普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

プロスポーツと経営者の責任

2010-05-31 12:49:48 | スポーツ

 最近は政治・政局関係の問題が余りにも多過ぎて私のブログもその関係のものばかり書いて居ましたが、兼ねてから気になっていたプロスポーツの問題に就いて書いて見たいと思います。
 極く最近の気になった記事は、
ヤクルト・高田監督が辞任…成績不振で引責

取りつぶしの木瀬部屋、規模は角界ナンバー3
白鵬「スキない」、他の力士「だらしない」…横審 
の報道です。

[監督の責任と経営者の責任]
 プロ野球、Jリーグなどではチームの成績不振の場合、その責任を問うて監督の入れ換えが良く行われます。
 そこで何時も疑問に思うのは、チーム不振の原因は経営陣にもあるのではないかと言う事です。
 私は地もとのソフトバンクのテレビ観戦くらいで、ヤクルトの内情など良く判りませんが、ヤクルトや横浜を応援しているらしい、野球ファンの方のブログ
によると、高田監督の采配への批判はもちろんあった、然し外国人バッターが揃ってダメ、複数年選手が働かない、補強がなかった ことを指摘しています。
 そして当然のように恒例の開幕予想でもヤクルトは下位を低迷していました。
 高田監督はヤクルト監督に就任。昨年は3位でまで導きましたが、チームが下降傾向にあるのはファンの指摘や解説者の分析にであるのは明らかです。
 経営者に就いては、資金繰りなどの問題でチームの補強が思う通りに行かないのは判りますが、それを監督の責任の追及で済ませるのは、自分の地位保全と批判されても仕方がないと思います。
 私は野球やサッカーなどチーム・プレイのプロスポーツの経営者としては監督の責任を問うときは、自分自身の責任を問うべき だと思います。
 ヤクルトの場合は高田さん自身の意志で引退を決め、経営がわも「補強などで支援する」と続投を慰留したそうで、Jリーグのようにドライな経営者ではないようですが、それでも経営者の責任は免れないと思います。

[大相撲の経営陣の責任]
 大相撲でも木瀬親方の処分は報道で聞く範囲では厳しすぎるような気がしますが、内情が判りませんので何とも言えません。
 然しマスコミが指摘するようにこの問題の背景には茶屋制度などに大きな問題があるのに、これに手を着けないなど、今回の厳しい処分が経営陣の自己保全と取られても仕方がないような気がします。
 それより日本人として問題と思うのは、白鵬の一人勝ちと日本人力士の低迷の問題です。 (私のブログでは必ず「さん」つけで書いていますが、四股名にさんづけはなんとなく違和感を覚えるのでしこ名だけで書いています。)
 大相撲夏場所後の横綱審議委員会の後、鶴田卓彦委員長は、2場所連続の全勝優勝を遂げた白鵬を「盤石でスキがない」と絶賛する一方、「他の力士がだらしない。把瑠都がもう少しやるかと思った」と述べた。ように彼のコメントに日本人力士の名が出てきません。
 確かに故障続出の魁皇を始め素人が見ても白鵬を破れそうな日本人力士は余りいそうにはありません。
 何よりも問題なのは白鵬の身体もそれなりに大きいのですが、何よりの強みはその技の切れと相撲の早さです。 (先場所で故障ダラケの魁皇が白鵬を破ったのは彼に珍しく素早く動いたからです。)
 色々問題を起こして辞めた朝青龍の体格は日本人力士とほぼ同じ、そして多彩な技と相撲の早さ。
 これならヨーロッパ出身の力士には不得手でも、日本人力士でも出来るこです。

 同じ格闘技の柔道でも状況は良く似ています。
 柔道のグローバル化に伴い体力に勝る外国人選手に勝つ為に、日本も大型選手を導入しました。
 それで今でも良く覚えているのは全日本の無差別の戦いで、後日格闘技に転向した無差別級の小川さんが軽量級の業師の古賀さんを力でぐいぐい押さえ付けて、古賀さんの体力を消耗させて勝った試合です。
 そして結果は日本柔道は永い低迷に陥りました。
 その反省に立ったのだと思いますが、その後井上康生、野村忠宏、谷亮子さんなどの技の優れた多くの選手が輩出して、日本はようやく世界柔道のリーダー的な立場に戻り、彼らを追う多くの選手の登場で日本柔道界が活気を呈しています。
 大相撲も小錦、曙、武蔵丸などの大型力士の登場から相撲がすっかり変わりました。
 投げ技が次第に減り、押し出し、寄り切りなどの技に乏しい内容の相撲、技も吊り出しのような豪快な技、うっちゃりなどの土俵際の逆転技は殆どなくなって仕舞いました。
 そして起こったのが舞の海、若の花、貴の花、栃東、千代大海、魁皇などの多くの力士の故障の続出。
 なにしろ、幕内力士の平均体重は140キロ台から150キロ台後半へと10キロも増加したのですから。
 それに対して大相撲の経営陣は何らかの対応をしたのでしょうか。
 朝青龍や白鵬の出現は相撲の新しいと言うか一昔へ回帰の方向を示しています。
 相撲を面白く聴衆を増やす方向は決まっています。
 多彩な技、早い相撲の出来る力士の育成、そしてファンを楽しませる、昔クレーンと異名を貰った明歩谷の吊り出しのような特徴のある力士の育成。
 そして力士の怪我による休場防止と健康維持のための体重制限です。
 私は日本伝統の相撲だからと言って外国人力士の導入を反対どころか、グローバル化に賛成です。
 然し相撲の人気を増すためには強い日本人力士の台頭と外国人力士との戦いは欠かせないことだと思います。
 国技館の優勝額はついに日本人力士は栃東1枚
になったそうです。
  大相撲の経営者は力士の相撲の技向上と体重制限について良く考えてはどうでしょうか。
 プロ野球、サッカー、大相撲とも問題があれば、全て選手、力士、監督、親方の所為だけにしていたら、一歩も前に進まないどころか衰退の道を辿ることになると思います。

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参照:大相撲に体重制限を導入しよう
       大相撲の改革
      
朝青龍と大相撲