今年の3月にL-26の内部配線を特殊な銀線仕様にした。その後は小さいながらもオリンパスシステムと同じ「JBLサウンド」が出せる様になった。特にシンバルの「バシーン!!!」と云う音の質感は、JBL特有の質感だ。この状態でこのSPを長く使う為には、コーン型ウーハーのエッジ交換が必要だ。現在JBLの一般仕様は「ウレタンエッジ」。既に劣化しないウレタンエッジがヒビノ音響で開発されて30年以上が経っている。それでも40年以上JBLでは(他のメーカーも余り変わらない)10年しか持たない「ウレタンエッジ」を使い続けている。前述した様に「劣化しないウレタンエッジ」は有るのに使わないのは、メーカーの生き残るための戦略である。
今回L-26のウーハーLE125Aのウレタンエッジをクロスエッジに交換した。業者に出す時は、上の写真の様にウーハーを向かい合わせて一体に梱包して送付する。
クロスエッジに交換した後は、見た目にも高級感が上がった。サウンドも安心して長く楽しめる様になった。到着したばかりなので、もうしばらく鳴らし込みの期間が必要だが、いつ破れるとも知れないウレタンエッジより大いに安心感が有る。
今回のエッジ交換は、「セミプロ」が交換したウレタンエッジで有った為、ウーハーの芯は出ていたが、ボイスコイルの真円が取れていなかった為に、時々「ボソボソ」と云うボイスコイルのこすれる音がしていた。半年近く鳴らしても「出たり・出なかったり」の「ルーズ・コンタクト」モードで有った為に、エッジの交換を実施した。今回はいつもお願いしている「プロ」にやっていただいたので安心感が違う。また出来具合も非常に満足のいくモノだ。
ロバート・ロカンシー氏がJBLを退社して起こした会社「ガウス」のユニットは、非常に作りの良いユニットだと思っていた。当時JBLはウレタンエッジに移行していたが、ガウスはクロスエッジを使っていた。非常に良心的な企業だと思っていた。しかし、時代の趨勢は、「悪貨が良貨を駆逐する」様に、良心的な会社ほど早く居なくなる。非常に残念な結果である。
SPの需要は、ほぼ行き渡って満杯状態である。その中で需要を生み出すには「スピーカーが壊れる事」が必要である。その代表格が「ウレタンエッジ」である。破れれば当然正常な音は出ない。その為オーナーに「故障」や「寿命」で有ると認識させる事で、買い替え需要を作り出している。実にうまい手だ。
しかし、ユーザーとしては、10年で壊れる様なSPでは困る。一生このSPを使い続けると思っても10年先の状況までは読めない。その時にメーカーが生き残っているのか?エッジを修理してくれる処が有るのか?・・・現在の製品は8年保証位しかない。修理部品の保管期間も8年で良いと法律で決められている。何処の企業も生き残るために、余分な在庫は持てない様になっている。8年経てば修理部品は処分されてしまう。これで長く気に入ったオーディオ機器を維持できるのだろうか?国の政策は「買い替えなさい」と云っている様なモノ。モノを大事にする「もったいない精神」は何処に行ったのだろうか?