(ジャストシステム)
《収録作品》
「虚空の足音」
「ゴルディアスの結び目」
「すぺるむ・さぴえんすの冒険」
「眠りと旅と夢」
「終りなき負債」
「せまりくる足音」
「こういう宇宙」
「物体O」
「痩せがまんの系譜」
「フラフラ国始末記」
「幽霊屋敷」
「宗国屋敷」
「御先祖様万歳」
「ヴォミーサ」
《この一文》
”「この”狂った秩序”の世界で、高等生物が持つように
なってしまった”意志”というものは、いったいどんな
作用を持っているのかね。それが”秩序”にさからった
り、ためしたりする方向で働いた時は・・・」
--「ゴルディアスの結び目」より ”
以前から読んでみたいと思っていた小松左京をついに読みました。
ジャストシステムはこういう本も出しているんですねー。
物語のオチは、途中で何となく想像がつくことが多いのですが、それでもなお面白いと思えるところがすごいです。
なんででしょう?
「こういう宇宙」というお話の中の”銀座”があったら楽しいだろうな~、と心底憧れてしまいました。
土星を眺めながら酒を飲む--ロマンです。
はやくまだ読んでない残りの半分の短篇も読んでしまわなければ。
他には『さよならジュピター』も読んでみたいです。
遠い昔にそのタイトルを耳にして以来、ずっと気になっています。
どんな話なのかも知らないのですが、題がとにかく美しい。
映画では『日本沈没』をうっかり途中からみてしまいました。
藤岡弘さんが強烈でした。
沈みゆく日本と運命をともにしようとする老人を、考え直すよう説得しにいく場面は、ブラッドベリの「ヘンリー九世」と関係があるのでしょうか。
ともあれ、面白かった!
いつか最初からみたいものです。