徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

ぶさいくな高校生のおれ/筒井康隆「ハリウッド・ハリウッド」

2013-02-06 21:35:24 | Books
<始業のベルが鳴り、英語の教師がニコニコしてあらわれた。彼がつれてきた女を見て、おれは彼がなぜ自分の職業に高校教師を選んだかが、初めてわかった。彼はロリータ趣味だったのだ。>
(筒井康隆「ハリウッド・ハリウッド」/『ベトナム観光公社』所収 早川書房刊1971)

勉強ができず、ふた眼と見られぬほどぶさいくな高校生のおれ。少ない小遣いで観るハリウッド映画だけが心の慰めだが、ある日、蹴飛ばした映画雑誌の埃の中からデビッド・O・セルズニックとダリル・F・ザナックとA・ヒッチコックとW・ディズニィとJ・フォードを混ぜ合わせたような初老の紳士があらわれた。何でもひとつだけ望みをかなえてくれるという。そしておれの望みに応えて、目の前にはオードリィ・カルディナーレとチューズディ・エクバーグとアーシュラ・シュナイダーの「ええとこ」ばかり集めた金髪のグラマー美女があらわれたが…。



オレの世代で言えば「花平バズーカ」か。まごうことなき童貞短編。

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