土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

聖徳太子の寵臣、秦河勝ゆかりのお寺、秦楽寺。

2010年07月22日 | 奈良の古寺巡り
三輪平等寺から田原本秦楽寺へ。三輪の地から西へ約9km、偶然かどうかこの地
も笠縫という地名が残り倭笠縫邑の候補地の一つとされているようです。例によ
り、やはり近くまでは行きながら迷ってしまいました。迷路のような細い道、さ
んざん行ったり来たり、結局山門からは入れず裏口からの入山になりました。ナ
ビの着いてないクルマは辛いですなァ。

[秦楽寺] じんらくじ
山号 高日山浄土院 寺名 秦楽寺 宗派 真言律宗。本尊千手観音像立像。
寺伝では創建は聖徳太子の臣秦河勝と伝えられ、この辺り一帯は秦庄といい、時
の豪族秦氏の居住地だったと伝えられているそうです。807年、唐から帰国した
空海さんがこのお寺で「三教指帰」を著したと伝えられています。

山門。
珍しいユニークな中国風の土蔵門です。


鐘楼。


本堂。
本尊千手観音像立像、脇侍に聖徳太子と秦河勝が祀られているといいます。是非
拝見したく庫裏に声をかけたのですがご不在のようで拝見することは出来ません
でした。創建時の堂宇も、奈良の敵松永弾正の兵火で焼失、今のお堂は江戸中期
の再建だそうです。






聖天堂?。
本堂西となりに小さなお堂。大聖歓喜天の墨書が。


阿字池。
伝承にぎやかな池のようで、空海さんが三経指帰を執筆中、池の蛙がやかましく
鳴くので叱ったところそれ以来この池ではカエルの声は聞かれななくなったとの
ことです。ボクが池の回りをフラフラ歩いていると、ポチャポチャ頻繁に何かが
飛び込む水音がします、きっとカエルはいるのでしょうネ。あまりの暑さにカエ
ルも鳴くのがバカらしいのでしょう。
田原本町のHPによると、「この池は蓮池で、7~8月にかけて美しい蓮花が、極
楽の如く咲き乱れます、年により咲き方が違いますので寺に確認のうえお越しく
ださい。」といっていますが、この日ボクが見る限り蓮の姿、葉一枚すら見かけ
ませんでした。本当に蓮池でしょうか。それにしても池の水は濁りきっています。
これも狂い雨のせいでしょか。


鐘楼横のご神木。
立派な木ですが、名前は判りません。木札に「枝を切るに木より不思議な力出た
との事」と記されていました。なんのこっちゃか。


池の汀に立っている十三重石塔。




二つ並ぶ鳥居 春日神社と笠縫神社。
境内東南角に神社が並んでいます。拝殿の正面の朱鳥居が春日神社、石鳥居が笠
縫神社。いずれも秦楽寺とは鎮守社と神宮寺の関係だったのでしょうか。秦氏と
の関係や、なぜ二社あるのかは不明みたいです。笠縫神社は倭笠縫邑の候補地の
一つだそうです。




由緒伝承が色濃く残っているお寺ですが、今、境内は決して広くなく、本堂と小
さいお堂が二つだけで、少し寂しい佇まいのお寺の印象をうけました。

三輪のお寺巡りオシマイ。

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