徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

あえて「その場所」で歩いてみた/「がんばろう!さようなら原発1000万人署名」12.10集会

2011-12-11 12:58:45 | News


今週(先週)はフクシマに「寄り添う」某芸人兼ジャーナリストさんと何度かTwitterでやりとりをして、何とも嫌な気分になっていた。彼女の目から見た首都圏のデモは「福島を知ろうとしない」人たちのデモで、福島の人たちの中には「少し白々しく思っている人も多い」(←この「少し」「多い」という書き方は実に嫌らしい)という。
そんな悶々とした気分で参加した野音での「がんばろう!さようなら原発1000万人署名」12.10集会は、オレにとって皮肉にも彼女の言葉を裏付けるような印象を残した。
いや、正確に言うと、オレ自身があえて「その場所」で歩いたとも言えるんだけれども。
もちろんデモのスタート前には隊列の順番はアナウンスされていたし、彼らにわざわざ近づく必要はない。ただマゾヒスティックな体験をしただけの話である。

今回は本当にデモの最後尾、参加者の所属を示した鮮やかな幟を立てた組合系の隊列の最後尾で歩いた。彼らは「シングルイシュー」ではなく、まさに「マルチイシュー」の集団である。
路上に出るまでも嫌な予感はしたのだけれども、この集団のコールリーダーは明らかに反原発に便乗した自分たちの主張をコールの中に織り交ぜていた。それは「3.11前から」云々という言葉を使っていたことでも明らかだ。本当に最後尾を歩いていた周囲の人たちには申し訳なかったのだけれども、思わず途中で「それは関係ねえだろ!」と声を出してしまった。もちろん、わざわざ「そこ」で歩いているくせに文句言うな、という気持ちもある。それは申し訳ない。ということでかなり暗澹たる思いでゴールの常盤橋公園まで歩いた。隊列は盛り上がっていた、常盤橋公園でも全員が気持ち良さそうに雄たけびを上げていた。
しかし個人的にはまったくデモの力にはなれなかった気分である。
まあ、主張云々を抜きにして個人的な趣向を言ってしまえば、妙にエモーショナルで、抑揚をつけ過ぎるコーラーのリードは「他人」に声を出させる気が感じられなかった。「ハイ!ハイ!ハイハイハイ!」じゃないよなあ、まったく。おまえは「あるある探検隊」かっての…。
組合が参加することは、動員という意味では物凄く意味のあることだと思うし、事実、この日の野音を埋め尽くしたのも団体が動員した人たちだろう。しかし、やはり最終的には「個人」に戻っていかなければ力にもならないと改めて思うよ。

もちろん1000人以上の規模のデモになれば、当然隊列や参加する場所によって参加者の印象もまったく異なる。ましてや個人がデモ全体を体感し、把握することなど無理な話で、だからこそたった1回のデモ参加で良からぬ印象を持ってしまう人がいても仕方がない。まあ芸人やジャーナリストがそんなセンスやスタンスではいかんと思うけど。オレが彼女に独善を感じたのは、その「1回」で首都圏(東京)のデモに対してネガティブなツイートを繰り返していることだ。
オレはそれとは違う人たちも、違う場所もあることを知っている。
「そこ」で一緒に歩いて、伝えていこう。

12.17脱原発デモ@渋谷・原宿
日時:2011年12月17日(土) 13:30集合
集合場所:代々木公園ケヤキ並木南側(東京都渋谷区神南2丁目1)
主催:TwitNoNukes 脱原発デモを実行するTwitter有志


と書きつつ、今んところ17日は不参加の予定なのよ…残念。