ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

高大連携プログラム:伏木高校生の体験実習

2010年03月05日 17時42分38秒 | Weblog
3月5日(金)に高大連携プログラムの一環として,伏木高校の1年生36名が薬学部で体験実習を行ないました.
高校生たちは朝8時半ころ高岡を出発し,10時すぎに実験科学棟に到着.
お昼までの短い時間でしたが,薬学部の実習施設を利用して簡単な化学実験を自らの手で行ないました.

本日のテーマは「アセチルサリチル酸の加水分解」.

          

アセチルアリチル酸とは,バッファリンなどの主成分であるアスピリン.
アスピリンは胃の中で加水分解を受けてサリチル酸になる.
この化合物が解熱や鎮痛効果の本態.
この加水分解反応を,今日はフラスコの中で行ってみる.

水が入ったフラスコにアセチルサリチル酸と触媒を入れ室温で撹拌する.
たったこれだけの操作で,加水分解がすみやかに進行する.
反応終了後,反応液を中和するとサリチル酸の純白の結晶が降ってくる.

          

これを確認反応である塩化第2鉄試験に付す.
中央の試験管には原料のアスピリンが入っているが,色の変化は見られず鉄の黄色のまま.
加水分解を受けるとアセチルサリチル酸のアセトキシ基が水酸基に替わるので,フェノール性水酸基特有の紫色となる.
サリチル酸の標準品と同じ色(両端の試験管).

          

反応自体はシンプルだけど,中和の際に液性をpH試験紙でチェックしたり,塩化鉄試験で紫色を確認したり,何かと色の変化の観察が多い実験.
目でみて楽しい実験なので,化学実験っぽいかなと思って選んだテーマ.
でも,高校生は「色」の変化に感動することより,実験をこなすだけ一杯一杯だったような感じ.
大人の「色気」を理解するには,ちょっと若すぎたか??

NHK金沢のカメラクルーも,この体験実習を取材に来ていました.
取材記者から鋭い質問を機関銃の連射のように浴びて,高校生より手ごわかった.

          

今日の18時10分からのローカルニュースで使うとの話でした.