裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

備忘

2018年04月03日 19時43分53秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
生命が水中から発生したことには疑いがない。
となると、最原初のその構造は、独自の系を外界から隔てるべく、油膜のような結界を張りめぐらせた、有機物のスープだったわけだ。
そしてその形は、表面張力と、周囲からの圧力による、完全な球体だったことは間違いない。
さて、未だ意志を持たない彼の最初の仕事は、浸透圧による透過現象と、化学反応ということになる。
油膜を間に置いて、外界から系の内側へと必要な要素を取り込み、腹の奥で化学反応を起こし、必要のない要素を排出する。
ここまでは、特別な神様からのいただきもの(知性)がなくてもできそうだ。
その一連の反応を「活動」と書き換えると、次のような表現になる。
「彼」は、油膜の内側にもともとあった有機物と外界からすくい取ったものとを突き合わせてなんらかの実験を行い、作用の報酬に得たなんらかのエネルギーを元手にさらなる実験を可能にする熱量にフィードバックさせ、それにともなって発生した汚物を外に追い出しつつ、入れ替えにまた必要な要素を取り込み、その繰り返しによって、常に内部を等質に保つ。
動的平衡だ。
そしてその連鎖は、まさに「生きる」という活動そのものでもある。
この生命の卵ともいうべき無意識の循環現象の円を閉じ込むあぶくは、自分と同様の構造のものを再び生み出そう・・・すなわち、子孫を残そう、などという着想はまだ持ち得ていない。
つまり彼は、自身の個体を永遠に永らえさせよう、という突拍子もない願望を抱いている。
これが、この世で最初に生じた意志といっていいんじゃなかろうか?

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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