The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

デュクリュ・ボーカイユはサンジュリアンの真のテロワ

2009-06-28 10:53:17 | ワイン
クラシックに堅固な酒躯を表現するポーイヤックと、
芳しく優美な味わいを示してくれるマルゴーとの間に挟まれたサンジュリアン!

しかしながら、そのテロワは単に中間を行くものとは、
片付けられない存在感があります。

むしろ、よく出来たサンジュリアンのテロワとは、
完璧なるバランスの上に優雅さと堅固さを兼ね備えています。

その見本のようなシャトーがシャトー・デュクリュ・ボーカイユなんですね・・・

ボルドーでは珍しい、オレンジのショート・エティケット!

名前の由来のボーカイユは『美しい小石』と言う意味で、
正しくその葡萄畑には、多くの小石が散らばっているらしい・・・

そのデュクリュ・ボーカイユの83’物と85’物を、
直近のマコTでご相伴に預かりました。

83’は既に熟成の高原部の入り口に差し掛かったところ、
本格的なサンジュリアンの西洋スギや焙煎のブケ、
更にはなめし皮のアクセントに胡椒の風味も楽しめます。
味わいは外交的ではないものの、シリアスで奥ゆかしいタッチ・・・
しかしフィニッシュのメリハリはここのティピシテを感じます。

一方85’は最高の出来映えです!
しかし、メドックぽい熟成の仕上がりには、あと10年は必要でしょう。
カシスにカラントの健全なアローマに黒胡椒のアクセント・・・
クリーム様のバニラの風味に、僅かな森林浴のニュアンスです。
そして果実は瑞々しく、噛めるようなフルーツの濃密さなんですね!

いずれにしても、このシャトーは王道・・・
サンジュリアンの真のテロワと言えるでしょう。