平成と令和を跨いだ10連休が終わった翌日に、北広島町美和の里のサクラソウと大朝の天狗シデを見てきました。この二つは旧芸北町と旧大朝町の境に聳える熊城山(997.5m)を挟んで対峙する位置関係にあります。サクラソウはやや遅きに失したかと思いながら訪ねましたがまだ綺麗な花が残っていました。やや暑く初夏の風を感じた花木巡りでした。〔5月7日(火)〕
↓ 先ず、東美和文化センター近くの休耕田に植え付けられているサクラソウ園を訪ねました。ややピークを過ぎて色褪せているものもありましたが、まだまだ健全な姿を青空の下で鑑賞出来ました。
↓ ここのサクラソウはこの地区をサクラソウの里にすることを目指して2000年に芸北町八幡のサクラソウをバイオ技術で増殖させたものを植え付けたもの。遺伝子タイプから埼玉県のサクラソウ集団のもので、鳥取県日南町を経て八幡に持ち込まれた可能性が高いとのことです。
↓ 次いで熊城山北麓にあるサクラソウ自生地を訪ねました。八重桜が咲き残る自生地周辺の山々は見事な新緑に覆われていました。
↓ 独自種のサクラソウが自生する山域には保護柵が設けられていました。
↓ 広い柵の中にこの地区独自種のサクラソウが所々に分散して咲いていました。
↓ 見ただけでは美和東文化センター近くのサクラソウ園のものとの違いは分かりませんが、葉緑体DNA変異調査でここの種の独自性が確認されたとのことです。
↓ 可憐に咲いた独自種のサクラソウです。今後も交雑することなく、独自種が存続してもらいたいものです。
↓ サクラソウ自生地入口から町道田原枕線(植林地の中を抜ける狭い道)を抜けて熊城山東麓のテングシデ自生地を訪ねました。テングシデの叢林の上に覗いているのが熊城山の山頂部です。
↓ 若葉をつけたテングシデの群落です。テングシデはイヌシデ(カバノキ科クマシデ属)の変種で、幹や枝がくねくねと曲がり、枝の先は枝垂れるなどの独特の容姿にその特色があります。
↓ 斜面に自生したテングシデの群落です。この姿の変異は突然変異によるものと考えられますが、通常一代限りの突然変異が遺伝してこうした姿が残っていることは遺伝子学的には珍しく貴重で国の天然記念物として保護されています。
↓ 残念ながらかつてのようにテングシデの叢林の中には入れませんが、柵の外側などから幹や枝が造形する新奇な図柄などをイメージしながら歩くのも楽しいものです。
↓ テングシデの花のようです。もう十分に熟しています。
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