The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2005 シャブリ プルミエ・クリュ モンテ・ド・トーネル フランソワ・ラヴノー

2015-05-19 23:08:54 | ワイン
『ラヴノー』です。
あの『ドーヴィサ』とシャブリ双璧の『ラヴノー』です!
しかも2005年物です。





まあこの造り手にかかっては、いろいろな思い出があるわけだ。
その中でも、このドメーヌを、最初に飲んだ『83’シャブリ プルミエ ビュトゥー』がやばかった!のを思い出す。

ただでさえ、蜂蜜系の麗しの香気を発するこのドメーヌですが、83’物はこの世のモノとは思えないほどの香りを堪能した。
あとで漏れ聞いた話では、貴腐化していたとのことだったのだ!

で、今回のこのヴィンテージは、その83’物とは違うスタイルだけれども、実にピュアでエレガント!
そのうえシャブリの風土をものの見事に投影している。

香りにミネラル、味わいにキュッとした酸味があって、シャブリらしく、引き締まって、厳しさもあるけれど、総体的には純粋無垢、そして旨みが詰まっている!

もし83’物を飲んだのと同じストロークで飲んだらどうなるのか?
それは知らない・・・

まあ、あとのモノは、待ってみるべき、ということか・・・
いずれ物凄いシャブリには違いない

奇跡か?20年待ちの『キュベ・マルセル・ラピエール』

2015-05-18 13:09:47 | ワイン
待ちに待った『ヒトミワイナリー』の皆さんとの懇親の会に、さてナニを出したら喜ぶのか?と思案した結果、90年代の『キュベ・マルセル・ラピエール』があるのを思い出した!

実際のハナシ、エティケットが擦り切れて、確かなヴィンテージは分からない!
しかしながら、この『キュベ』が輸入され始めた90年代の半ば~後半のモノであることだけは覚えている。
つまり、我が家のセラーで、約20年間近くは眠っていた代物ということだ!



でこのワインを開ける段になって、ワタクシがビールなぞ啜って、醸造長さまと時節の挨拶などをぶって、さてさてと一呼吸をしているあいだに、若人がさっさと開けてしまっていた!
まあ急ぐのも無理もない、なにしろ20年も眠っていた、かの『マルセル・ラピエール』なのだから・・・

で、しょうがないので、コルクはどうよ?
香りは大丈夫?

と間髪いれずに、聞いたところ、その若き醸造人は『カンペキ!!!』と、のたまわった♪

むむ~~!と遅れをとること、わずかに5分!ワタクシもありついたってわけ。
てゆーか、そのワイン俺のなんだけどーー!などと、騒ぐ暇もないわけだ。

結果、香りのトップを拾って、すぐに分かった!
ラピエールばんざい、マルセルばんざいと・・・

でも今は既にマルセルはいなく、才能のある素晴らしい後継者もいるけれど、このキュベは飲めているのかしらん?と思う。

細かい表現は抜きにして、ここはワタクシらしく言わせてもらえば、このワインはピュアで、穢れがなく、あまやかで、解けていて、気兼ねなく見せてくれる、そこにある空気と大地と人智を・・・

まずはこのワインに感謝、ということだ・・・

2008 シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ ロベール・グロフィエ

2015-05-14 22:54:43 | ワイン
さて、このご時勢、ただでさえ手に入れにくい『ロベール・グロフィエ』の、こともあろうに『シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ』が登場した!
これにはさすがにワタクシも驚いた!
まあこの会が、どれだけの会費で行っているかは、ここでは詳らかにはしないけれど、とにかく凄いこってす!

で、その昔、すなわちロベールの時代に、このワインを飲んで、そして今、いわゆるセルジュの時代のこの2008年物を飲んで、総体的な方向性は同一線上にあるとは思う。

しかしながら少しだけ目を光らせると、代替わりする前のスタイルは、幾分樽の効き過ぎた、果実味の重めの重量級のスタイルだったけれど、今の物は『シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ』であることを、差し引いても、実にブルゴーニュらしいフィネス溢れる、バランスのワインだ!





モノの本によれば、2008年物は30%全房で仕込んだとのことで、10日間の低温マセラシオン、自然発酵によっている。

この流れは、ロベールの時代とそう変ってはいない。
ただし、真面目さの系譜が、さらに質を高めるということは、このワインを飲んで、容易に想像できるのだ!

この稀有なグラン・クリュでさえ、その果実は目の詰まったギッシリとしたもので、タンニンも強いけれど、若くても飲めるだけの滑らかさと極上のバランスがある!
イヤー、素晴らしい!エエ若いもんじゃあ♪

熟成を待たずに、享受されうるこのヨロコビ!
ブルゴーニュはこうでなければならんというわけだ!

イイと思います!

2010 ニュイ・サン・ジョルジュ 1er Cru  レ・ペリエール ロベール・シュヴィヨン

2015-05-13 23:22:57 | ワイン
今回の『マコT』で、驚かされたワインの一つに、この表題のワインがある。

それはどうしてか?というと、熟成したこのワインの姿と、こうしてリリースされたばかりの2010年などを飲んだ印象が、あまりにかけ離れているからなんですね。





熟成したシュヴィヨンといえば、野趣があって、重厚で、果実感が強くて、ダイナミズム満載なワインなわけだけれど、この10’ときたら、あたかも花の香料をまとったようで、しかも繊細で、実に品が良く、奥ゆかしく感じたわけだ!

これじゃあまあ、全く対極にあるワインのようだけれど、これが小一時間の待ちで、グラスの中でメタモルフォーゼが起ってくる。
すなわち、しゅるっとした作り物のような果実感が、とろみを増し、花の香料は失せ、ダイナミズムが備わってくるわけだ!

そうそうこれこれ、こうじゃなきゃ!
そこで、当方シュヴィヨンと言ったのだけれど、まあそれにしても、この姿から、ああなるのか~~

驚きのシュヴィヨンではあった!
で、今度は熟成シュヴィヨンも飲んでみよ~と♪心底ソウ思います!

2009 シャブリ・グラン・クリュ レ・クロ ヴァンサン・ドーヴィサ

2015-05-12 22:40:35 | ワイン
フランソワ・ラヴノーほどキャラクタリスティックではないけれど、シャブリの中では、ここのシャブリも同類項カッコ閉じだと思う。
漏れ聞く話では『ヴァンサン・ドーヴィサ』と『フランソワ・ラヴノー』は姻戚筋とのことだが、いずれどこかに共通根があるのは確かだ!



その共通根は両者ともに熟成に耐えうる、というか熟成してナンボ?ということだ。

とにかくこのワインが登場するや否やで、ブルゴーニュ、グランクリュとの説明があったので、参加者は軒並み『ピュリニー』だ『シャサーニュ』だ『コルトン』だと、右往左往するばかりだったけれど、じゃあこのミネラル感?この塩気?アフターの苦味?はナニよ?となったわけ。

よく考えてみれば、ずっと北にもグランクリュはあったんだわ~~

で、間髪いれずに答えたのが『ラヴノー』となったけれど、果実の中庸さ、バランス、親しみやすさ、本流筋などなどは『ラヴノー』ではなく、『ドーヴィサ』だと落ち着いたわけだ♪

それにしても『ドーヴィサ』は素晴らしい!
オイそこのWine Heat!シャブリを侮るでない(笑)

心底ソウ思う・・・