話芸はやはり生

　 私は大大大の落語ファン。　何せ就職で東京に出てきて千住の叔父さん宅へ挨拶へ・・。
　　その際に、上野鈴本演芸場の場所を聞き叔父さんからあきられたほどでしたから。
　　その後も月３～４日は寄席通いをしたほど、おかげで東京の寄席はみな覚えました。
　　余談ですが、噺家さんが使う扇子を数本持っていたリ、へこ帯が締められたり、出　　
　　　囃子で誰が登場するか分かるほどでした。　（若いのにかなり変人をいわれてました）
　　　〔好きな噺家は"三遊亭圓生師匠"と"立川談志師匠"のお二人。おっかけでした〕

　　これぞ芸の極み、と忘れられない思い出がある。　お二人の師匠とは別にだいぶ前
　　落語協会の会員だったころ聞いた"古今亭志ん朝師匠"の独演会。　演目は十八番の
　　「幾代餅（いくよもち）」です。　搗き米屋の奉公人、清蔵が花魁（おいらん）、幾代太
　　　夫の錦絵を見て一目ぼれし、１年間必死に働いたお金で吉原へ会いに行くという
　　　噺です。　いちずで真っ正直な清蔵に心動かされた幾代太夫が、「ぬし、あちき
　　　を女房にしてくんなますか」と問う。　その瞬間、志ん朝師匠が幾代太夫に見え
　　　たほど。　失礼ながら外見でいえば、志ん朝師匠とは正反対。　それなのにそこ
　　　には確かに目をうるませた幾代太夫が、膝を斜めにして座っている‥‥ように見
　　　せる芸。　当時の若造だった私でさえしばらく動けなかった記憶がある。
　　　ほかにも談志師匠の「芝浜」・圓生師匠の「野ざらし」などは、聞き入って我を
　　　　忘れてしまうるほどでした。

　　新型コロナウイルスの影響で、各地の寄席や落語会は休演が続いています。
　　　インターネットを通じ落語の魅力に接する機会はあるが、やはり寂しいものだ。
　　　動画投稿サイトで毎日高座を生配信していた"春風亭一之輔師匠"は新聞のコラム
　　　で「面白さは百分の一も伝わらないと思う。　それでも、落語を忘れないでいて
　　　もらうためにやりました」と語っていました。

　　緊急事態も先月には明け、都内ではいよいよ一部の寄席が営業再開の運びとなった。
　　　だがコロナ情勢はなお不透明で、東京アラートなる警報も発せられている。
　　　行ったり来たりの半自粛生活はまだしばらくは続きそうです。　それでもいずれ
　　　名人上手の技に直接出会える時は必ず来るでしょう・・そうならなきゃネ
　　　そう思いながら、今はそろりそろりと歩いている状態でしょうか。　
　　　しかし世の皆さんはそうではない方もたくさんいらっしゃるようです。

　　　私共のような老夫婦はまだと思っていますから理由を問わず自粛しています。
　　　毎度ながらウオーキングと菜園での土遊びで過ごしています。
　　　きょうは「玉ねぎ（紫と白の2種類）」の収穫作業で汗を流してきました。
　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　紫玉ねぎ　　　　　　　　　　　　　白玉ねぎ
　　　　両玉ねぎとも収穫量＆出来とも、まずまずといったところです。　
　　　　今週はジャガイモ堀りも雨が降る前に終わらせようと思っています。忙しい