土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

百済寺、ひゃくさい寺ではなく、くだら寺なんです。

2018年06月05日 | 奈良の古寺巡り





(2018.06.02訪問)


奈良の広陵町はまだ訪ねたことがありません。今日はその広陵町で秀麗な三重塔を持つお寺、百済寺を訪ねてみようと大和路号は広
陵町百済を目指しています。訪ねる百済の地は聖徳太子の百済大寺、舒明天皇の百済宮、天武天皇の大官大寺などの後裔地、伝承地
と唱えられた説が一時幅を利かせたようですが、今はその説は後退、しかし現存する三重塔を見る限り、往時これだけの塔を擁する
寺院は、歴史的にどこまで事実を伝えているかは不詳ですが、それなりの大寺が存在したのは確かではないでしょうか。その三重塔
を目指しています。





▼広陵町のランドマーク。







[ 百済寺 ]
●寺号 百済寺 (くだらじ)
●開山 不詳
●創建 不詳
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう)
●本尊 毘沙門天立像
▲奈良県北葛城郡広陵町百済1411-2 TEL.075-461-2239
▲拝観料 境内自由
▲近鉄大阪線「高田駅」から広陵町コミュニティバス広陵元気号北東部支線で百済寺公園前下車すぐ
 西名阪自動車道「法隆寺IC」から約6km、約20分





▼百済寺縁起。







▼塔が主役の境内。







            ▼三重塔(重文)。内部は四天柱の須弥壇には本尊金剛界大日如来を安置。
             塔高約23m、本瓦葺、鎌倉時代中期の再建。
 












▼鎌倉期の豪快な建築技術が窺え、往時の寺院規模を彷彿とさせます。







            ▼周囲には塔を圧する何もないので実に堂々とした塔姿の優れた三重塔ですネ。







▼初層の正面。







            ▼三重塔相輪。

      





▼手水舎。







▼万葉歌人山部赤人の歌碑。
 百済野の 萩の古枝に 春待つと 居りし鶯 鳴きにけむかも







▼塔横から境内。







▼本堂。
 高床の高欄つき外縁が三方を巡っています。全面格子戸。談山神社から移築だそうですが、このお堂が本当に本堂なのか疑問です。
 現存三重塔の規模から云ってお堂規模が小さすぎ、往時の伽藍配置は不明とは言え、この位置に本堂があるのは不自然のように思
 われます。方三間、入母屋造、本瓦葺。







▼本堂前面が全面格子と云うのも不自然。談山神社妙楽寺の余ったお堂を持ってきたのかナ。







▼格子窓から中を覗いて見ると……、立派な4枚折戸の厨子風須弥壇でしょうか、この中に本尊毘沙門さんが。







▼境内を2分する如く春日若宮神社の鳥居が目立ちます。神社の由緒は不詳です。







▼鳥居扁額。







▼境内には6摂社が並んでいます。







▼正面が拝殿。前面格子戸はロックされ本殿を見ること叶わずです。

 





▼梵字池をグルリと廻って百済寺オシマイです。







残念ながらこのお寺は現在無住寺、お寺情報も殆どなく往時の寺院規模を感じることは出来ません。春日若宮神社と隣り合っていま
すが、両寺社どちらが神宮寺か鎮守社なのか、主役は果たしてどちらなんでしょうネ。正直なところ、こんなに小さなお寺とは思い
ませんでした。歴史は時には非情な面を見せるようです。
次は広陵町第2弾!!

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Tenichi)
2018-06-10 09:58:03
こんにちは!

我が家からそう遠くないこのお寺は、
時々どこかに行った帰りに近くを通ります。
以前、お寺の前に住んでおられる方に聴くと
子供の頃に三重の塔の中に入って遊んでいた
そうです。
台風の時は、風鐸の音が恐ろしいくらいに
鳴って、塔がきしむそうです。
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Unknown (hidepon)
2018-06-11 00:49:37
Tenichiさん、こんばんは。
いつもコメントありがとうございます。
塔がきしんで、風鐸が恐ろしい鳴りかた、そりゃ怖いでしょうね。
近くに住んでこその経験でしょう。
ボクなんか風鐸は風流な鳴り方のイメージしかないのと、
塔がきしむ、どんなのかまるで予想出来ません。

話は変わりますが、ボクは興福寺の五重塔に入って三層まで上った経験があります。
半世紀以上前のお話です。
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