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(2017.07.15訪問)
勝利寺から少し下ると女人高野慈尊院です。駐車場はクルマ満タンでした。僅か300mと離れない勝利寺とえらい違い。
母親でも入山を拒んだ女人禁制、高野山入山を許さなかった空海さんは、そのかわり一往復約五十キロの山道を母に逢いに月に九度
は高野山と慈尊院を往復、なんと3~4日に一度ですよ! それが九度山町の名の起こりと伝わるこの町に慈尊院はあります。
天才空海さんとて人の子、母を想う気持ちは人一倍、どこか身近に感じる空海さんの一面が伝わるようですネ。そんな慈尊院を訪ね
ました。
▼紀の川渡しから門前町をぬけると正面に表門。
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[ 慈尊院 ]
●山号 万年山 (まんねんざん)
●寺号 慈尊院 (じそんいん)
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう)
●開基 伝 弘法大師空海 (こうぼうだいしくうかい)
●開創 伝 弘仁七年 (816年)
●本尊 弥勒如来坐像
▲ 和歌山県伊都郡九度山町慈尊院832 Tel. 0736-54-2214
▲拝観料 境内自由 ご朱印300円
▲時間 8:00~17:00
▲http://jison-in.org/
▲平成十六年(2004年)「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産に登録。
▲南海高野線「九度山駅」から約2km、徒歩20分
京奈和自動車道高野口ICから約15分
▼表門から境内を見ますと、先ず多宝塔が見えます。
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慈尊院縁起 (慈尊院HPから抄出)
弘仁七年、弘法大師空海が高野山開創の時、高野山参詣の要所に当たるこの地に、表玄関として伽藍を創建し、高野山一山の庶務を
司る政所を置き、高野山への宿所並びに冬期避寒修業の場とした。大師の御母公珠依御前が善通寺より我が子が開いている山を見た
い一念から、高齢にも関わらず当院へ参られ、本尊弥勒菩薩を篤く尊祟せられた。承和二年二月五日、御母公が入滅された時に大師
は母公が弥勒菩薩になられた霊夢により廟堂を建立、自作の弥勒仏と御母公の霊を安置された。慈尊とは弥勒菩薩の別名で、これに
より慈尊院と呼ばれるようになった。
▼表門を潜ると右に大師堂。本尊弘法大師空海、脇仏に四国八十八霊場の本尊八十八躰をお祀りしています。
三間四方宝形造、桟瓦葺。
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▼左玉垣の中に建つ五輪塔。平安後期何か哀しい事件があったらしく、
それ以後建てられたと伝えています。
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▼訶梨帝母 (鬼子母神)のお社。
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▼多宝塔。朱色が映える塔姿の優れた多宝塔です。平成二十四年解体修理及び彩色完了。
本尊大日如来。塔高約15m、方4.5m、寛永元年 (1624年) 再建。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/c0/dd1857de767c3417413dbd4db2890c34.jpg)
▼正面初層頭貫上に色鮮やかな蟇股。ここだけ妙に目立っています。
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▼上層の組み物。
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▼多宝塔北面。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/ec/6c534dbbe2c51c148bdaad667b17fa6a.jpg)
▼多宝塔相輪です。
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▼デッカイ樹勢旺盛なナギの樹。樹高約15m、幹周り約2m、樹齢約350年。天然記念物に指定されてます。
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▼拝堂です。本堂弥勒堂の拝殿の役目を担うお堂です。お大師さん画像と御母公尊像安置。
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▼拝堂の扁額。
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▼内陣です。豪華な瓔珞や吊り灯籠が所狭しと荘厳され賑やかな堂内、前方に見える窓の向こうが本堂弥勒堂の正面です。
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▼大地蔵さんと小地蔵さんがイッパイ。
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▼どなたが撮っても全景が撮れない本堂弥勒堂 (重文)。方三間、宝形造、檜皮葺。
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▼本堂弥勒堂正面。
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▼本尊弥勒菩薩坐像 (国宝)(秘仏)。像高91cm、檜一木造、彩色像、
寛平四年 (892年) 造立。二十一年に一度開扉。
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(本尊写真はネットから)
▼弥勒堂檜皮の屋根の石造露盤宝珠。
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▼屋外の弥勒菩薩坐像。高野山詣りの時はこの弥勒さんに一言ご挨拶、道中お護りしてくださるそうです。
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本堂前の安産祈願の絵馬。
高野山への女人入山を禁じていた弘法大師は自分の母をも許さず、母はこの寺に住み弥勒菩薩を信仰したという。女人の高野山参り
はここ慈尊院に限られ、女人高野とよばれるようになったのです。女性のための安産祈願、子宝成就、育児、授乳等を願いを、乳房
型絵馬に託してを奉納するようになったと云われています。
▼悩み多き女性のための乳房型絵馬の数々。その奉納絵馬の多さには驚きました。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/5f/b604e0fca8b2072dce03dcfa21906d11.jpg)
▼世界遺産碑。平山郁夫さんの揮毫。
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▼境内ど真ん中に蓮花をかたどるとはいえ少々場違いな噴水。
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▼鐘楼。
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▼大師とゴン。
ノラのゴンは慈尊院に住みつき、高野山金剛峯寺までの町石道を、お遍路さんについていくうち道を覚え、朝慈尊院を発ち夕方に高
野山上の大門まで案内、夜には慈尊院に戻る毎日を送り「お大師さんの使いの名犬」として有名に。平成十四年六月に慈尊院で永眠、
境内の弘法大師像の横に、ゴンの石像「高野山案内犬ゴンの碑」が建てられています。
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▼迫力満点!水盤の登り龍。
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▼庫裏です。
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▼境内隅の石仏。
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▼日本一古い土塀。境内周囲約250mの三方を巡らす土塀。
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▼西門左右にも日本一古い土塀。確かに古そう、これも売りネタになるんですネ。
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▼ご朱印です。弥勒さんのお膝に置かして戴きました。
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拝堂の右奥に長〜い石段があります。テッペンまで行くと丹生官省符神社が有り、その本殿を右に行くと高野山町石道が始まります。
高野七口と云われる高野山登山道七本のうちの一本で、慈尊院から高野山壇上伽藍に至る約23kmの表参道のこと。ここからが高野
山詣での第一歩になるんです、勝利寺、慈尊院を訪ねたら次は空海さんが眠る高野山を訪ねる、至極当然の順路ですネ。
しかしボクは行きませんヨ、誰がなんと云おうと登山はしません。高野山を訪ねるにはケーブルに限ります。
こんど高野山をいつ訪ねるか迷いつつ慈尊院 オ シ マ イ
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九度山駅から歩いたんですか、しかも往復ですか。
それはそれはお暑い中ご苦労様でした。
紀の川の流れも涼の足しにはなりませんでしたか。
真夏の炎天下、お寺を訪ねて熱中症で倒れる。絵になりません。
どうぞお気をつけて。