Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

ALTEC#614,612A,620Aのサウンドの違い

2010年09月30日 | ピュアオーディオ

アルテック(ALTEC)の#604系同軸ユニットを使ったモニタースピーカー612A,614,620Aの音質の違いを述べて見たいと思います。

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その前に、ユニットの#604系605系に違いを簡単に記します。604系と605系の最大の違いは「エネルギー感」の違いだろうと思います。604系は低域から高域にかけてのエネルギー感の密度が高く、パワーリニアリティが素晴らしいユニットだと思います。その為「モニターSP」に使われているのだと思います。

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これに対して#605系はやや控えめなエネルギーバランスで、家庭で静かに音楽を楽しむのに適していると思います。実際に#605Aや605Bを聴いて見ましたが、殆ど音色も性能も変わりません。605Aと605Bで片chずつのシステムでステレオを組んでも違和感は有りません。

604系のモニターSPは基本的に「箱の違い」で612Aや614、620Aと620B等の違いになっています。612Aの時代のユニットは「604E」がメインで、620Aや620Bの時代は604-8Gや604-8K、604-8H等になります。604Eはリアバッフルからユニットを取り付ける様になっているので、基本的に620Aや620Bの箱には取り付けが出来ません。604-8G以降のユニットはJBLのユニットと同じようにバッフルの外側からユニットの取り付けが出来る様に、604E以前のユニットに付いていたフレームの補強リブがなくなっています。

【614箱SYSTEM】 サイズ:W47.5×H63.5×D36.5 約30Kg

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 箱のサイズが小さいので低域の伸びは612Aや620A程には期待できませんが、弾む低域とキレの有る高域の組み合わせを獲得しています。組み合わせるアンプで質感はゴロゴロ変わります。

【612A箱SYSTEM】 サイズH747mm x W650mm x D451mm 約40Kg

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 箱の横幅・奥行きは620Aと殆ど変わりませんが、高さが750mmぐらいに抑えられ、ハーフモニターサイズにして扱い易くなっています。モニターSPの基本であり代表選手みたいなSPです。のちに箱のサイズを合わせてJBLから#43シリーズが出ました。

 箱の材質が米松合板で出来ていますので、非常に軽く反応の良いサウンドの傾向が有ります。組み合わせるアンプでしなやかな表現からパワフルな表現まで自在に変化します。その意味ではオーナーの力量や好みをサウンドに反映させやすいSPだと思います。

低域のどっしりとした安定感では620Aに譲りますが、反応の速さでは620Aでは対抗できません。どんなソースでも卒なくこなしてくれる安心感が有ります。

【620A箱SYSTEM】 サイズW66×H101.6×D45.7  62.6Kg

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このSPが一般家庭では非常に使い易い音質を持っていると思います。低域も他の612Aや614に比べてしっとりとしてどっしりとして落ち着いています。この低域に支えられた高域のまろやかさで誰でも扱い易いと思います。

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604系の同軸ユニットは基本的に、定位の良さと低域と高域の繋がりの良さが有りますので、シンプル・イズ・ベスト の大変良いSPだと思います。

私の場合はネットワークと内部配線を「ルシファー仕様」にし、「伝送ロスの極小化」対策をして使っています。音数(情報量)や質感が一般の604系のサウンドでは有りません