別の問題である。天皇の戦争責任を全く問わなかったことが、あらゆる面で戦後この国の弊害として、官僚体制の中に国家の中枢に残ってしまっている。

天皇を神聖にして侵すべからざるものと、たとえクリスチャンでも反戦主義者であっても、彼を擁護に回るのはおかしい。個人的な親近感や、人間性に依拠する論議は軽薄である。道とフェラーズの視点である。

かつて軍国少年であって、鬼畜米英に立ち向かった先輩の話であるが、友人の債務を請け負って印鑑を押したばっかりに多額の金額を返済することになった。こうしたことを引き合いにして、天皇の戦争責任逃れを厳しく追及していた。

私の父は南方で散華した。お国のために志願して、戦陣訓に従い自害したのである。父は天皇を中心とした神の国の存続の礎になったと思って、自害した。戦後彼が人間天皇になるなど思ってもみなかったであろう。

今回の映画は、原作に忠実であるとすれば、国体を守ってもらいたかった、国粋主義者や右翼に賞賛されることになるであろう。それは同時に無責任にこの国を統治してきた歴史でもあるのだ。

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亡くなられた方には申し訳ないが、そりゃおかしいゼ

2013-03-08 | マスコミ報道

3月2日の当地の猛吹雪は、甚大な被害をもたらした。中標津町では、5名の方が亡くなられた。とても痛ましい事故である。とりわけ、母親と3名の子供が亡くなった事故は、胸が締め付けられる悲しい出来事である。この地の方ではない。移住家族の方たちである。

どうしてそうなったかと、先日北見工大の教授が現場を見て、防雪柵が低いとか、風の向きが斜めでは機能しなかったとか、述べている。道路に直角に風が吹くとは限らない。Photo
20年ほどになるだろうか、写真のような防雪柵が主要幹線道路に設けられている。吹きつけてきた風を、下に向けて叩きつけて雪を掃うのが目的である。しかし、そんな状況を吹雪の後に見たことはない。極めて飛ぶ雪が少ない時には、確かに掃かれた用にはなっているが、そんな時には防雪柵など必要ない。

この無粋な建造物は、時として10キロも続き山や牧草地や海辺の、北海道の綺麗な風景を旅行者から遮断している。北海道に馴染まない、土建屋さんのメシの種である。

今回の吹雪で学者さんが、もっと大きなものがいるなどと述べると、土建屋や開建や土木現業所は大喜びであろう。こうした類似の構図は、ごたまんとある。あるいは作られている。今回の学者さんは、お抱えではない方だと願いたいものである。

道路の閉鎖や、住民の教育の方がよっぽど効果的で、本質的である。道路が良くなり、車が良くなり、住宅が立派になって、若い人たちはフ吹雪を実感しなくなっている。

風が強く吹き付け、雪を風力が落ちたところに、貯めていくのであるが、若い方々や外来者はそのことを実感しないまま、高級で高能力の車で走り抜けるのである。こうした不遜の輩を教育する方が先である。もっと大きな構造物を造るなど、もってのほかである。土建屋が喜ぶばかりである

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プロペラ機の復活

2013-02-07 | マスコミ報道

航空旅客機はジェット時代と思っていたら、どうも風向きが怪しくなってきている。プロペラ機が巻き返しているのである。

航空機のコストのうち、3分の1が燃料代である。このところの航空機02
燃料価格の高騰で、燃費の良いプロペラ機が見直されている。ターボプロップ機と言われる航空機であるが、ジェットエンジンで噴射せずに、タービンを回転させ、プロペラを回すのである。

従来のプロペラ機に比べて、飛行距離が伸び、客席数も増やしている。何よりも燃費が良くなっている。プロペラ機特有の騒音が抑えられ、振動も少なくなった。ジェット機より安全性が高い。こうした特徴が実績を上げているのである。

世界の航空機の飛行距離は、半分が500キロ以内である。プロップ機は500キロでは、ジェット機に比べて10分ほど時間がかかる。この数年で、プロップ機と競合する小型のジェット旅客機の生産が、ほとんど中止状態に追い込まれている。

フランスの合弁会社、ATRが世界のプロップ機を生産して03_2いる。プロップ機は、1999年に技術的に出来上がっているが、この数年で世界各国が最も購入している航空機になっている。

500キロ以上になることの多い国際線はジェット機が、飛行距離の比較的短い国内線はプロップ機という棲み分けが、今後進行するものと思われる。

左に<流氷の少しの根室>アップしました。

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地方は廃れ国は栄える

2013-01-16 | マスコミ報道

左の写真は、乳牛を繋いでおくスタンチョンと言われる道具を支える、留め金である。今にも切れそうであるが、45年も経っている。同じ地域の、町工場で作られたものであPhotoる。玄さんと呼ばれた腕の良い、いつもニコニコした爺様が作った留め金である。

玄さんは注文されると、金具にヤキを入れて叩きながら、一つ一つ丁寧に作っていた。この農家も、45年ほど前に牛舎を建てた時に作ってもらった。40個ほどあるが、最近3つほどが切れてしまった。しかし、写真ような状態からでも意外と持つのである。

今ではこの製品は、街の大きな工場で作られる。玄さんの物より安価である。ネクタイをした若いセールスマンが、いつでも大量に届けてくれる。呑気に作ってくれる、玄さんのようなことはない。しかし、柔らかい製品は、10年持つだろうか?

この農家には、玄さんの作った道具がたくさんある。錆びたりはしているが、壊れることはほとんどない。牛を牧草地に繋ぐ金具がある。昨年必要になって探したが見つからず、農協で買ってきた。3日目で曲がってしまった。使えなくはないが、厄介である。よく探すと、錆びてはいたが玄さんの作ったのが見つかった。何の不自由もなく使えた。40年前のものである。

沢山作って沢山使ってもらう。この方がGDPが格段に高くなる。経済行為として評価されることになるのである。日本の構図がここに凝縮されている。

地域の町工場は廃れてしまい、都会の工場は繁栄することになる。腕の良い職人がいなくなり、愛着がわく道具がだんだんなくなってくる。

経済発展とは、効率生産とお金が早く回ることである。玄さんの道具は壊れないために、お金が回らない。玄さんは沢山作ることもできないため、安価には作れない。産業を経済行為としてしか評価することがないため、地方は廃れて国は栄えることになるのである。

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マリのアフガン化

2013-01-15 | マスコミ報道

中央アフリカの、旧フランス植民地のマリ共和国が北部民族の独立運動などから、現在内戦状態にある。これに後方支援にとどまっていたフランスが、ついに本格的な軍事介入に踏み切った。01
トゥアレグ人は、リビアのカダフィの傭兵として強力な軍事兵器を持っていた。実践もこなしていた。
リビアの崩壊で余力の出た彼らは、アル・カイダの介入にもあって、マリ政府は国土の3分の2まで勢力を拡大した。
旧宗主国のフランスは、政府の要請を受けて11日に空軍による反撃を行った。北部地域の背後には、広大な砂漠と支援国家が控え02ている。彼らの追放は容易なことではない。戦闘能力としても、政府軍を上回っている。

トゥアレグ人たちはイスラム原理主義者の支援をけるようになり、政府側のフランスの後方支援にドイツ、イギリスさらにアメリカが後方支援に加わった。さらに、周辺のガーナ、ベナン、ナイジェリアアルジェリアもマリ政府の支援を表明している。

彼らは一様に「テロとの戦い」としての、マリ政府の支援を表明していPhoto
る。これは基本的には民族問題である。多民族国家の宿命と言える。

これはどこかで見た構図である。アフガニスタンの欧米の介入そっくりである。アメリカは、アフガニスタンで、多数の民間人を誤爆した無人偵察機の提供も、するようである。

欧米の懲りない面々が、また資源の争奪を求めアフリカで泥沼化する内戦に手を貸している。ある国家が自国に不都合な動きをしているとして、軍事介入することで、被害を被るのは一般国民である。

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松井秀喜に学ぶ日本の特質

2012-12-30 | マスコミ報道

松井秀喜が引退した。今年は球団のオファーもなく、出番がほとんどなかったので案じていたが、引退を発表した。巨人時代から連続試合出場記録が続いていことで判るように、丈夫な体躯であった。が、手の骨折とひざPhoto_2の故障が彼の引退を早めた。

松井の引退で驚いたのが、ニューヨークの反応である。そういえば、松井がエンジェルスに移って、最初のヤンキースタジアムの出来事は忘れられない。

ヤンキースの選手はもちろんのこと、ファンまでが松井をスタンディングで歓迎を表したのである。前年のワールドシリーズのMVPであっただけではこれほど歓迎はされなかったであろう。

松井が甲子園で、5打席すべてで敬遠されたエピソードは有名である。松井は「相手の戦術である」と、大人というより紳士的態度で応じた。この試合松井の星陵は敗北したが、校歌を歌う勝利チーMatsuiarticlelargeムへのブーイングはものすごかった。

この時の敬遠選手は、現在高校で指導者になっている。松井の態度を、生徒たちに教訓として引用しているとのことである。

松井の紳士的態度と、チームプレーに徹した姿勢は、何かと注文の多いニューヨーク子を感動させた。イチローの、単打・走塁・守備の小技もMatsuiarticleinline、日本人としての特質の評価と言えるが、松井秀喜の姿勢も日本的であると言える。

日本の若者が失いつつある、礼節や恩義それに団体競技でのチ-ムへの姿勢にアメリカ人の共感を呼び起こしたのであろう。驚いたのは、ニューヨークタイムスが、3年前に辞めた選手の特集をやったことである。

松井の評価は、この処いたずらに好戦的・右翼的にになっている、日本政府や自民党や維新の会は見習うべきである。日本の活路がここにあると思われる。

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羅臼港

春誓い羅臼港