土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

宝塔寺は日蓮上人法孫、日像上人の霊跡です。

2012年03月01日 | 京都の古寺巡り


(2012.02.26訪問)

つづいて石峰寺から十分くらいの距離にある宝塔寺を訪ねました。深草の地は静かです。雪か霙かわからな
い冷たいものが舞っています。街に人影はありませんが、宝塔寺の総門前まで来るとお二人参拝者が入って
いかれるのが見えます。つづく総門からの参道は一直線に仁王門へと続き、その朱色が曇り空の中鮮やかに
目に映り、参道左右には多くの塔頭が甍を並べ、相当大きなお寺であることが想像できます。

[ 宝塔寺 ]
●山号 深草山(しんそうざん)
●寺号 宝塔寺 (ほうとうじ)
●宗派 日蓮宗
●開基 極楽寺として藤原基経、時平
●開創 極楽寺として嘉祥年間(848~850年)
●開山 宝塔寺として日像上人(高祖日蓮上人の法孫)  
●本尊 釈迦如来、十界曼荼羅 両脇に日蓮、日像上人尊像

宝塔寺縁起
嘉祥年間(848~850年)、藤原基経、時平が創建した真言宗寺院極楽寺が前身寺院。大伽藍を擁し、定額官
寺に列せられた大寺院だったそうですが、その後衰退余儀なく、鎌倉後期徳治二年(1307年)日蓮さん法孫、
日像上人が時の極楽寺住持良桂律師との法論のすえ、良桂さんが衆徒とともに日像さんに信状、宗派も日蓮
宗となり寺名も宝塔寺と改称され以来宗門霊山として今に至っているそうです。

▼門前に日像菩薩本廟寳塔寺とある石標。




▼総門(重文)。四脚門、本瓦葺、室町中期建立。




▼参道。左右には塔頭六寺院が並んでいます。




▼仁王門。八脚二層門、本瓦葺、宝永八年(1711年)建立。




▼深草山と揮毫された仁王門扁額。




▼阿形金剛力士。




▼吽形金剛力士。




▼鐘楼。



▼本堂(重文)。
桁行七間、梁行七間方形、入母屋造、正面三間向拝付、本瓦葺。慶長十三年(1608年)建立。
本尊 釈迦如来立像(見延山久遠寺像と等無異像)と十界曼荼羅。向かって右に高祖尊像、左に開山日像尊像。
とお寺のしおりに書かれています。観光寺院でありませんので入堂は出来ません。




▼本堂中央扁額は十界曼荼羅。
本堂内陣に祀る本尊および両尊像に準じた扁額が掛かっています。




▼右扁額、南無日蓮大菩薩。左扁額、南無日像大菩薩。




▼本堂前面二間の吹き抜け外陣。




▼本堂。




▼本堂前に慈母観音立像。




▼多宝塔(重文)。小さな可愛い塔ですが、現存する京都最古の多宝塔らしいです。
塔高11.4m、初層瓦は行基葺。永享十年(1438年)建立。




▼多宝塔。




▼多宝塔の前にある法華納経塔。七字名号が刻されています。



▼開山日像上人霊廟。本堂横の石段を登ってゆくと霊廟地が開けます。




▼高祖日蓮上人像。






▼本堂から客殿、方丈へと続く長廊下。




▼鼓楼。長廊下の途中にあり、下が七面宮参道の入り口になっています。




▼客殿の高麗門。




▼方丈の山門。




▼方丈。




▼参道脇に日像上人荼毘處霊跡。




▼七面宮参道鳥居。
宝塔寺背後の小山に鎮座する七面大明神への参道。




▼七面宮参道。相当長い石段が続きます。参拝者の姿は見えません。上に行くほど少々ゾクゾクします。




▼七面大明神宮(七面堂)。
法華信仰の守護神、七面天女(七面大明神)、垂迹示現の吉祥天を祀る宝塔寺の鎮守社。




▼こんな馬がいます。




▼千仏堂。七面宮参道途上にある鬼子母神、十羅刹女を祀るお堂。江戸初期の建立。




▼最後に仁王門天井画をご覧ください。初層格天井に復元された250余りの牡丹の絵が描かれています。



日蓮宗のお寺の伽藍堂宇は桁外れの大きさを誇るお寺が目立ちますが、ご多分に漏れずこのお寺の本堂も立
派なものです。創建時の寺域、伽藍数には及ばないにしても丘陵の斜面を寺地にする変化にとんだ地形は、
伏見深草の町中寺のイメージはありません。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿