土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

金蔵寺、山中の古刹、閑かな閑かな名刹です。

2015年08月25日 | 京都の古寺巡り




(2015.08.22訪問)
先週に続いて京西山大原野古刹巡りです。
迷車大和路号は時々登山をします。標高642m小塩山(生駒山と同じ標高)の中腹にある金蔵寺を目指しているのですが、
これがまた大変な道。我がドライビングテクを持ってしても久々恐怖感でビクビク。とにかく道が狭いうえに急勾配、
そのうえ生半可のカーブではなくグニャグニャ、対向車が来ると今考えてもどうしたらいいか判らない、そんな恐怖感
イッパイの山道参道、非常にアクセスしづらい酷い山道です。しかしちゃんと舗装してます。
また登山道があり、ハイキングや登山する人も多いらしいのですがこの山道を歩く人の気が知れません。
そんな酷いアプローチなんですが、着いてビックリ! これこそが山寺、森閑とした山中、斜面にへばりつく堂宇、人の
気配がまったくしない境内、お寺歩きの醍醐味がココにありました。ですがちょっとコワかったことがありました。




▼山門。






[ 金蔵寺 ]
●山号 西岩倉山(にしいわくらさん)
●寺号 金蔵寺(こんぞうじ)
●宗派 天台宗(てんだいしゅう)
●開基 伝 元正天皇(げんしょうてんのう)
●開山 伝 隆豊禅師(りょうほうぜんじ)
●開創 養老二年(718年)
●再興 桂昌院(けいしょういん) 徳川綱吉の母
●本尊 十一面千手観音菩薩
▲拝観料 志納200円 御朱印300円  
▲拝観時間 8:00~17:00
▲京都市西京区大原野石作町1639-11 電話 075-331-0023
▲ 阪急電車「桂駅」下車 京阪京都交通バス「長峰」下車 徒歩約50分
  阪急電車「東向日駅」JR「向日町駅」下車 阪急バス 66系統「南春日町」下車 徒歩約60分
 クルマかタクシーでの参拝をお勧めします。




        ▼山門戸口に金蔵寺提灯。

 




金蔵寺縁起
養老二年(718年)元正天皇の勅により、隆豊禅師が開創。向日明神の神助によるという。聖武天皇から勅額を賜る。天
平元年、華厳経、法華経などの経典書写、名山霊地に埋蔵。その埋蔵地の一つが金蔵寺の寺領内といわれている。平安
時代、延暦十三年(794年)桓武天皇は、平安京遷都で王城鎮護のため、都の四方に経典を埋めたという。当寺が選ばれ
経典が埋蔵され、西岩倉山の山号を贈られたという。天徳二年(958年)天台座主良源弟子の賀登により中興され天台宗
に改宗。以来、西山の名刹として栄え、堂塔、伽藍など一時は四十九院が建ち並ぶ大寺となったが、その後応仁の乱や
戦国期に荒廃していたのを江戸時代、将軍綱吉の母、桂昌院により再建された。




        ▼右、阿形仁王さん。






        ▼左、吽形仁王さん。






▼山門の青もみじ。






▼山門。潜ると参道がいきなり石段です。






▼その参道石段です。






▼石段を上り切るとチョットした平坦地、手水舎です。






▼こんな手水鉢、苔なんぞ生えて、なんとオシャレな。






▼手水鉢から溢れた一筋の流れ。






▼鐘楼、隣は入山受付です。






▼梵鐘。






▼護摩堂、方三間、宝形造、端正なお堂で、中を覗いてみたんですが、サッパリ判りません。






▼今は社殿跡しか残らない石井神社(いわいじんじゃ)の清泉。覗いてみたんですがお水は確認出来ません、暗すぎて。
 石井神社は清水を神格化した古社で護摩堂北の清泉の上に社殿があったそうです。






▼庫裏前にちょっとしたお庭があります。その一角に小さい池、麗仙池があります。
 池には、弁天社でしょうか石のお社が祀られています。






▼麗仙池の由緒碑。
「生類憐みの令」を綱吉に勧めた桂昌院をしのんで作られた放生池で、放生会を行っていたがいつしか絶え、平成元年
 葉山麗仙さんが復興、放生会が再開されているそうです。






▼庫裏玄関です。小坊主と蛙がお出迎え、どんなコンビなんやろ?






▼玄関の提灯。






▼では本堂へ行きましょう。手水舎の横からの参道石段です。



石段の中程まで来るとなにやら本堂から声が聞こえてきます、読経のような韻を含んだ緩~いテンポの低~い声が森閑
とした山中に流れて来るんです。境内には人気がありません、堂内も覗いてみましたが人気がありません。
実は凍りましたよ、お~こわ。




▼本堂。桁行五間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺、一間向拝付、外陣一間吹き離し。
 応仁の乱やその後の兵火で全山焼失、江戸期将軍綱吉の母、桂昌院により再興再建されたそうです。






▼本堂前にはなぜか、狛獅子がいます。






▼寺名扁額。
 本堂軒や向拝軒の梁や頭貫、長押などに一切の彫刻がなくシンプルそのもの、山中の古刹、雰囲気にピッタリのいい
 風情です。






▼過剰な荘厳されていない本堂内陣。
 本尊 十一面千手観音菩薩は秘仏で中央お厨子の中に、お前立ち像も置かれてないようです。






▼本堂。






▼本堂裏手高台に開山堂。開山隆豊禅師をお祀りしています。
 方三間の宝形造、本瓦葺、一間向拝付、総欅造で金蔵寺一のお堂だそうです。桂昌院建立。






▼中央須弥壇に祀られている開山隆豊禅師のお像。






▼境内高所の愛宕大権現本殿。           






愛宕大権現 
甲冑姿で騎乗し右手に剣を、左手に幡を掲げるお地蔵さんが本地仏とする神仏習合の神号。明治の悪法神仏分離
令の廃仏毀釈で愛宕神社の勝軍地蔵がこの寺に遷座された。






▼本殿正面。中を覗いてみましたが何も見えませんでした。秘仏になっているのでしょう。






▼三仏堂鳥居。






▼三仏堂。仏堂と云ってますが、お社にしか見えないんですが。詳細不明。






▼桂昌院廟。金蔵寺をはじめ西山の名刹は桂昌院さんの寄与、再興の援助を受けたところが多いそうです。
 よほど信仰信心が篤く、神仏尊崇の気概旺盛な方だったんでしょう。






        ▼桂昌院五輪塔。基壇下に桂昌院遺髪が納められているそうです。






▼葉山神社。冨士浅間神社より勧請、木花咲弥姫大神と桂昌院の御魂を合祀、金蔵寺の鎮守社。






▼ご朱印です。






フロク
▼錦秋の金蔵寺仁王門、秋には全山とりどりの赤で彩られ尽くすそうですよ。



写真はネットからもらってきました。


紅葉期の豪華な彩錦に魅せられる参拝者や登山者は多いらしいのですが、バスのアプローチは不可能、団体参拝者はい
ないので比較的優雅に静かに紅葉を楽しむことが出来るそうですヨ。ご住職が言われてましたので間違いないでしょう。

先ほどの本堂の声は、人の有無にかかわらず毎日声明をテープで流しているそうです。
ボクが「ご住職ビビりましたよ、はた迷惑ですワ」と云ったらご住職ニコッとされてました。

オ シ マ イ

クルマで参拝の方、
参道道路状況はオーバーな表現しましたが、山門横駐車場まで15分くらいの距離です。充分注意して運転してくださいネ。
 




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