徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

素敵なサムシング♪

2006-12-29 05:59:50 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
負けていい開幕戦などもちろんない。
もちろんないのだが、開幕戦・甲府戦を非常に苦労して勝ち、今季のエスパルスに大いに期待したのは確かだ。引き分けの多かった昨シーズンを受けて、喰らいついてでも「結果」を残す姿勢を見せてくれたような気がした。そして序盤を3連勝し、その後3連敗を喫する。ゲームを観ていない人間は、これで「今年の清水はいつも(正確には「ここ数年」なのだが)の清水」と思い込んだだろう。しかし4月1日のガンバ戦で、期待は確信に変わった。
今季のエスパルスには、ほとんどと言っていいほど、若さを見せたことはあっても、「悪い流れ」は見られなかったと思う。もちろんその後、9月から10月にかけて鹿島、浦和戦での2連敗のあと、3戦連続引き分け、そしてガンバ戦での惨敗(しかし後半の序盤までは拮抗した内容だったが)というストレスのたまりそうな時期があったのは確かだが、中盤から終盤にかけての2連敗、3引き分け以外に、それほどシーズンを通して悪い流れの時期はなかったと思う。序盤の3連敗は言われるほど悪い内容ではない。それだったら7月の京都、福岡連戦の方がヤバかった。
しかも良いのか悪いのかわからないけれども、京都、福岡連戦直後の静岡ダービー(一応ホーム)、2連敗直前の千葉戦(アウエー)、3引き分け直前の福岡戦(ホーム)というのは、観ているこちらが感嘆してしまうような、文字通りの完勝であって、いくら2連敗しようが、3引き分けしようが、シーズンを通して絶望的なほどの調子落ちはまったく感じられなかった。それは今シーズンの戦い方がまったくブレなかった証明でもある。
すべての戦いに何らかの意味(理由)があり、敗戦、引き分けを通して「何か」を得ていく感触をスタンドからも感じ取れた。もちろん「何が」足りないかもわかったしね。

そして崩れないエスパルスの中心にはテルがいた。
2006年のベストイレブンにテルが選ばれなかったのはどう考えてもおかしな話だが(テルがもっとオフェンシブならばさらに選ばれた可能性は高いだろうが、チームの現状を考えればそこまで求めるのは酷かもしれない)、崩れ落ちそうな場面でチームを支え続けたのはやはりテルだった。文句なしに、今年のMVPだろう。序盤3連敗の緒戦、千葉戦の敗因がテルの大ミスだったのは皮肉なものであるが。
また、功労者としてテルを挙げるのは当然なのだが、それ以外にもスタメン以外からも時折輝きを見せたプレーヤーが登場したことも大きい。それは純平であり、浩太であり、アレシャンドレであり、また浦和戦での斎藤もそう言えるだろう。チーム内の状況の良さ、バランスの良さを伺わせる。純平を除き、それぞれが故障を抱えてしまったのは残念だが、来季に向けて可能性は充分見せつけてくれた。

実り多き2006年シーズンを終えて、現時点で森岡、斎藤、マルキーニョスの退団が決定している。森岡、斎藤はエスパルスファンとしては一言では言えないような思いがあるし、現役を続けるための離脱なのだから、まだお別れを言うのは早いだろう(野次飛ばすかもしれんしね)。
一方、天才ドリブラー・フェルナンジーニョの移籍加入、さらに佐野克彦(DF)、長沢駿(FW)のユース2人に加えて、来季も原一樹(FW)、廣井友信(DF)という大学のトッププレーヤーが加入する。エスパルスはもしかして大学サッカーファンにとってはドリームチームのようなチームになってしまうのだろうか(現在強化指定の2人も含めると結構すごいことになりそうだが)。バックアップにまだ多少の不安があるとは言え、今年もかなり良い補強が進められていると言えるだろう。

来季は、他クラブから今年よりも厳しいマークに晒される当然だろうが、今はむしろ、エスパルスならばそんな厳しさに立ち向かえるだろうという期待の方が大きい。厳しいマークに晒される、五輪代表で主力の何人かの若手が抜ける、だから清水の順位(調子)は落ちるという人はいるかもしれないが、そういう人(クラブ)はナメて下さって結構である。
ウイイレ10でエスパルスにフェルナンジーニョを入れたら、さらに攻撃にメリハリついて面白くなった。これは正夢だろう。

最後に今年のベストゲーム。これはもはや矢島の伝説的ゲームとなった清水対ガンバ大阪戦(あとは清水対大分、鹿島対清水、千葉対清水、清水対福岡、横浜対清水あたりか)。来季こそ清水のニステルローイ矢島として本格化するシーズンにしてもらいたいものである。いや、それにかかっていると言っていいかもしれないけれども。

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