Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

音のスケール感はSPで決まる

2014年07月22日 | ピュアオーディオ

やはりオーディオの要はスピーカーだと思う。スケール感はSPで決まる傾向が強い。質感はCDPやアンプで決まる傾向にある。一概にこうだとは決め付けられないが概ね前述の様な傾向が有る。

「音のスケール感」は表現力とも直結する処だが、「低域の再現性」でほぼスケール感が決まる様だと捉えている。SPの大型、中型、小型と云う分類はこれだと決まった分類はない。サイズ的は大まかに云われているモノで、38cmクラスウーハーで、1m×1m以上の横縦幅を持ち、奥行きも50cmを越える様なサイズのSPを大型と捉え、同じ38cmでもややサイズの小さいモノ(ハーフモニター)を中型と呼び、30cm以下のウーハーユニットを使ったモノを小型SPと私は考えている。25cm、20cmクラスのウーハーを使ったシステムは、全体的に小型SPの範疇であり、20cmウーハー以下のシステムはミニSPと捉えている。大型SPにも超大型システムが有る訳で、専用の大きな部屋でなければセット出来ないものも有る。

サイズ的分類とは別に性能的な分類も出来る。どちらもやはり「低域の再現性」が決め手になって来ると思う。「スケール感」は如何に「量感」や「重低音」を出せるかで有る程度決まって来る。現在の住宅事情で、大型SPもサイズ的に縮小の傾向にある様に思う。

部屋が狭ければ大きなSPは置けない。スペース的な問題が有る。おまけにAVとの関係でSPがトールボーイタイプにトレンドしている。音のヌケや廻り込み性能は非常に良いが、全体的に「音場型」の再生になり易い。「音場型」が好きな方はトールボーイイ型SPでも良いと思うが、「オールインワン」で作られたSPが多いので、後で手を加える事は非常に難しくなっている。

「生演奏」(原音再生)を目指す方には大型SPの持つ「スケール感」や「エネルギー感」が非常に大きな要素を持って来る。自分の目的に合わせてSPを選ぶ事が大切である。使いきれないモノより自分で使い切れるモノの方が良いだろう。だたこの趣味は延々と一生続けて行くものだろうと思う。人間は同じモノとマンネリに飽き易い。継続してSPシステムを「成長」させる様なスタイルが望ましいと私は考える。短期的にこの趣味のゴールは得られない。


2インチスロート(4インチダイアフラム)ドライバー

2014年07月21日 | ピュアオーディオ

JBL#4343を27年間使って来て、上手くバランスさせて使って来たつもりであったが、有る処で#375を使ったシステムを聴いたら「スケール感」がまったく及ばない事を痛感した。以来、JBL#375を使ったシステムを3セットも作り上げた。

2インチスロートのドライバーもJBL#375をはじめプロ用の#2440、2441、2445,2482、ガウスHF-3000等を使って来たが、潜在能力(可能性)で#375を使う様にした。2インチスロートのドライバーを使う場合、ホーンと組み合わせて使う事になるが、組み合わせるホーンで表情が大きく変わって来る。組み合わせるホーンは癖が無ければ良いと云うものではない。上手く癖を掴み、その癖を利用してオリジナルな世界を作る事が重要だ。

過去でも最近でも2インチスロートドライバーを使ったシステムは、フラッグシップSPで有る。しかし、2インチドライバーの強力なエネルギー感を使いこなす事がなかなか難しい。使い手にスキルとノウハウを要求される。有る雑誌では、製造元のJBLの経営陣が1インチドライバーが「家庭用で最適」等と云っているが、個人的には「使いこなし切れない」良い訳にしか捉えていない。作る側からして音楽に対する創造性が欠如している様で、現在の経営陣が作る最近のSPには興味が無い。

ホーンも切削やプレス、射出成型で作られる様になって、コストダウンもあからさまになって来ている。それを雑誌は「最新型」等と云ってべた褒めしているし、昔の「良い音のするモノを作ろう」と意気込んでいた技術者たちとは比べ物にならない程、「商業」を意図した商品に変わって来ている。40年前もハイエンドのSP達と一緒に「シスコン」(ゼネラルオーディオ)が有った。現在のSPはそのシスコンの流れに乗ったシスコンSPが大型化した様に感じる。

2インチドライバーを上手く鳴らし込んでいるシステムを聴いてから、他所の1インチドライバーやコーン型、ドーム型のシステムを聴くと、まったくエネルギー感と分解能が足りないし、音の重心が高く感じられもの足りない。最近のSPは「進化しているのではなく退化している」と感じる。

自動車の「買い替え需要」ににも似た商業戦略で、ネオマグネット、8N、カーボン、ボロン等々、新技術のみの宣伝でお客を捕まえようとしている。企業として生き残る事は重要であるが、お客のニーズ(良いものを長く使える)と相反する状況の時代に突入した事が時代の流れなのか?


オリンパスシステムのサウンドが変わって来た。

2014年07月20日 | ピュアオーディオ

先月6月30日にオリンパスシステムの低域用パワーアンプ(レビンソンNo.431)にFXヒューズを導入しました。その後「音のバランス」が崩れて、「ふん詰まった」様な感じを持っていました。導入から3週間経ってようやくバランスが取れて来ました。

どうもアンプによって活性化の期間が違う様に感じます。3月に中域用パワーアンプ(STC4033Lシングル)、4月に高域用パワーアンプ(GE6550シングル)、6月末に低域用No.431に導入して来ました。中域用アンプには元々FXヒューズを3年程使っていて、昨年半年ほどフルテックヒューズを使っていました。当然このアンプはFXヒューズに素早く対応できた様に感じています。これに対して高域用パワーアンプは完全に「ふん詰まり」をしていた様に思います。その期間も約3ヶ月ほどかかっていいる様に思います。まだまだ高域用アンプは活性化して来るだろうと感じられます。低域用パワーアンプもまだ本領発揮はしていないと思っていますが、かなり良くなっています。

音のバランスが低域よりに偏っていたので、使いたくはなかったのですが、チャンデバのアッテネーターで微調整程度使っています。これで中音の被りが低域側・高域側が取れてヌケて来ました。将来的には全てのアッテネーターが「ゼロ」ポジションになった時が活性化の目安になるだろうと思います。

バランスの取れたサウンドになったおかげで、今までで最高の音数と空間性、スケール感を感じ始めています。音数はTAD-D600を使ったシステムの多さに近づいた様に思います。

チャンデバのアッテネーターは、普段「ゼロ」ポジションでパスしている状態で使っていましたが、今回使い始めるにあたり、接点に「酸化膜」が載っていると推測され、それが音に出て来ています。しばらく使いこんで「焼いて」しまえば、酸化膜の影響はなくなるだろうと思います。毎日5時間以上鳴らし込んでいる状況なので、1ヶ月もすれば正常な音になると思います。


小型SP・中型SP・大型SPの違いは・・・

2014年07月19日 | ピュアオーディオ

小型SP・中型SP・大型SPの違いは「低音域の再生の違い」に有ると思います。SPのサイズも違って来ますが、本質的には「低域の再生」に有ると考えています。中域や高域は大型SPと変わらないユニットが使われている場合も有りますが、低域のエネルギーに見合うユニットでなければ単なる見かけ倒しだと思います。

SPユニットの再生帯域では良く30Hz~2000Hz(ウーハーのみ)ぐらいの表示が有ります。これが中型だと40Hz~、小型SPでは60Hz~、ミニSPでは100Hz~・・・とだいたい分かれています。問題はユニットの特性ではなく、実際に出せる再生限界値がどれくらいか?です。

音楽を聴くには最低再生域が40Hzも有れば使えます。但し重低音は望めません。30Hz出せる25cmウーハーのシステムと、40Hzしか出ないはずの38cmユニットを使ったシステムとで、「音の重心」が逆転現象なんて事が起きます。本当の30Hzが出ていれば25cmウーハーシステムの方が重心が低くなるはずですが、逆に40Hzしか出ないはずのユニットを使ったシステムの方が重心が低くなる事が有ります。

この現象は「中域」のユニットに起因する場合が有ります。25cmウーハーと1インチスロートのドライバーの組合せと、2インチスロートドライバーを使ったシステムでは完全に音の重心が違います。当然スケール感も違って来ます。この辺に2インチスロートドライバーの存在価値が有ります。

低域のエネルギーは対数に逆比例する様に、下がれば下がる程エネルギーが出て来ます。そうなると「振動」として「音変換効率」が落ちて来ます。この辺の対策をやらないと本来の性能を発揮させる事は難しいと思います。

中型や小型のSPを鳴らすのはそう難しく有りません。ドライブ力の強いアンプをあてがってやれば簡単に水準以上のサウンドが出て来ます。ただし「絶叫サウンド」で緊張感が有り好ましい音質に感じる事が出来ますが、本当のサウンドは「ゆったり」と出てきて初めて色艶や表情が出て来るものです。


山田野案山子邸再訪

2014年07月18日 | ピュアオーディオ

昨日は朝早く起きて、山口県の山田野案山子邸を訪問しました。前回訪問したのはオーディオルームを建てられて約半年ほど経った一昨年四月に4人でお訪ねしました。今回は一人で行って来ました。

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朝7時前のメカリPAです。モヤが一面にかかっています。
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今にも降り出しそうなお天気です。

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仙崎の漁港から・・・。8時半には着いていました。午前中はあちこち写真を撮って廻ろうかな?と予定していましたが、とうとう雨が降り出し、案山子邸に3時間も早く着いてしまいました。

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一昨年訪問した時と大きな変化はなさそうな配置でした。サウンドの「鳴りっぷりの良さ」は前回確認しています。「部屋との馴染み」が取れて来たのか? 電源系の強化が効いたのか?更にキレやヌケが良くなり、非常に密度の有るサウンドになっていました。この辺のノウハウはご本人でないと判らない処ですね。

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前回はアナログプレーヤーが二段重ねの配置でしたが、今回は別々のラックに納まっています。

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モノラル盤専用のLP-12。

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こちらがステレオ仕様のLP-12。

2セットとも殆どご自分で組み立てられたそうです。当然メンテも・・・。日頃はアナログメインとの事で、CDPとアナログの両方聴かせていただきましたが、CDPより、アナログの方が数段上のサウンドですね。日頃から可愛がっている機器の方が必然的に良いサウンドになる様です。モノラルのブルーノート盤の再生は特に素晴らしいJAZZでした。音が活き活きして弾んでいます。聴いていて気持ちの良くなるサウンドです。JAZZ通の方がブルーノート盤を欲しがる理由が判った様に思います。

今回の訪問の目的はこの「LP-12」のサウンドの確認でした。オリンパスシステムの方にアナログプレーヤーを置こうかと予定しています。いま直ぐにはスペース的に無理ですけど、サイズ的に小さいプレーヤーを考えています。ターゲットを絞って勉強して置かないと・・・。


木を見て森を見ず・・・

2014年07月17日 | ピュアオーディオ

自分はどうもひとつの事に拘りすぎると、全体像を見過ごしてしまう事がある様だ。管球プリアンプの1号と2号は完成したつもりで居たけれど、しばらく使ってみて、「まだ完成していない」事に気付いた。

「木を見て森を見ず」の状況になっていたようだ。木の枝ぶりや葉っぱの形に木を取られ、森全体の姿を見失っていたようだと気付きました。具体的に云うと「高域」の周波数レンジがユニットの分だけ伸びていない。高域の出方が弱いので、高域の音像がやや奥まっている。ここでキレが出て欲しい処でキレてくれない。いろんな曲(CD)をかけて少しづつ見えてきた。

管球プリ1号・2号は「自作アンプ」になります。自作アンプには自作アンプのメリットとデメリットが有ります。元々Tr型プリアンプを使っていたのですが、「音の厚み」の点で、管球アンプに移行しましたが、音の厚みは大きく改善されて良くなりましたが、周波数レンジが狭いと云うデメリットも抱え込んだようです。

これからのんびりと、「どうやったら高域を獲得できるか?」調査や観察をして、客観的に判断して対策を講じて行きたいと思います。


ブログを二日も空けてしまった

2014年07月16日 | 写真・カメラ・林道ツーリング

小さい頃からの性格はいくつになっても変わらない様です。私の良いところも悪いところも「熱中」してしまう事。物語を読み始めたり、見たりすると最後まで読まないと気がすまない。時間を忘れ、食事も忘れ、用足しも我慢してしまう。

本を読み始めると読み終わるまで止まらない。一般の文庫本なら一晩で、チョッと長い小説でも2日や3日で読み切ってしまう。最近は目が昔ほど突いて行かないので、読むスピードも記憶力も大分落ちてしまった。時には1ヶ月かけて挑戦する本も有る。おかげでブログを2日も空けてしまった。

釣り糸がこんがらかった様な原因を、丁寧にシンプルに根気強く解いていくような作業が大好きな性格。根気と熱中で「やり遂げよう」とつい無理してしまう。こんな時はオーディオも有りません。久しぶりに悪い虫が出てしまいました。


部屋の大きさ(容積)とSPのサイズ

2014年07月13日 | ピュアオーディオ

現在7.5畳の部屋に、30Hzを再生する様なオリンパスシステムを設置している。率直に言って、SPのサイズと部屋の大きさ・強度がミスマッチしていると思う。現在のオリンパスの能力をフルに発揮させるには、出来れば16畳以上欲しいところだ。現在は7.5畳でも音のうるささは殆ど感じないところまで追い込んで、「鳴らしのテクニック」のノウハウを集めている。

オリンパスの部屋には、他にL-26(ディケード)2chシステムと213PRO+コントロール#3を使った4chシステムも同居している。小型のL-26システムが、この7.5畳の部屋には丁度良い様に感じる。

昨日は久しぶりに常連のN様が見えられたので、オリンパスシステムを聴いていただいた後で、L-26 6chシステムを聴いていただいた。音場的にはオリンパスと殆ど同じところにステージが出来ますので、どちらが鳴っているか判らなくなります。「L-26システムでもオリンパスが鳴っているように感じる」と言われました。ただ音の質感はチョッと変わります。L-26の方がJAZZが楽しく聴けます。あまりに「まとまり」過ぎるとJAZZは面白くないように感じます。多少音程が外れた方が生の演奏に近いような感じもします。

逆にL-26システムのサウンドで、オリンパスの方のサウンドを見直した方が良いと逆転現象が出てきています。


スピーカーの能率について

2014年07月12日 | ピュアオーディオ

自分はSPユニットの「能率」には気を使っている。メインのラインには「高能率SPユニット」を使う。一般的なSPユニットの基準を自分は90dbに置いている。高能率SPユニットとは100db以上のユニットを指す。

何故「高能率ユニット」に拘るかと云うと、「ろれつの回らない音」(反応の遅い音」を嫌っているからです。3連符や5連符のパッセージをキチンと再生させるには、「軽くて反応の良いユニット」でないと対応できない。音楽は時間の芸術と云われている。0.1sec或いは0.01secに入っている情報をすべてSPユニットから出すには「軽く反応の良い」ユニットでなければ対応出来ない訳で、3連符が2連符や、5連符が3連符になって再生出来ても、それは情報が欠落した「音楽」を聴いている事になるからです。

測定器の工程での測定プログラムでは、0.001sec単位で測定プログラムを組んで有った。わずか1secの中で累計20項目以上の測定を数回繰り返し実施する程、電気信号の流れは早い。電気としてはそれくらい早い反応が出来ている。

それに対してSPユニットは「電気信号を物理的振幅」に変換している。SPユニットでは当然遅れが出て来る。その遅れを出来るだけ最小限にしたいだけです。

SPユニットの能率が85db等と90dbを切る様なスペックのユニットでは、「軽く反応する」なんて事は理屈的に説明出来ない。そんな低能率のSPユニットでは、パワーアンプの「駆動力」が大幅に良くないと追随出来ない。そんなアンプはどれくらいのパワーや大きさや費用がかかるのだろうか?

実際に「ろれつの回らない音」をあちこちで聴いている。そう云うフレーズはほんの一瞬なので、「ろれつの回っていない」事さえ気付かずにいる方が殆どだと思う。これは体験しなければ理解しがたい事かも知れない。


手元に置いて置きたいSP

2014年07月11日 | ピュアオーディオ

JBL#375を使ったシステムを3セットも持っているので、これ以上SPを置けるスペースが無いのだが、手元に置いて置きたいSPは有る。

オールドタイプのSPになるが、JBL L-101、ALTEC#620A、サンスイSP-LE8T、タンノイ ⅢLZ、そしてクウォードESL。最新のESLも非常に興味津々なのです。

ランサーL-101は菱目のサランネットと大理石の天板が美しいSPだと思う。ウーハーはLE14A、中高域は175DLH。ウーハーはそのままでも使えるが、175DLHでは中域が物足りなくなるので、LE85+075辺りを組み合わせたくなる。かなりしっかりしたJAZZサウンドに出来ると思う。もちろん専用トレールで高さを40cm程上げて使います。

Blog2_005

ALTEC#620Aは604-8Gのユニットを使ったシステム。これ1台有れば相当なエネルギーまで対応してくれる。同軸2ウェイですので「定位」の素晴らしさは格別。CDPやアンプをセレクト出来れば相当なクウォリティを出して来てくれる。リボン型のスーパーツィターを追加すれば、空気感にも対応できる。

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サンスイSP-LE8Tは非常にバランスの優れたSPだ。音の繋がりが素晴らしく、高域さえ欲張らなければこれ1台で何でもこなしてくれる。6畳間ぐらいでは丁度良い音量だ。高域にリボン型ユニットを組み合わせれば高域不足はなくなるだろう。このSPにSTM-22のトレールを組み合わせると再生音が「大化け」する。旧事務所でも5セット程使っていたが、STM-22との組合せでは38cmクラスの低音が出て来る。16Ω仕様が好みですね。

クウォードESLは静電型SP。40年前に聴いた事が有るが、その音の柔らかさにはビックリした記憶が有り、室内楽のヴァイオリン等は本当に素晴らしい質感だった。その後、ESL63等最新のESLまで非常に好ましいサウンドだと思う。オーディオショーに行っても、自分の感性に有ったバランスや質感を出してくれていたのはESLのブース、ESL#2805?も素晴らしい質感だと思った。

自分のメインSP3セットの音の感じは、ESLと近いものが有る。エネルギー感はJBLですのではるかに有りますが、音の出方や質感はESLに近い感じだと思う。いずれか1セットはゆくゆく手に入れたいと思っている。