普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

改憲反対論者の主張の矛盾

2007-05-21 13:02:11 | 憲法

また改憲問題の論争が盛んになってきた。

私は
米国から貰った憲法だから日本に相応しくないところは直しても良いし、良い所は残すべきだ。
問題の9条についても、政府の憲法解釈次第で平和憲法の精神に抵触しかねないことをやりかねないことは、憲法できっちり規定すべきだと思っている。
その立場から今まで聞いてきた、改憲反対論者の主張の矛盾点を書いて見たい。

<<改憲反対論者の主張の矛盾>>

1.他国の公正と信義に信頼できるか。
憲法の前文に
平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる 国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
と書いてあるが改憲反対論者は、自分たち主張にとって都合が悪いのか、この点については全く口を噤んでいる。

例えば
韓国:
反日を国是とし、問題ある竹島を実効支配するのが公正であり信義ある国と思うか。

中国:
反日教育を進め、専制と隷従を進める一党独裁国家、指導者の意向でどにような方向へも一気に進めることの出来る国に全幅の信頼をおけるか。

ロシヤ:

大戦の後、日本兵を自国に抑留、強制労働に従事させ、千島列島を違法に占拠し続けるロシヤ、ソ連時代の専制的な傾向をなお維持している国が公正であると信頼出来るか。

北朝鮮:
他国民を拉致した国、国家で偽札や麻薬を作り密輸している国。
日本を仮想敵国としている国。
典型的な専制と隷従の国。
この国については論議以前の問題だ。

米国:
民主主義の為と言って、ガセ情報で、イラクに出兵し、なお戦争を続けている国。
大戦後世界で一番余計に戦争をした国。
イスラエル支持の為に国連で何度も拒否権を行使し、その結果アラブの人達の反発を招き、テロを誘発させた国。
米国は日本との同盟国であり、日本を護ってくれている国ではあるが少なくとも公正な国ではないような気がする。

私はそれらの国の全ての行動を批判する気持ちは全くない。
何故ならその国が自国のためになる事をしようとするのは当然だし、日本としてはそれらの国とも仲良くして行かねばならぬし、現にそうして来ている。

然し、この事実に関しては、改憲、護憲を問わず、われらの安全と生存を保持するために憲法論議の際の基本的の問題として考えておく必要があると思う。

2.平和憲法があったから日本は平和で居られたと言う主張
(1)日本は湾岸戦争のとき多国籍軍のために多額の資金を提供した。
戦争をしている国へ資金を出すのは、軍隊を派遣しなくても戦争行為に加担しているのではないか。
しかも大義の為に血を流した国から、日本の貢献を無視され(そして多分馬鹿にされ)ているのだ。

(2)アフガン戦争の後方支援
これが戦争行為でないと説明出来る人は誰も居ないだろう。
ただ自衛隊は安全な場所にいただけの話だ。

(3)イラク派兵
これも明らかに、戦争行為だ。
アフガンの時と違うのは、自衛隊はやや危険な場所にいただけの違いだ。

幸い一度も発砲することもなく、一人の死傷者も出ずにすんだが、仮に不幸にして死者が出ても小泉さんは断固として駐留させ続けるつもりだったろう。
何故ならそのような事で撤退していたら、世界中の物笑いになるからだ。

勿論、護憲論者はこれらのすべての行動を平和憲法に反する行為、詰まり戦争行為だとしてに反対し来た。

しかし、こと護憲問題の論議になると平和憲法があったから日本は平和で居られたと言う主張するのはおかしな話だ。

3.軍隊を持っていたらそれを使いたくなり、軍国主義になりやすいと言う主張
実はこの発言は私の知人で、もと日教組にいた人の発言だが、護憲論者は同じような主張をしている。

この人達は、次のような事を(多分意識的に)無視している。
(1)植民地による領土拡張時代は時代は完全に過去のものになっている。
この為の侵略など世界が許さないだろう。
湾岸戦争がそのよい例だ。

(2)日本は前大戦で多くのかつ非常に貴重な教訓を得た。
それを忘れて再度日本が暴発するほど日本人は馬鹿だろうか

(3)世界の殆ど全ての国が軍隊を持っているが、その殆どの国が軍国主義ではない。
何故、日本だけ軍隊を持つのが軍国主義になるのか説明が全くない

4.改憲をしなくても国を護れると言う意見

私が改憲問題と中曽根、若宮さんの意見で 書いたように
5月6日のテレビ朝日のサンデー・プロゼクトで三大新聞の社説責任者による、護憲か改憲かの討論があったとき、 (護憲運動の先頭を走る) 朝日新聞の若宮啓文論説主幹が、
「9条に関連して、日本は今までアフガン、湾岸戦争、イラク問題等を憲法解釈を変えて処理して来た。
それで今更何故憲法を変える必要があるのか」と発言した。

私は、憲法に手を着けずに、政府の解釈でどうでもなることこそ、見過ごすことの出来ない大問題だと思う。

このような重大問題だからこそ憲法できっちり規定しておくべきだと思う。

<<私の意見>>
1.もし日本が自己防衛できる軍隊を持ち、日米同盟がないか、またはあっても今の様に従属関係でなく対等の立場だったら、次に様なことな状況になっていたに違いない。
(1)明らかに問題があった米国のイラク侵攻へ同じ敗戦国のドイツのように、協力(私の意見では参戦)しなくても済んだだろう。 
そして護憲論者の言うように戦後、本当に一度も戦争しなくて済んだだろう。

(2)(米国との関係や圧力?を気にせず)北朝鮮と日朝平壌宣言をそのまま進めて平和条約を結んでいたら、今のような北朝鮮の脅威を感じずに済んだかもしれないし、拉致問題もとうに解決していたかも知れない。

話は違いますが、北朝鮮の今のような暴発寸前の状況で、心の片隅で喜んでいるのは、
アメリカ:経済大国の日本を何時までも自国の陣営につなぎ止められる。

中国、韓国:平和憲法があるのに、憲法解釈を変えてでも、戦争をしたがっいる日本は軍国主義に向かっていると攻撃することで、外交上の優位に立ち、ストレスの多い国内を纏めるための反日教育の材料にされる。

護憲論者:北朝鮮の攻撃に対して反撃力を持たない日本を米国に護って貰う為に、やむを得ず集団的自衛権などのあり方を考えている安倍内閣を攻撃するには、北朝鮮は欠かせぬ存在だ。
と思いませんか。

中国、韓国、護憲論者にとって、
北朝鮮の脅威がなければ、日本は集団的自衛権など考えずに済むので日本政府攻撃の材料が一つ減るのです。
だから彼らにとって北朝鮮の脅威は願ってもないことなのかも 知れません。

(3)前々からあった中東における日本への信頼感がそれ以上に増大していたかも知れない。
そしてイランとの間の石油採掘などのプロゼクトが破綻せずに済んだかもしれない。

(4)他国から日本を米国の属国扱いにされずに済むだろう。
皆さんも中国の女性の副首相から受けた屈辱的な振る舞いを覚えていると思います。

2.私が他のブログで何度も書くように、国民投票法の成立は良いことだし、9条を除く憲法改正も出来る物からすべきだと思う。

然し9条のように(世界からいろいろ批判を受けている)米国への依存の前提での憲法の検討はもう少し慎重に腰を据えて行うべきだと思う。

何故なら前に書いた日本が自国を護る為の十分な軍事力を持つ問題とともに、9条の問題は日本だけでなく同盟国の米国を始め日本を取り巻く国にも関係する微妙な問題も含んでいるからだ。

3.イラク派兵のような憲法に抵触するかも判らない時に、憲法にも法規にも明確な規定がないからと言って、派兵の根拠に国連憲章を持ち出すのは明らかに可笑しい。

憲法解釈でどうでもなる危険性とも合わせて、やはり平和日本を標榜する国として、この様な重大な問題は憲法やその補足で明らかに規定して置くべきだし、その為の改憲は絶対に必要だと思う。

日本が可哀相
また話が逸れますが、護憲論者の人達の意見をそのまま聞くと、外国は信頼できるが、日本政府や日本人は信頼出来ない様に聞こえてなりませんが、それでは日本が余りに可哀相な気がしませんか。
 
参照
: 憲法改正論議と現実

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ