普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

北朝鮮の核実験-如何にして国を護るのか

2006-10-10 15:43:27 | 北朝鮮

<<いかにして国を護るのか、平和主義者の主張>>
先日の英字新聞輪読会で、国を護るのをどうしたら良いかと言う話しになって一人の人が言いました。
日本としては憲法の九条を護るのが一番だ。
日本が軍事力を強化すれば、直ぐそれを使いたくなる。
今まで50年に渡って日本が平和に過ごせたのがその証拠だ。
国を護るのは、軍事力より外交力の強化が一番だ。
外交で戦争の危険性を初めから潰して行けば良い。
この議論はこれを読まれた方は直ぐにお気づきのように、左派系の政党や一部の新聞の主張そのものです。
私は彼が元日教組に入っていたことも知っていましたし、時間がなかったのでそのまま聞き流していました。


<<北朝鮮との付き合い方>>
そして、今度の北朝鮮の核実験です。
彼の論理ではどう対処したら良いのでしょう。
もし核爆弾が日本に飛んで来た時は?
この時は米国の軍事力や核だけに頼り、日本はのほほんと出来るのか?
拉致事件と言う国歌犯罪を起こした国、麻薬や偽札や、偽煙草を作って持ち出している国に対して、外交でどうの様に対応するのか?
拉致問題は棚上げし、援助のばらまき、朝鮮併合について謝り続けるのか、そして賠償金を払うのか。
彼の理論は一応筋は通っているように見えますが、この現実に対して余りにも虚しく見えてなりません。
憲法はその前文にあるように、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持しようと決意」して、戦争放棄を決めた(または決められた)のです。
前文の「 平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」がおけぬとははどうすればよいのでしょう。
報道によれば、北朝鮮はは米国との交渉の手段として、核実験をしたそうです。
そしてそのターゲットは、その同盟国であり、まだ戦争状態にあると思っている平和な日本に向けられているのです。


<<もし日本が必要な軍事力を持っていたら>>
もし日本が諸外国の攻撃に耐えられるような軍事力を持っていたら、同じ米国との同盟でも、今のように従属関係でなく同等の立場に立ち、米国が中東で諸国から批判されるようなことをした時、同じ敗戦国のドイツのような立場にも立てるし、イラク派兵などもしなくて済んだかもしれません。
そして、今度の場合も日本独自の立場で対応できると思います。

<<北朝鮮との国交回復の途を閉ざされた日本>>
小泉さんが最初の北朝鮮を訪問した時の米国の対応を考えて下さい。
彼の帰国後直ぐに米国の高官が来て、それ以来の交渉が止まってしまいました
輪読会の彼が言う様に、日本独自の外交が続けられていたら、いくら無茶な北朝鮮でも、核のターゲットに日本を選ぶことはなかったでしょう。
それが出来なかったのは、いざと言う時に唯一の頼りになり米国の意向に逆らえなかったのでしょう。
勿論米国の判断が正しかったかどうかは別ですが。

<<外交力と軍事力>>
日本独自の外交を続けるためには、日本が独自で護れる軍事力が必要なのが今の実情でしょう。
輪読会の友人が言う様に、日本が自国を自身で護れる軍事力を持った為に、それをつい使いたくなるほど日本人は馬鹿でしょうか。
そして、ドイツのように周辺が、それなりに落ち着いた国なら、軍事力に頼らなくてもいいかも知れませんが、北朝鮮のようにとんでもない国や、政権の意のまま世論のコントロールが出来る国がいて、思わぬ方向に進む可能性のある時はそれなりの軍事力もいるし、強国との同盟も必要かも知れないし、より現実に則した選択が必要なような気がします。
軍事力増強などは実際的に非常に難しい問題などで軽々決定されるべきではないと思いますが、少なくとも日本人は日本を護るためには、もっともっと現実を良く見て行く必要があると思います。
ある左派の政党の幹部が言ったそうですが、敵から侵略されても、平和を護る方が良いなど言わないで下さい。
外国から侵略されて良い思いをするのは、左派政党の人達だけで、大多数の国民は昔の軍国主義時代のように、独裁政治の下でひどいめに合わされるのですから。