Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

オーディオの再生音で目指す処は「生演奏」

2014年07月06日 | ピュアオーディオ

オーディオの再生音で目指す処は「生演奏」だと思う。「音場型」の再生音は私にとっては「BGM」でしかない。

SPもアンプも「伝送ロス」・「音変換ロス」を追求して来ると、「音場型」は2線級の機器で済む。「生演奏」を追求して行くと「音数」がとてつもなく必要なのだ。そして辿り着くのが「ただの音」。普段の生活で体験している「生の音」は「ただの音」なのだと思う。「音場型」ならばアンプもSPも本格的なモノは要らない。フラッグシップの機器が1線級の機器ならば、セカンドシップは2線級の機器。製作時期が遅く、技術開発で進歩していると推測して見ても、実際に使って見ればセカンドフラッグの機器はいつまで経っても2線級。「音数」がまったく違う。それは「奥まって」聴こえる機器達の事。

「音場型」のシステムは簡単に作れる。第一、ハイエンドのSPは要らないし、2線級のアンプで済む。例えばトールボーイ型のSPの大半は「音場型」になる。アンプも安モノはJBLのSPでも「音が前に出てこない」し、奥まって部屋の壁面に沿って広がる。

これに対して「生演奏型」はものすごい音数やSN比、エネルギー感を要求される。必然的にフラッグシップの機器クラスにならないとこれに対応できない。オーディオを趣味と云うならば「生演奏型」を目指した方を指すと思う。

英国をはじめとするヨーロッパのSP達は「初めから生演奏を諦めて作って有る」と私は感じる。バイタボックスの一部の機器の「こする音」は生演奏の再現が素晴らしいと思うが、ブックシェルフやその延長線上にあるそれ以外のSPははじめから「生演奏は無理」と諦めて製作されている様に感じている。だから私のメインシステムにタンノイはじめヨーロッパのSPはない。BGMとしてなら素晴らしいSPがと思うが、こちらも最近のSPユニットの作りはもう昔の面影はない。SPユニットとしての魅力が無くなって来ている。トーキー時代のユニットやSPなら違った体験が出来るかも知れないが、今となってはユニットやSPを集めるのが大変だと思う。

日本の住宅事情を考えると「生演奏型」を目指せるのは、ほんの一握りの方達かもしれない。隣近所に気を使い音楽を楽しむには、「小音量」でせめて演奏会場が見渡せるような再生音と云う事で「音場型」にならざるを得ないのかと思う。