ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

大野ストリングス愛好会第8回発表会@平成大野屋・平蔵

2010年11月30日 19時20分05秒 | 演奏会
11月28日(日)に平成大野屋「平蔵」でストリングス愛好会の発表会(演奏会)が開かれた.
チェロの賛助で弾かせて頂きました.



演奏会場の「平蔵」とは,昭和初期に織物倉庫として使われ,平成10年に国の登録文化財に登録された木造瓦葺二階建ての建物.
これをまちなか観光拠点施設として大野市が整備した.
平成12年度には,蔵を多目的ホール「平蔵」として整備し,ミニコンサートや講演会などに利用されている.

大野市の街並みは,昔話に出てくるような日本の伝統的な雰囲気の街並み.
情緒たっぷりの街の,こんな古風で素敵なホールで演奏出来るなんて,夢のようなこと.



建物の内部も,とってもシック.
ここで,Mozart,VivaldiやHaydnのような古典音楽を奏でれば,どんな演奏でもいい感じで聴こえてきそう.





演奏会前日は,13時から21時半まで猛練習.
(ボクは金沢でラボの同窓会があったので,途中で抜け出したけれど・・・.)

次の写真はVivaldiの「4本のVnとVcのための協奏曲」のリハーサルの様子(↓).



ソリストの4人のバイオリニストが,オケの前にズラリと並ぶ.
(ちなみに,このソリスト4人は,全員ものすごく美人.
背中からの写真だと,美人なのが分からず,残念デス・・・.)

面白いことに,この合奏団でVivaldiを演奏する時は,Tutti奏者もイスなし.
立ってVnを弾くと,姿勢もよくなるし,体で楽器を鳴らせる.
イスに座って弾くよりも,音が伸びるらしい.
この合奏団のコンマスのこだわり.
古典音楽を演奏するスタイルとして,最近流行しているかも?





この協奏曲では,ある時は独奏,ある時は2台,さらには4台で交互にソロパートの旋律を受け継ぎつつ,入れ替わり現れては消えることを,うねるように繰り返す.
このため,この協奏曲は切なく幻想的であると同時に,華麗な即興曲とも言うべき性格を持っている.
(当日のプログラム・ノートより)

練習ではズレズレだった独奏バイオリンと伴奏チェロの呼吸も,本番では大きくズレることがなかったと思う.
この協奏曲のエンディングは,本当に明るくゴージャスな感じにまとまりました.
難しい曲だったので,達成感アリ.
(自画自賛?)

Haydnのニ長調のピアノ協奏曲の普段の練習では,ピアニストのスケジュールの関係で,なかなかとピアノと合わせることが出来なかった.
合奏練習では,いつもオケパートだけを切り貼りのような形で練習をしていた.

だから,本番ではソロが鳴っている間の休みの小節を数えるのに必死.
さらに,指揮者がいないオケなので,独奏ピアノとTuttiの受け渡しが簡単ではない.
冷や汗をダラダラかきながら,必死で「イチとぉ,ニィとぉ」と休みの小節をひたすら数える.
そして,まわりの雰囲気を感じながらエイと音を出す.
疲れたけれど,「緊張感」のある演奏になったと思います.

ちなみに,当日のピアノ独奏者は,気さくでかわいらしい女の子.
てっきり地元の中学生か高校生だと思っていた.
そこで,演奏会終了後に「高校生で学校の授業も忙しいのに,ピアノの練習大変ですね?」と何の疑いもなく言ってしまった.

すると「私,25歳です.」とやんわりと言われた.
(大量の冷や汗.かなり気マズイ雰囲気.)
大学でピアノを専攻し,今は大野市でオカリナも教えているらしい.
何でもアリの天真爛漫なピアニスト.

Haydnの交響曲第100番「軍隊」.
普段は,大野市の吹奏楽団でトランペットを吹いているラッパ吹きが大活躍.
話を聞くと,吹奏楽と管弦楽のトランペットの違いに頭を抱えていた.
記譜,音量,バランス,Haydn独特の信号音のような吹き方など,吹奏楽団と管弦楽団のトランペットの違いは山ほどあるらしい.
でも,本番では何事もなかったように堂々と吹いていたところはサスガです.

この日のthe top of the creamは,何と言ってもMozartのK.138.
1st Vnがとても伸びやか.
鬼のように難しい2nd Vnもビシッと決まっていた.
光と影の対比も鮮やか.

この曲が持つ素晴らしさも確かにある.
それを差し引いても,第一楽章だけはミューズが降りてきたような演奏.
チェロで伴奏しながら背筋がゾクゾク.

コンマスも同じように感じていたようす.
演奏会の最後,客席からの暖かい拍手の応じて,K.138の第一楽章をアンコールとして演奏した.

それは,「平蔵」に幸せが満ちた瞬間だった.

(プログラム)
Mozart ディヴェルティメント へ長調 K.138
Vivaldi バイオリン協奏曲「四季」第1番「春」
Vivaldi 協奏曲「調和の霊感」第1番 ニ長調
Haydn ピアノ協奏曲 ニ長調
Haydn 交響曲第100番「軍隊」

(アンコール)
Mozart ディヴェルティメント K.138より 第一楽章












平成22年・プチ同窓会

2010年11月29日 20時06分14秒 | Weblog
うちのラボの大学院終了生有志を中心としたプチ同窓会が11月27日(土)に行なわれました.
全国各地,各方面で活躍している卒業生20数名が金沢に集合.
みんなそれなりに貫禄がついたけれど,しゃべり方や雰囲気は在学当時そのまま.
大ボスも参加してワイワイやるのは,本当に久しぶり.

同窓会ならではの雰囲気はいいなぁ~,と感じるということは,こちらも歳を食った証拠か?

このラボにやって来た当初,一期生の大先輩の実験ノートや論文を参考にイリドの転位反応に取り組んでいた.
最初の仕事で,何かと苦労やインパクトが大きかった.
その大先輩と初めてお会いできて,気さくに話をして頂けたことが,とても光栄.

北海道,栃木,岐阜,兵庫,愛知,関東などから遠路はるばる金沢に卒業生が集まって下さった.
それなのに,私用で一次会を遅刻した上,2次会へ参加せずに消えてしまったことをお詫びします.

次の同窓会は,一晩たっぷり時間がとれる民宿での一泊プランにしましょう.


中盛ラーメン・半熟煮玉子@豚蔵

2010年11月27日 21時14分51秒 | 北陸ラーメン大学
先日,お昼に「豚蔵」でラーメン.

本当は,「豚蔵」をスルーして,別のラーメン屋に行くつもりだった.
でも,いつもは車がいっぱいでなかなか入れない「豚蔵」の駐車場に,車一台分のスペースがポッカリ空いていた.

これはチャンス.
即決で,この店に入った.




暖簾のラーメンのイラスト.
何とも言えないシンプルさがイイ.




ラーメンの中盛りwith半熟煮玉子.



ドロドロの豚骨醤油スープ.
最近の豚骨醤油は,やたら魚介系の風味を前面に押し出している店が多い.
「豚蔵」では,豚骨スープ本来の動物系の味をストレートに出している.
こってりして,パワフルでコクがある.
わが道を堂々と歩んでいることが感じ取れるスープ.

固めの太いストレート麺も歯ごたえ充分.
腰が強く,シャキッとしているところが素晴らしい.



ここのチャーシューもなかなか美味しい.
スープと同じく,肉もトロトロ.
肉の厚みも充分な上,柔らかい.
肉の甘みとスープの旨みの相性が抜群.

駐車場にもう少し余裕があれば,「豚蔵」に行く頻度が増えるのに・・・.

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就活マナー講座

2010年11月26日 20時05分17秒 | 卒研生あれこれ
来年度の3月,6年制薬学部の初めての卒業生が巣立つ.
全国でおよそ9500人の薬学生が社会に出る.
薬学部が新設された結果,卒業生の数は過去最大.
当然,就職に関する争いも激しくなる.

うちの学校でも,就職活動の支援を積極的に行なっている.
学内に随時企業のブースを設けたり,合同企業説明会などを頻繁に行なっている.
就活のためのマナー講座も,そのひとつ.

今日,廊下をフラフラ歩いたら,黒板に何やらきれいなモデルさんの写真を貼りめぐらせた教室が目に止まった.



これから就活に挑む5年生の女子学生を対象としたメイク・アップ講座らしい.
外部の化粧品会社の方が講師.

何やっていたの?と5年生に聞いてみた.
正規の授業時間では,簡単なマナーや基礎的な化粧について説明と実演.

その講座が終わったあとに,課外授業(お遊び).
ハンドマッサージ,肌水分の測定,シミの防ぎ方などなど.
あまり就活には関係なさそうな美容について,いろいろ相談にのってくれていたらしい.
かなり多くの女子学生が,熱心にその「課外授業」を楽しんでいた.

化粧品会社にとって,若い女性は大切なお客様.
勉強ばかりやっている女子学生にとっても,美容のプロ直伝の知識は興味深い.
化粧品会社と女子学生の双方の利害関係は一致する.
「課外授業」が,盛り上がるわけだ.

教室の後方で,学生課のお姉さまたちが真剣な目をして,この講座を聴いていた様子も偶然目撃.
お姉さまたちも,抜け目がないようデス.

ちなみに,男子学生は別の教室で,挨拶や名刺の受け渡し,ネクタイの締め方などを教わっていた.
こちらは講義時間が終わると,みんなサッサと教室から出ていったらしい.

男子学生が抱く背広組に対する反発ってやつですかね?
その気持ち,よく分かるような気がしマス.














北陸大学室内管弦楽団第18回定期演奏会@石川県立音楽堂交流ホール

2010年11月25日 18時56分05秒 | 室内管弦楽団
11月20日(土)に,北陸大学室内管弦楽団といしかわユースシンフォニーオーケストラの合同定期演奏会が開催された.

本番前日の19日(金)夕方に,太陽丘キャンパスに高校生,大学生らが集まって総練習.
平日の夜にもかかわらず,社会人のエキストラさんも,少し遅れてほぼ全員集合.
今までの練習ではなかなか全パートが揃わず,歯抜けオーケストラだった.
ようやくメンバーが揃って,シンフォニー・オーケストラっぽくなってきた.
全曲をザーッと通す.
練習というより,今までやってきたことの確認.



高校生がいるので,夜の8時半になると練習は強制終了.
その後,大学生は楽器や荷物をトラックに積み込み,部室に戻る.
明日の段取りなどを入念にチェック.
その後の練習も含めて,ずいぶん遅くまで部室に残っていたようだ.

翌朝,朝7時に学校に集まり,バスで音楽堂へ移動.
演奏会は13時スタートなので,午前中に会場のセッティングとゲネプロをやらなければならない.



大学生を中心に準備を素早く済ませて,早速音出し.
まずはビバルディーの四季の練習.

この曲では,チェンバロを使う.
特に「秋」の第2楽章なんて,チェンバロが主役みたいなもの.

音楽堂所有のドイツ製のチェンバロ.
独自にチェンバロを所有しているコンサートホールは,全国的にも珍しいらしと秋山先生が言っていた.
そんなこと全然知らずに,1年くらい前にたまたま音楽堂を会場として抑えていた.
結果的には,すごくラッキーだったわけだ.



指揮者の秋山先生は,演奏中に指揮台を降りて客席をウロウロ.
オケとチェンバロのバランスをチェックしていた.

昨晩の練習では,低弦の音ばかり聴こえていたらしいが,この会場では低音が全然響かないらしい.
本番では,チェロは遠慮しないでガンガン弾け,と言われる.

開演時間になると,交流ホールはほぼ満席.
客席に知っている顔がチラホラ見えると緊張する.

ビバルディーの「四季」より「春」が始まる.
演奏の前に秋山先生が「これは,小鳥の鳴き声です.これは,イタリアの犬が吠えているところです.」などと解説.
そのお話にあわせて,トップ奏者の学生さんが曲の一部を弾く.
みんな緊張して顔が真っ赤.
頑張れ~っ!(←後ろからこっそりと・・・.)

そして,楽しい音楽の時間が始まった.
バイオリンは気合が入っている.
いつもの音と違い,張りが合ってとても明るい音色.

独奏バイオリンの秋子先生と大久保譲先生のチェロのデュエットは見事.
2人の絡みに聴き惚れてしまい,自分の出番のtuttiの入りを忘れるほど.
りなさん(人気のコントラバス奏者)が「2人の世界が素晴らしすぎて,オーケストラが入る余地がなかった.」と,しみじみと話していた.
本当にそう思った.

ビバルディーが終わると,今回の演奏会で一番楽しい「ルロイ・アンダーソンの作品集」.
60年代のアメリカで大ヒットしたちょっと懐かしいメロディーをたっぷりと演奏.

今では骨董品となった「タイプライター」を持ち込んでカタカタと効果音.
高校生がビロードのような柔らかい音色でソロを吹いた「トランペット吹きの子守唄」.
「Waltzing Cat」の犬の吠え声も,結構ウケていた.

今回演奏したアンダーソン作品集の中で,ボクが一番気に入っていた曲は「そりすべり」.
何といっても楽しい.
正確なリズムを刻むビオラの上に,Jazzっぽく崩れたメロディーが絡んでいたり,真面目とシャレの対比が顕著.
何かと陽気なアメリカンを感じさせる.
さらに,鈴の音がサンタクロースを連想させるので,この季節にピッタリ.

作品集の最後は「トランペット吹きの休日」.
日ごろたまっていたモヤモヤをぶっ飛ばすような迫力の演奏.
たぶん,ホールのお客さんも,軽快なリズムやスリリングなトランペットのハイトーンを聴いてスッキリしたのでは・・・?

心残りは,一番楽しいアンダーソンの曲の途中で,チェロのエンドピンがズルッと滑ってしまったこと.
落ち着いて床に刺しなおせば,問題なかったはず.
でも,やっぱりあせってしまうと,なかなかしっかりと床に固定できない.
何度もズルズルやってしまいました.
「そりすべり」ではなくて「チェロすべり」になったのが残念.
(同じプルトのみずえちゃんに「今日は不完全燃焼でしたね!」と言われてグサリ!)

第三部は,グリーンスリーブスから始まる.
ハープ奏者は何故ロングドレスをはくのか?など秋山先生が面白おかしく解説.
ハープを勉強している高校生がいるなんて,さすがは芸術コースを有する辰巳丘高校.
最後に,「天国と地獄」序曲とハンガリー舞曲第1番,第6番.
真夏の8月から始まった厳しく,つらく,楽しく,面白かった挑戦の成果が込められた充実した演奏.

アンコールが奇抜.
まず,ハンガリーの5番を定石とおりに演奏.
鳴り止まぬ拍手に応えて,もういちどアンコール.
この時にやるのが,ハンガリー5番の最後6小節.
バン!!ダダッダン,ザザーザ,ザンザン,ジャン!ジャン!ジャン!

この「傾奇者御免」的なアンコールは,指揮者のコバケンさんのオハコらしい.
面白いことやるなぁ~.

最後に,この演奏会の開催に関わった全ての方々に感謝,感謝デス.