徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

TwitNoNukesという行動/TwitNoNukes#7(12.17)

2011-12-18 19:35:38 | News

土曜日は渋谷・原宿でTwitNoNukesによる今年最後のデモ。
この日は原発都民投票の請求署名をして、どれだけ集められるかわからんけれども念のために署名の受任者にもなって、いつも通りに参加。

一応、今年最後のTwitterデモだったので、この9ヶ月を振り返って考えてみる。
Twitterデモが「初心者にも入りやすい敷居の低いデモ」というのは、もはや一度参加した人間からは普通に出てくる枕詞で、それはその通りだと思うんだが、翻って考えてみて、いくつかの独立・企画系のデモを含めても、おそらくTwitterデモほど継続して参加してもストレスが低いデモはほとんどお目にかかったことがない。独立系はそれぞれのスタイルがあるし、企画系はどうしたって参加者のパフォーマンスという呪縛から逃れられない。しかも平時ならともかく、原発事故という、時間がかかることを理解しつつも緊急性が高く(まさにアケミが歌った「ゆっくり急げ」そのものなのだが)、シリアスなテーマを扱う以上は「敷居が低い」ことが、まず最優先される。
初心者が入りやすいデモという評価は、それ以上の評価を必要としない。
つまり初心者が入りやすいということは、東京で(つまり日本で)これ以上のデモはないということである。

Twitterデモはシングルイシューを堅持した上で<デモンストレーション>の意味に沿った「拡がり」を目的としている。
3.11以降、ここまで短いスパンでコンスタントに行動を続けてきたデモはなかったと思う。しかも参加者も大幅に減ることがなく、まだまだ少ないとは言え歩行者を巻き込み続けた。勿論「拡がり」続ける以上、コールの中には了解できない表現や表現方法もないことはないが、それ以上の選択肢がTwitterデモの「拡がり」の中にはある。了解できなければ移動すればいい話である。
またシングルイシューを主張すると、「そこ」からこぼれ落ちるものがあるのではないかと過剰に心配する人たちが出てくる。これは前回も書いたシングルイシューやシンプルなコールに不安や物足りなさを感じる人たちとイコールな人種なのは言うまでもない。2回目以降のTwitterデモの実行有志はそういう類の人たちのストーカー気味の批判に晒されてきた9ヶ月でもあった。彼らが批判に対して激怒したり凹んだりしている姿(は見えないけど、まあツイート上、という意味で)も見たが、放り出すこともなく、さらに動きを加速させていったことは心強いものであった。
まあ仮に“誰か”が止めてしまっても、また“別の誰か”が引き継いでいけるということを提示したのが、2011年のTwitNoNukesが素晴らしかったところだとは思うけれども。
“別の誰か”というのは特定の“誰か”ということではなく、参加者ひとりひとりということである。

この日はTwiterデモの華であるSAYONARA ATOM@sayonara_atomがイラストレーションを担当し、主要スタッフである野間@kdxnさんが編集した「デモいこ! 声をあげれば世界が変わる 街を歩けば社会が見える」が先行販売された。実行委員会形式ではなくあくまでも実行有志という形を取り続けるTwitterデモは「誰にでもデモはできる」とTwitter上で提示し続けた。春に活動を開始し、ほぼ毎月デモを主催し続け、そして今年最後のデモにガイドブックという形で「マニュアル」をリリースできたのもTwitterデモ(TwitNoNukes)の素晴らしい成果だったと思う。

500冊ぐらい持って来ればいいのにとも思ったが、「デモいこ!」100冊+10冊はデモスタートまでに完売したという。内容については、まあ編集者の端くれとしては「もう少しいろいろできたんじゃねーの」とは思わないでもないけれどもw企画から申請、広報という流れを押さえつつ、プラカードのように手に持って歩くのもよしという装丁も含めて、良い意味の軽さがあるのはいい。

Jリーグクラブのサポーターであるオレは、基本的に「サポーター」という形を通してTwitterデモ(TwitNoNukes)の活動を見ている。サポーターにしても、デモ参加者にしても、「イベントに参加するお客さん」ではなく、それぞれが当事者意識を持ち、情報を共有していくという視点が重要なのであって、それなしにクラブ(チーム)もデモも情熱のある継続性など望むべくもない(2011年は、一部の、わけのわからない実行委員会に「指導」されるデモなんてものは「数」以上の意味はほとんど持たないことを改めて明らかにしてしまった)。
ということで、あなたがサポーターだと思えばあなたはすでに愛するクラブの一員であり、キミがTwitterデモを必要としていると思うのならばキミはもはやTwitNoNukesの有志なのである。実際に「オレが行って声を出さなきゃ負けちまう」とその気になっている人は少なくないと思うのだ。
そして「普通の人たち」をその気にさせてしまったTwitNoNukesは中途半端に行動を終わらせるわけにはいかなくなった。
なぜなら、その気になってしまった人たちがいる限り、「TwitNoNukesという行動」は終わらないからである。野田首相が勝手に収束宣言したところで、結局何も終わっちゃいないのだから。

勿論この動きは来年にかけても続く。
次はパシフィコ横浜で開催される脱原発会議で行われる予定の首都圏反原発連合としてのデモ(1月14日)…かと思ったが、明日JR新橋駅前のSL広場で正午から野田首相が街頭演説を予定しているという。
そろそろ行動しませんか、ね?