田舎へ帰った際に、海岸通をずっと自動車で走ったのですが、そこでこんな形の雲が海の上に浮かんでいるのを見ました。
なにか、大きな魚が口を開けて、逆さまになっているように見えますね。ぷかぷか。
私はこの長い海岸線を通るのが好きなのです。富山湾は美しい海なんですよ。水がいっぱいに満ちていて。
今日の早朝の高速バスで大阪へ帰ってきましたが、それに乗るために、久しぶりに朝のJRに乗りました。懐かしいなあ。そうそう、ここでは朝日はあの連峰の向こうから遅れて昇ってくるのだ。そして朝日が海に差し込んで。いつか雨上がりの朝、私は海に差し込んだ虹の切れ端を見たものでした。
私は遠方の高校に通っていたので、毎朝早い時間の列車で通学していました。今日もたくさんの高校生と乗り合わせ、彼らは座席に着くなり参考書を開くので、私も自身の高校時代を思い出してしまいます。
そうだ。あの頃は私もあんなだったな。
ひょっとすると、探せばこの列車のどこかに高校生の私が乗っているのを見つけられるのではないだろうか。
なんて、寝ぼけたことをふと考えます(なにしろ眠かった)。けれども、よく考えると当時の私はこの列車よりもう一本遅いのに乗っていたのでした。会える訳がないや。
大阪行きの高速バスに乗った私は「富山から大阪へ帰るのも、これが最後か」としみじみしました。今度はまた関東と富山を行き来することになるのです。昨日一緒だった友達が、「帰るところがふたつもあるなんて、いいね」と言っていたのを思い出して、今日になってその意味が分かって、私はまた泣きそうになる。しかし、ちょうどバスには若い女の子たちが連れ立って乗り込んできたので、入り口付近にいるおばさん(私のことだ)がひとりで泣いていたらさぞかし不気味だろうと思い、自重する。
そうだ。そうだ、私には帰るところがたくさんあるんだよ。それはなんて凄いことなんだろう。
さあて、気を取り直して、今度は横浜だ! 荷造り、荷造り!!