農業じゆう人

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廃棄アスパラ ウニを育む

2024年08月26日 12時41分34秒 | 地域
  北海道南部の厚沢部町などの農家らが、特産のアスパラガスを出荷する際、長さをそろえるため
  切り落とされる「切り下」を、同じく特産の養殖ウニの餌に活用する取り組みを進めている。
 5月に試験販売され、身入りも良く、味わいも上々と
 好評だ。地域の農業と漁業が力を合わせた新たな特産
 品にと期待がかかる。JA新はこだて厚沢部営農セン
 ターによると6町の農家で作る「檜山南部立茎アスパ
 ラガス生産組合」では、昨年度約183㌧のアスパラ
 を出荷。ただ出荷時に切り落とす1~2㌢の根元部分
 は通常、廃棄せざるを得ない。”根津組合長”は約10
 年前、環境負荷や廃棄費用の削減などの観点から、切
  り下の活用策を考え始めた。 当初はペースト状にして商品化することを検討したが、加工の
   手間がかかることから断念した。

  転機は2020年、神奈川県でウニにキャベツを給餌している事例を知ったこと。 神奈川県
   水産技術センターは17年から、海藻を十分に食べられずに身がやせたムラサキウニに、
   流通規格外品の春キャベツを与えて養殖。 同センターによると「ウニはくせがなく味の薄
   い野菜を好む」という。

 切り下も活用可能ではないかと、同庁檜山振興局の檜山
 地区水産技術普及指導所(江差町)を中心に農水共同での
 研究プロジェクトが始まった。 21年、同指導所がカ
 ゴ内での給餌試験で、ウニがアスパラを食べて育つこと
 を確認した。 昨年10月には本格的な給餌を開始。昆
 布が枯れて餌が少ない10~11月はアスパラを、以降
 は身を膨らませるため、動物性たんぱく質が豊富な魚肉
                    を与えた。 切り下は計864㌔も活用できたという。

  今年5月、「アスパラウニ」として地域の祭りで試験販売。 磯臭さが少ないサッパリした
   味わいが特徴で、購入者の約8割が「味に満足した」と評価したという。 根津組合長は
   「農業と漁業が一つになった新たなブランドをつくりたい。 まずは地域の人に知っても
   らえるよう、PR活動に力を入れる」と強調している。