土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

勝持寺、「花の寺」あの西行さん出家のお寺です。

2015年08月31日 | 京都の古寺巡り




(2015.08.29訪問)


先週に続いて雨の中、またまた大原野古刹巡りです。
花の寺として名を馳せている大原野勝持寺を訪ねました。大原野神社駐車場横の参道は古刹の雰囲気や佇まいをタップ
リ味わえ、緑が覆い被さる山道はなんとも言えない心地よさ。仁王門を抜けワクワク期待感を胸に秘め、ひたすら参道
山道を歩きます。こんな天候で拝観者が居ないのもうれいしい限りです。



        ▼寺号石柱。





[ 勝持寺 ]
●山号 小塩山 (おしおざん)
●院号 大原院 (おおはらいん)
●寺号 勝持寺 (しょうじじ) 別称 花の寺
●宗派 天台宗 (てんだいしゅう)
●勅願 天武天皇 (てんむてんのう)
●開山 役行者 (えんのぎょうじゃ)
●開創 白鳳八年 (679年)
●再興 伝教最澄 (でんぎょうだいしさいちょう)
●本尊 薬師如来坐像 (重文)
▲拝観料 志納400円 御朱印300円  
▲拝観時間 9:00~17:00
▲京都市西京区大原野南春日町1194 電話 075-331-0601
▲http://www.shoujiji.jp/
▲ 阪急電車「東向日駅」JR「向日町駅」下車 阪急バス 66系統「南春日町」下車 1.1km




▼大原野神社駐車場横の参道入り口。

 




勝持寺縁起 (勝持寺HPから抄出)
白鳳八年 (679年) 天武天皇の勅によって神変大菩薩役の行者が創建したのが始まりで、延暦十年(791年)に伝教大師
が桓武天皇の勅を奉じて堂塔伽羅を再建され、薬師瑠璃光如来を一刀三礼をもって刻まれて本尊とされました。承和五
年(838年)仁明天皇の勅によって塔頭四十九院を建立されましたが、応仁の兵火に遭い仁王門を除きすべて焼失しま
した。現在の建物は乱後に再建されたものであります。




▼少し上ると石段参道、すぐに仁王門が見えてきます。






▼仁王門。応仁の乱の兵火を逃れた唯一の建造物です。平安時代、仁寿年間 (851~854年) 建立。
 三間一戸、一層、寄せ棟造、桟瓦葺、八脚門。両側に金剛力士を安置。






▼寺号が書かれた扁額。






▼阿形仁王さん。






▼吽形仁王さん。



両像とも仮の仁王像らしく、彩色は残っていますが、相当痛みが激しく、後補のヘタクソさが目に余ります。
当初の仁王像 (重文) は現在瑠璃光殿 (宝物庫) に安置されてます




▼吽形さんがグーを出したので思わずボクはパーを出しました。






▼仁王門から参道です。






▼こんな参道が、






▼真っすぐだったり、曲がったり南門まで約500m、なだらかな坂道ですが、結構こたえます。






▼右に曲がるとやっと南門に到着。






▼南門です。正面に見えるのが入山受付。






▼書院の前を通り、小門を潜ると、






▼綺麗に整備された境内です。






▼瑠璃光殿 (宝物庫) を横に見て、
 瑠璃光殿にはこのお寺の本尊薬師如来像 (重文) 安置され、仁王門の金剛力士もこちらに安置されています。






▼隣が阿弥陀堂 (本堂)。入堂は出来ません。唯一のお堂なのになんで。前面のガラス越しの拝観になります。






▼不動堂。お堂後ろの窟に本尊不動明王石仏が祀られています。この不動堂は、拝殿的な役目のお堂のようです。






▼本尊不動明王は小さな石像です。






▼青もみじ。






▼鐘楼。





▼今は相当ショボイ姿ですが西行手植えという「西行桜」。三代目らしいです。ほかに、染井吉野約100本植えられて
 いるそうです。



北面武士佐藤義清が故あり保延六年 (1140年) この寺において出家、西行と名を改めて庵を結び一株の桜を植えて吟愛、
世の人はその桜を「西行桜」と賞し、このお寺を「花の寺」と呼ぶようになったそうです。
(勝持寺パンフから抄出)




        ▼小さな池の岩上にお立ちの魚籃観音。
         池の水が乳白色、気持ちのいい色ではありません。
         なぜこのお寺に魚籃観音がおられるのか、聞き漏らしました。






▼桜ヶ丘。石垣の一帯に染井吉野が植えられています。





▼冴野の沼 (さえののぬま)。



冴野の沼「小塩山 松風寒し 大原や 冴野の沼の さえまさるらん」平安中期の女流歌人、中務が詠んだ歌で歌枕になっ
ているそうです。今はただ緑に埋もれたただの池、歌の風情を感じることは出来ません。






▼東門。駐車場から来るとまずこの門に出会いますが、ここからは入山できません。






▼東門横の参道、ふと見上げると、






▼今唯一の花の色、百日紅の大木が花盛り、落花も盛り。






▼御朱印です。






大原野のお寺を巡って思ったこと。

「花の寺」花が無けりゃ、ただの寺。

お寺巡りをするのには、この「ただの寺」を巡るのが極意だとボクは思っています。そして季節は時期外れ、時には当
たり外れはありますが、山寺や田舎の小さなお寺が経てきた歴史の星霜は幾たびかの盛衰を経て、その地方の文化や民
衆の信仰心が小さなお堂の本尊にその思いが籠っているのではないか、ボクのように信仰心の無いものでも、有名無名
に関わらず仏と対面した時、たとえ秘仏と称して拝見できない仏がいても堂内に入ることによりお厨子の波動が拝観者
の心に訴えてくるそんな何かを感じることが出来る、時には住職とも話が出来るチャンスがあるかも。
旬の時、人が多いとこうはいきません。
洛西西山、大原野、長岡京、向日町には小さいながらも法灯を保ち続けているお寺が多くあります。ボクもここ一年ほ
どで知りました。皆さんも一度巡ってみてはいかが。





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