土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

錦織寺「きんしょくじ」と読みます。

2017年08月23日 | 滋賀の古寺巡り





(2017.08.20訪問)


晴れた湖国近江路は実に爽快、と云っても大半は名神高速一本道。今日は湖南野洲市にある錦織寺を目指しています。浄土真宗木辺
派に属するお寺です。木辺派って初めて聞く宗派、一度訪ねてみようと云うことで新大和路号は、名神を一路東へ。
「錦織寺」最初この寺号どう読むのかな「にしこり寺」「にしごり寺」「にしきおり寺」のどれかだろうと思っていたんですが、実
は「きんしょく寺」が正しいのです。お寺が織物を朝廷に献上した際、時の四条天皇から「天神護法錦織之寺」 の勅額を賜ったのが
きんしょく寺の寺号の由来だそうです。





▼参道と表門。







            [ 錦織寺 ]
            ●山号 遍照山 (へんしょうざん)
            ●院号 天神護法院(てんじんごほういん)
            ●寺号 錦織寺 (きんしょくじ)
            ●宗派 浄土真宗木辺派 (じょうどしんしゅうきべは)
            ●開創 天安二年 (858年)
            ●開基 慈覚大師円仁 (じかくだいしえんにん)
            ●本尊 阿弥陀如来坐像
            ▲滋賀県野洲市木部826 電話 077-589-2648
            ▲拝観料 境内自由 ご朱印300円
            ▲時間 9:00~17:00
            ▲http://www.kinshokuji.or.jp/
            ▲JR東海道本線「野洲駅」からバスで13分 「木部」下車から徒歩1分
             名神高速道路「竜王IC」から車で約20分





            ▼寺号石柱。







錦織寺縁起 (錦織寺HPから抄出)
親鸞聖人が嘉禎元年 (1235年) 関東から京都帰還途中立ち寄り、御仏の法を説いた縁の地です。この地は天安二年 (858年) 叡山三代
座主慈覚大師が御堂を建て、毘沙門天王の像が安置された所です。 寺伝によると、この毘沙門天王のお告げを承けて親鸞聖人がこの
御堂に立ち寄ったところ、地頭石畠氏をはじめ近在の人々の懇願に応じ逗留し念仏の法を説かれ、農民たちに「光明遍照」の経文や
讃文等に節をつけた田植歌で教化されました。それ以来、親鸞聖人の教えの流れを汲む真宗木辺派の本山として今日に至っています。





▼ここは親鸞さんの舊蹟ですの碑。

       





▼表門。一間薬医門、切妻造、本瓦葺、江戸後期建立。お寺の玄関口として、重量感のある堂々の四脚門です。

      





▼表門を入るとスグ中門が控えています。







▼中門を入るとスグ右に手水舎。六本柱、切妻造、桟瓦葺、文久元年 (1861年) 建立。







▼境内左に宗務所。こちらで御朱印を戴きます。







▼講堂。集会所との表示がありますが詳細は不祥。







▼正面参道の向こうに御影堂。







▼御影堂。本尊親鸞聖人御影。桁行七間、梁間五間、入母屋造、三間向拝付、本瓦葺。元禄十四年(1701年) 再建。







▼御影堂内。内外陣は各間に彫刻欄間をはめ込み、すべてを金箔で非常に華麗豪華です。







▼内陣扁額。明治十四年(1881年) 明治天皇は親鸞聖人に「見真」大師号を追贈、勅額を授与。
 この勅額がひたすら豪華絢爛、真宗ブルー地に双龍で「見真」を囲み周辺はオール金箔処理がされています。







▼須弥壇とお厨子。







▼見えるでしょうか、豪華なお厨子内の鸞聖人御影。







▼ビックリなのが欄間の彫刻。中央三間通しで雲間の龍、迫力満点!







▼左右脇欄間も龍で飾られています。               













▼御影堂。







▼御影堂と阿弥陀堂を結ぶ渡り廊下。錦織寺のお堂間は総て渡り廊下で結ばれています。







▼阿弥陀堂。本尊阿弥陀如来座像。桁行七間、梁間五間、入母屋造、三間向拝付、本瓦葺。天保二年 (1831年) 再建。







▼阿弥陀堂正面。







▼内陣扁額。四条天皇勅額「天神護法錦織之寺」錦織寺寺号由来の扁額。







▼須弥壇お厨子にチョット見ずらいですが本尊阿弥陀如来坐像が祀られています。







▼欄間をご覧ください。こちらは天女の機織姿の彫刻です。      







▼阿弥陀堂。







            ▼親鸞聖人銅像。







▼鐘楼。







▼天安堂。堂形としてはかなりの異形、しかし見方によれば非常に魅力的なお堂です。文久元年 (1861年) 再建。







▼天安堂内本尊のお厨子。本尊毘沙門天立像は秘仏。この像は伝教大師最澄が東塔にあった霊木で彫られた霊像と伝わります。







▼屋根トップに宝珠が乗るので宝形造りかと思われますが、込入った形状は変化に富んでます。







▼唐破風向拝のカーブに沿って龍が彫られているんですヨ。







▼鎮守の山王権現社。

 





▼境内伽藍裏手に親鸞聖人廟。







▼廟の周囲を蓮池が巻いてます。







▼蓮花もまだ蕾も沢山ついてます。                  













▼綺麗です。







▼親鸞聖人廟。







▼高廊下、御影堂への渡り廊下です。これからこの廊下の向こう側、東山御殿へ行きます。







▼大玄関。







▼いきなり東山御殿のお庭です。御殿各部屋は今日は入ることが出来ませんでした。   







▼親鸞聖人笈掛松。







▼東山御殿前庭。







▼東山御殿前庭の蹲踞。シンプルイズベストですネ。







▼小書院前庭。                            







▼奥の建物は茶室です。







▼境内景。左から御影堂、阿弥陀堂、天安堂。







▼ご朱印です。







特別フロク
▼明治二十九年の錦織寺境内マップ。驚きです、現状と殆ど変わりません。







浄土真宗には公式十派 (以外に十数派アリ) があるそうですが、東西本願寺とここ錦織寺そして仏光寺、興正寺しか知りません。
いずこも親鸞さんスベテは当然ながら、各寺院はそれぞれ大境内大伽藍を擁し堂内荘厳も格調すこぶる高い。親鸞さん蓮如さん
と続き、途中真宗弾圧の苦境を乗り越えて今がある浄土真宗は、我が国に置ける多数の仏教勢力から頭一つ突き出ているように
思えます。そんな真宗勢力の一派が湖国に根を張り、天台王国と共存する寛容さ、日本仏教のおおらかさを感じた錦織寺訪問で
した。

これにて錦織寺 オ シ マ イ
長々のお付き合いありがとうございました。





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