土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

慈尊院、空海さんがお母さん孝行のために建てたお寺です。

2017年07月20日 | 和歌山の古寺巡り





(2017.07.15訪問)


勝利寺から少し下ると女人高野慈尊院です。駐車場はクルマ満タンでした。僅か300mと離れない勝利寺とえらい違い。
母親でも入山を拒んだ女人禁制、高野山入山を許さなかった空海さんは、そのかわり一往復約五十キロの山道を母に逢いに月に九度
は高野山と慈尊院を往復、なんと3~4日に一度ですよ! それが九度山町の名の起こりと伝わるこの町に慈尊院はあります。
天才空海さんとて人の子、母を想う気持ちは人一倍、どこか身近に感じる空海さんの一面が伝わるようですネ。そんな慈尊院を訪ね
ました。





▼紀の川渡しから門前町をぬけると正面に表門。      







[ 慈尊院 ]
●山号 万年山 (まんねんざん)
●寺号 慈尊院 (じそんいん)
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう)
●開基 伝 弘法大師空海 (こうぼうだいしくうかい)
●開創 伝 弘仁七年 (816年)
●本尊 弥勒如来坐像
▲ 和歌山県伊都郡九度山町慈尊院832 Tel. 0736-54-2214
▲拝観料 境内自由 ご朱印300円
▲時間 8:00~17:00
▲http://jison-in.org/
▲平成十六年(2004年)「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産に登録。
▲南海高野線「九度山駅」から約2km、徒歩20分
 京奈和自動車道高野口ICから約15分





▼表門から境内を見ますと、先ず多宝塔が見えます。







慈尊院縁起 (慈尊院HPから抄出)
弘仁七年、弘法大師空海が高野山開創の時、高野山参詣の要所に当たるこの地に、表玄関として伽藍を創建し、高野山一山の庶務を
司る政所を置き、高野山への宿所並びに冬期避寒修業の場とした。大師の御母公珠依御前が善通寺より我が子が開いている山を見た
い一念から、高齢にも関わらず当院へ参られ、本尊弥勒菩薩を篤く尊祟せられた。承和二年二月五日、御母公が入滅された時に大師
は母公が弥勒菩薩になられた霊夢により廟堂を建立、自作の弥勒仏と御母公の霊を安置された。慈尊とは弥勒菩薩の別名で、これに
より慈尊院と呼ばれるようになった。






▼表門を潜ると右に大師堂。本尊弘法大師空海、脇仏に四国八十八霊場の本尊八十八躰をお祀りしています。
 三間四方宝形造、桟瓦葺。







            ▼左玉垣の中に建つ五輪塔。平安後期何か哀しい事件があったらしく、
             それ以後建てられたと伝えています。

      





▼訶梨帝母 (鬼子母神)のお社。







▼多宝塔。朱色が映える塔姿の優れた多宝塔です。平成二十四年解体修理及び彩色完了。    
 本尊大日如来。塔高約15m、方4.5m、寛永元年 (1624年) 再建。













▼正面初層頭貫上に色鮮やかな蟇股。ここだけ妙に目立っています。







▼上層の組み物。







            ▼多宝塔北面。







            ▼多宝塔相輪です。

    





▼デッカイ樹勢旺盛なナギの樹。樹高約15m、幹周り約2m、樹齢約350年。天然記念物に指定されてます。







▼拝堂です。本堂弥勒堂の拝殿の役目を担うお堂です。お大師さん画像と御母公尊像安置。







▼拝堂の扁額。







▼内陣です。豪華な瓔珞や吊り灯籠が所狭しと荘厳され賑やかな堂内、前方に見える窓の向こうが本堂弥勒堂の正面です。







▼大地蔵さんと小地蔵さんがイッパイ。







▼どなたが撮っても全景が撮れない本堂弥勒堂 (重文)。方三間、宝形造、檜皮葺。







▼本堂弥勒堂正面。







            ▼本尊弥勒菩薩坐像 (国宝)(秘仏)。像高91cm、檜一木造、彩色像、
             寛平四年 (892年) 造立。二十一年に一度開扉。



            (本尊写真はネットから)





▼弥勒堂檜皮の屋根の石造露盤宝珠。







▼屋外の弥勒菩薩坐像。高野山詣りの時はこの弥勒さんに一言ご挨拶、道中お護りしてくださるそうです。







本堂前の安産祈願の絵馬。
高野山への女人入山を禁じていた弘法大師は自分の母をも許さず、母はこの寺に住み弥勒菩薩を信仰したという。女人の高野山参り
はここ慈尊院に限られ、女人高野とよばれるようになったのです。女性のための安産祈願、子宝成就、育児、授乳等を願いを、乳房
型絵馬に託してを奉納するようになったと云われています。

▼悩み多き女性のための乳房型絵馬の数々。その奉納絵馬の多さには驚きました。    













            





▼世界遺産碑。平山郁夫さんの揮毫。

   





▼境内ど真ん中に蓮花をかたどるとはいえ少々場違いな噴水。

           





▼鐘楼。

            





▼大師とゴン。
ノラのゴンは慈尊院に住みつき、高野山金剛峯寺までの町石道を、お遍路さんについていくうち道を覚え、朝慈尊院を発ち夕方に高
野山上の大門まで案内、夜には慈尊院に戻る毎日を送り「お大師さんの使いの名犬」として有名に。平成十四年六月に慈尊院で永眠、
境内の弘法大師像の横に、ゴンの石像「高野山案内犬ゴンの碑」が建てられています。







            ▼迫力満点!水盤の登り龍。







▼庫裏です。







▼境内隅の石仏。







▼日本一古い土塀。境内周囲約250mの三方を巡らす土塀。







▼西門左右にも日本一古い土塀。確かに古そう、これも売りネタになるんですネ。







▼ご朱印です。弥勒さんのお膝に置かして戴きました。







拝堂の右奥に長〜い石段があります。テッペンまで行くと丹生官省符神社が有り、その本殿を右に行くと高野山町石道が始まります。
高野七口と云われる高野山登山道七本のうちの一本で、慈尊院から高野山壇上伽藍に至る約23kmの表参道のこと。ここからが高野
山詣での第一歩になるんです、勝利寺、慈尊院を訪ねたら次は空海さんが眠る高野山を訪ねる、至極当然の順路ですネ。
しかしボクは行きませんヨ、誰がなんと云おうと登山はしません。高野山を訪ねるにはケーブルに限ります。

こんど高野山をいつ訪ねるか迷いつつ慈尊院 オ シ マ イ





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2 コメント

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Unknown (イジリー)
2017-08-06 10:57:39
先日、和歌山県内の有名な寺院を巡ってきましたが、ここは最寄りの駅から歩く事になり、炎天下の中、あの道のりを歩くのは難儀でした。帰りの道のりを考えると流石に丹生官省符神社まで行く元気は無かったですね(笑)
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Unknown (hidepon)
2017-08-07 13:35:48
イジリーさん、こんにちは。いつもありがとうございます。
九度山駅から歩いたんですか、しかも往復ですか。
それはそれはお暑い中ご苦労様でした。
紀の川の流れも涼の足しにはなりませんでしたか。
真夏の炎天下、お寺を訪ねて熱中症で倒れる。絵になりません。
どうぞお気をつけて。



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