普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

首相の「真榊料」奉納問題

2007-05-10 05:40:25 | 安倍内閣

<<一部マスコミへ>>
5月8日の読売新聞によると
首相の「真榊料」奉納、野党批判で靖国問題再燃の気配
のタイトルで、
 安倍首相が4月下旬の靖国神社の春季例大祭に、神前に供える「真榊料」を奉納したことについて、野党は8日、「姑息な態度だ」などと一斉に批判した。
 首相周辺によると、保守系の学者らが「実際に靖国神社の参拝を決める前にできることがある。例大祭に真榊を奉納するという手もある」と助言し、首相は同神社に春季例大祭で真榊を奉納することを申し出たという。
 首相は8日夜、記者団に「靖国にかかわることが外交問題化している以上、参拝する、しない、供え物を出した、出さないということは申し上げない」と述べた。
 野党は「参拝したいなら堂々と参拝すればいいのにそれはやらない。内閣総理大臣名で真榊を出すのはあいまいで分かりにくい」(鳩山民主党幹事長)などと批判し、国会で追及する構えを見せている。
そうだ。

朝日新聞はその社説で、
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
政教分離の原則から疑問があるのはもちろんのこと、忘れてならないのは靖国神社の性格だ。
どこが首相の靖国参拝が何故政教一致になるのかはっきり示すべきだ。
 靖国神社は、隣国を侵略し、植民地化した戦前の軍国主義のシンボルだ。
さらに、A級戦犯を合祀したことで、天皇の参拝も75年を最後に止まり、首相の参拝をめぐって国論も分裂した。
と書いている。

「真榊料」を奉納が何故政教一致になるのかという主張の説明抜きで、いきなり政教一致だ。
政教一致にしたがっているのは、中国と韓国ではないのか。
そして、その鼻息ばかりうかがう一部勢力とマスコミではないのか。

信教の自由は、首相を含む全国民にも当然あるのではないか。

隣国を侵略し、植民地化したのは二次大戦直前からで、それ以前に戦没した人達も多く祀られていることを抜きにしている。

そしてまたもや憲法では象徴である天皇陛下を靖国と言う政治問題の論議に持ち込んでいる。

どんな問題でも、自社の主張に沿わない政府のやり方を徹底的に攻撃する朝日に比べて、真榊料問題を社説に取り上げなかった読売新聞は一応の見識を持っていると思う。

第一に、死んだ人は皆神様や仏様になると言う、日本独自の宗教観をを理解しようとせず、それを自国の有利な立場に利用しようとする、隣国がいるのに、どうしてこのような事をわざわざ取り上げようとするのは何故だろう。

このようなことを全く取り上げない見識のあるマスコミがいても良いと思うのだが。
当初から靖国問題をマスコミが取り上げなかったら、今のような隣国とのぎくしゃくした関係は随分変わっている筈だ。

<<民主党へ>>
次にこの問題に対する政治家の発言だ。

鳩山民主党幹事長の「参拝したいなら堂々と参拝すればいいのにそれはやらない。内閣総理大臣名で真榊を出すのはあいまいで分かりにくい。」
など政権交代の唯一の希望の星(随分頼り無いが)の民主党の有力者がそんな詰まらぬ発言をするのかと思うと情けなくなる。

私が何時も言う事だが、彼らの言動は何時も国民から監視されていることを知るべきだ。

政治家なら、その発言で自分の属する党の支持率が上がるのか下がるのかを何時も考えて置くべきだ。

政権とは全く縁のない社民党、共産党とは違うのだから。

鳩山さんの言うように、国会でこの問題を取り上げて安倍さんを追求するほど、民主党の支持率が下がることがあるかも知れぬことを知っていて欲しい。

<<安倍さんへ>>
安倍さんの靖国問題に対する曖昧な態度はある程度分かる。

いくら首相でも(いやそれだからこそ一層)信教の自由があると思う。
だから靖国神社に真榊の奉納をしても何も悪くない。

然し、今のようなややこしい時代に、何故真榊に麗々しく内閣総理大臣の名を付けねばならなかったのか

宗教は所詮心の問題だ。
靖国に祀られている英霊は、内閣総理大臣の肩書はなくても安倍晋三の名前を見ただけで、日本の内閣総理大臣が国民を代表して、真榊を奉納してくれたと思うだろう。

国民も安倍晋三の名だけの真榊を見たり(見られるかどうか知らないが)、その話を聞いて彼の心情を察し、また奥床しく思うだろう。

そして、彼のやった事にたいする内外の批判のトーンも随分落ちたに違いない。

今後の問題だが、安倍さんとしては、靖国参拝の問題は避けて通れないのかも知れない。

その時は、宗教は心の問題だと言う考えに立って、秘かに代参を立てるか、自宅(公舎でなく)で朝から斎戒沐浴して靖国を遥拝するとかして、その真心を英霊に捧げて貰いたいものだ。

そして、何時もの安倍さんらしく、この件について口を噤むのが良いと思う。

そして当然起こる隣国への遠慮し過ぎと言う批判には日本の国益のために、政治家らしくじっと耐えてるしかないと思う。

それとも小泉さんのように、恰好よく内閣総理大臣の名をぶら下げて、靖国神社に行くのか、そして政治問題にして隣国と一部マスコミを喜ばせるのか、良く考えて欲しいものだ。

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