聖岳の山頂に近いガレ場、山頂の岩場に一際鮮やかな緑が小さく群れている。イワベンケイ(岩弁慶)が咲いていた。漢字の表記から義経の家来の弁慶の覆面姿=いわゆる弁慶の立往生を類推したものでは?と思っていた。和名の由来を解説しているものも見当たらない。
「イワベンケイ」はベンケイソウ科の多年草。高山の岩場やガレ場に咲く。雌雄異株で、黄色っぽい花(緑色がかった)をつけるのが雄株というから、この株は多分雄。調べて見るとこの植物はなかなか面白い。光合成の仕方やハーブとしての効能など特徴がある。
“CAM型光合成”をするのだそうだ。CO2の取り込みをするのが夜で、昼に還元するのが特徴の一つだそうだ。砂漠など水分環境の悪いところに生きる植物(多肉植物など)に多い方式。昼に気孔を開くと水分を失うので、夜になったようだ。
薬効もいろいろ紹介されている。太く長い根があり、乾燥するとバラのような芳香がありハーブとして使われるとか。このほか①気分を高揚、欝状態を軽減する効果②精神的・肉体的な疲労回復のためヨーロッパなどで民間療法で使われてきたハーブ③新陳代謝を促す効果ーなど書き込まれている。
“疲労を癒し、高山病を改善する効果”まで期待されるとなると大変だ。ちょうど高山病を発症し始める高度に自生している。疲れたとき、そのまま噛んで効果が出るものではないだろう。効果があったら、この植物は絶滅してしまう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます