徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

第29節 ぶらりん

2006-10-31 01:08:22 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「今日のゲームがどんなに重要な試合かっていうのは、選手たちも十分理解して戦ってくれたという風に思います(中略)悔しい結果になってしまったという風に思いますけど、まあ現状の力というのは自分たちで受け入れなければいけないという風に思いますし、ホントに今日は勝負に徹して、自分たちのサッカーというのを半分捨てて、きちっと守備のオーガナイズを整えて、勝負にこだわった戦いをしたわけですけど(中略)ガンバの方が一枚力が上だったということを認めざるを得ないという風に思います」(Sの極み 10月29日付け)

和道「ちょっとバランス崩して初めから入ってるから、まあ馴染むのにも時間はかかるしっていう部分はあった」(Sの極み 10月29日付け)

今シーズン、健太の言い続けた「自分たちのサッカー」を捨てて、勝負にこだわったゲームと言えば9節の浦和戦を思い出す。あのゲームでは終盤にとんでもないパワープレーで怒涛の攻めを見せた浦和に対して、斎藤を投入した伝説のシックスバックが功を奏し勝利を収めた。引き篭もりと言われても仕方のない、それでも結果だけを求めたゲームではあったが、収穫もまた大きかったと思う。そこには明確な(チームとしての)ゲームコントロールとチームのコンセンサスがあった。
浦和戦の「戦い方」はあの時点で確実に糧となっていたと思う。
その後、ナビスコ予選を挟んでチームはアウエイの川崎相手に一歩も引かない好勝負を演じた。「オレたちは、『自分たちの戦い方』で十分戦っていける」、その証明が川崎戦だったと言えるだろう。そしてそれが夏の無敗につながっていくことは、等々力にいた清水サポーター、ファンには予測できていたと思う。そこには希望があったのだ。

健太は9月から始まった「勝負の月」にチームにどんなメッセージを送ったのか。それは序盤での浦和戦ほどには見えてこない。いくら10月に勝てないガンバが、前日の浦和の敗戦を受けてかなりモチベーションを上げてきたとは言え、さらに言えば、フォーメーションを変えたからと言っても、あの、あまりに無残な個々のミスを見る限りでは、自分たちのゲームプラン、そして結果にこだわるというコンセンサスが浦和戦ほど形成できていなかったのではないかと思わざるを得ない。もしかしたら「それ」はあったのかもしれないが(確かに後半立ち上がりまで、状況は「それなり」に拮抗していた)、「それ」はゴール裏から遥か遠くに見えた先制点でぷっつりと切れてしまった。何か嫌な感じがゴール裏にも充満した。
久々に、物凄く、がっくりときた。最後のリバイブまでは歌ったが、片付けが始まってから、しばらく動く気にもならなかった。大阪まで来たから、ということだけではない。このゲームからは何も見えてこなかった。テルの言う通り、「まあ切り替えるしかないと思うし」、それに尽きるからなのだ。ただテル同様「切り替えるしかない」と言っている山西は、また恐ろしいことも口にしている。

「でもホントこれで終わったわけじゃないし、また目標を変えるというか……そこで狙える目標というのを見つけてやってかないと、宙ぶらりんになっちゃうから」(Sの極み 10月29日付け)

勝負の月と名づけた9月から10月にかけて、千葉に完勝し、福岡に快勝し、鹿島、浦和に(自分たちのサッカーで!)惜敗した。負けたとは言え、何の不安もなかった。しかし10月、下位のド根性に屈し、チーム力を上げつつある中位の泥沼に引き込まれ、オレたちは目標を失いつつある。宙ぶらりん、何て恐ろしい言葉だ。ぶらりん、ぶらりん……。
3位の壁というものにぶつかっている。しかし幸いなことに、短期間の中断を経て、まだ川崎戦、そしてダービーが残っている。どうする健太。

ガンバサポに混じって、万博記念公園まで歩き、太陽の搭にお祈りしてからホテルに帰った。脱力感に襲われつつ、風呂に入ったあと、ホテルの近くにあったチェーン店らしき串揚げ屋へ行って酒。関西のロンサムな青年達は串揚げ屋で、ひとり酒を呑むらしい。いい文化。

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