土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

正明寺、清浄を絵に描いたようなお寺です。

2016年10月27日 | 滋賀の古寺巡り





(2016.10.22訪問)


あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る

額田王が蒲生野で詠んだという相聞の歌、湖東蒲生郡が蒲生野推定地の一つと云われている古代ロマンの地、この標野あたりを今迷
車大和路号は走っているんです。中大兄や大海人、額田王が遊んだ蒲生野は今国道307号が走ってます。
長閑な近江平野もこのあたりは結構なクルマの数、古代ロマンを感じる暇はありません。迷車大和路号は石馬寺から東に約20キロ、
正明寺と云う禅刹を目指しています。このお寺やはり聖徳太子創建と云う由緒があるそうです




▼「ようこそお参り」と聞こえるようです。






[ 正明寺 ]
●山号 法輪山 (ほうりんざん)
●寺号 正明寺 (しょうみょうじ)
●宗派 黄檗宗 (おうばくしゅう)
●開基 伝 聖徳太子 (しょうとくたいし)
●再興 寛文四年(1664年) 龍溪性潜禅師 (りょうけい しょうせん)
●本尊 千手観音菩薩立像 (秘仏) 
▲ 滋賀県蒲生郡日野町松尾560 TEL. 0748-52-0227
▲拝観料 境内自由 朱印300円
▲http://shomyoji.jp/
▲札所 近江西国観音霊場第二十四番札所 日野観音霊場第三十三番札所 近江湖東名刹霊場第二十七番札所
▲JR「近江八幡駅」近江バス「北畑口」行 「横町」下車 徒歩15分
 
 近江鉄道「日野駅」近江バス「北畑口」行 「横町」下車 徒歩15分
 名神高速「八日市IC」から国道421号 307号で約20分
 新名神高速「甲賀土山IC」から国道1号 307号で約20分。




            ▼参道脇に札所石柱が。






正明寺縁起 (正明寺HPより抄出)
正明寺は聖徳太子の創建と伝えられており、比叡山延暦寺系の寺として栄えていましたが戦国時代の兵火兵乱で焼失。江戸初期に再
興、永源寺の僧一絲文守大和尚を通じて後水尾上皇の勅建寺となり、寛文四年(1664年)には黄檗禅の高僧龍溪性潜禅師を中興開山と
して迎え、禅堂、経堂等を整え黄檗禅の中本山としての寺格を備えました。数多くの名僧をこのお寺から輩出しました。戦国時代の
戦火により焼きつくされ、以前のことを探る史料はほとんど残されていませんが、他のお寺、神社の記録により日野谷の中心となる
寺院であったことが知られています。



▼なんときれいな参道でしょう。







▼一歩参道に足を踏み入れたらビビッと感じる緊張感が。







▼山門です。







▼山号が書かれた山門の扁額。







▼袖塀には五本線がクッキリ。







▼正面に本堂が。







▼静寂の中、風の音だけが聞こえるようです。低木植栽で区分、砂利を敷きつめた境内、清浄な雰囲気。






            ▼翻る五色の吹き流し。






▼本堂 (重文)。仏堂に見えませんネ、そうなんです御所清涼殿の建物なんです。
 桃山時代の建物を後水尾天皇の叡慮で江戸初期に移築されたそうです。どうりで気品のかたまりですネ。
 桁裄五間、梁間五間、檜皮葺、寄棟造、一間向拝付。向拝の屋根は唐破風。

 





▼本堂は園通殿と云います。

        




▼内陣です。荘厳の色合いはやはり黄檗禅ですね。本尊は秘仏で、須弥壇奥のお厨子に祀られています。







▼内陣扁額。後水尾天皇筆による宸筆勅額。







▼これが正明寺厨子 (重文) と呼ばれているお厨子です。






            ▼本尊千手観音立像 (重文)。三十三年に一度開帳されるそうです。
             本尊は三尊形式で左脇侍は毘沙門天、右、不動明王、いずれも重文、鎌倉時代。



            (本尊写真はお寺で購入した生写真をスキャン)




▼本堂。







▼外縁に坐るのは赤ずきんちゃんではありません、お顔が妙にリアルなビンズルさん。







▼禅堂。







▼禅堂扁額。読めません、こういう文字がサラッと読める教養が欲しい。







▼鐘楼。この写真では分らないので……、







▼後ろに廻りました、間違いなく鐘楼です。







▼放生池。蓮花のなれの果て、人生そのもの。







▼元気な二葉。







▼放生池を隔てた高台に経堂。







▼一切経五千余巻が収められてるそうです。方三間宝形造。面白いのは裳階風二層屋根、上が本瓦、下屋根には桟瓦がしかれています。







▼経堂の扁額。まったく読めません。






            ▼三重の法華石塔。






▼開山堂。見事に刈り込みされた躑躅が、見事に開山堂を隠しています。







▼これは読めます。







▼開山堂こんなお堂です。再興された龍溪性潜禅師像を安置しています。桁裄三間、梁間二間、宝形造、桟瓦葺。







▼境内西に連なる建物は、右から玄関、庫裡、済堂。







▼玄関です。







▼済堂扁額には應供堂と書かれています。







▼済堂軒端の大魚板。打ち鳴らされ続けてもメゲへんぞ、ガンバレ魚板。







▼済堂の本尊がどなたなのか分らないまま正明寺 オ シ マ イ。







▼ご朱印です。






蒲生野日野町の山手に甍を構えるこのお寺、ご住職の話によると宇治の本山萬福寺の十分の一の寺域があるそうで、地域一番寺の誇
りが話の端々に感じ、境内は黄檗禅の伽藍配置がまるで小型萬福寺のように整然と、そしてこれ以上の清浄感はない程清められてい
ます。何とも気分爽快なお寺です。
アッそうそう、このお寺聖徳太子創建の由緒があるそうと書きましたが、どこにも聖徳太子は見当たりませんでした。
                    





  ↓ ポチッと押していただければたいへん嬉しいのですが。

神社・お寺巡り ブログランキングへ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿