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徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

原曲?

2009-09-24 13:56:56 | Music
「The Day After Peace」を観ていたら、エンディングテーマがケラ氏畢生の舞台「カラフルメリィでオハヨ」の名エンディングテーマ<僕たちは100年後にはもういない、いたとしてもかなりヤバい。いつか死ぬ、きっと死ぬ。人間の死亡率100%♪>と同じだった。もちろん「カラフル」の方はケラさんの訳詩(意訳、替え歌)なわけだが、これがもともとの原曲なのだろうか。
今更ながら、知っている暇な人がいたら教えて下さい。

眉唾

2009-09-01 05:21:10 | Music
<キミ達の楽しみ方が「危険」とされ、制限されて黙ってていいのか?>
横山健の別に危なくないコラム vol.65 夏フェス)

フェスとはほとんど縁のないミュージック・ライフを送っているわけだが、健さんはともかく、大企業様の言う<僕ら>って物言いは眉唾でいた方がいいと思うんだな。<僕ら>って<僕>でいられるの? (楽しみ方を)考え続けていくことは大事だけれども、きっと、<僕ら>はそのうち骨抜きにされてくだろう。

ところで、エスパルスが調子いいんで日本平にも来て貰いたいものである。

素晴らしき航海/デヴィッド・ボウイ

2009-08-10 03:12:27 | Music
この素敵な航海も長く続かず途中で腐り崩れる
だから私達は順調に年老いることができない
でも、これだけは確認しておこう
人間すべての尊厳の確立も大切だが
いま、こうして、なんとか生きていること自体
同じく大切だ

私達は抑圧の下で生きるコツを覚えつつある
もちろん抑圧されて生きたいとは思わないが
でも、どうにか、生きていけるんじゃないか

文明が高度に発達した世界で、人間は不完全
揺れ動く世界だが それが
軍備や戦争の理由にはなるまい
私達は自分達を父なし子の無用人間だと思おう
そう覚悟して生きることだ
もう二度と私達は、かっこいいことや
気の利いたことを言わないだろうから
デヴィッド・ボウイ「素晴らしき航海」Fantastic Voyage.1979 岩谷宏・訳)

な?/「鏡雨~kagamiame~」発売記念live SION-YAON2009

2009-08-08 23:58:12 | Music
時折花火の音(だけ)が聴こえる中、野音で「鏡雨~kagamiame~」発売記念live SION-YAON2009。ライブが始まる頃には蝉の音も止んで、8月とは思えないような涼しい風が吹き抜ける。SION曰く「福山に取られた」井上さんに代わり、今回は清水義将氏が参加。でも、やっぱり池畑さんのバスドラにはきっちりTHE MOGAMIの文字。野音はやっぱりMOGAMIということで。

2回目のアンコールが終わりメンバーが去ったあと、無人のマイクスタンドにピンスポットが当たり、川村カオリの「金色のライオン」が流れる。もちろんギターとハープでこの曲を歌っているのはSIONだ。彼女の死にあたってテレビ等の取材を断り、この曲をレコーディングしていたのだという。ライブ中も、時折空を見上げるように歌っていたのはこのことだったか。最後に再びSIONがステージに現れ、「な? な?」と空に向かって誰かに語りかけるように言いながら去っていった。

帰り際に久々に鶴さんにも再会できた。いろいろと大変なようだが元気そうで何より。まあ、それぞれがそれぞれでいろいろとあって、それでも年に1回ぐらいは野音でSIONのライブがあって、約束してもしなくても、会っても会わなくてもいいんだけれども、まあ、それぞれ別々の場所で同じライブを観ている。誰かが同じ屋根の下……ではなく同じ空の下にいる。それなりに働いたり、頑張って生きる理由なんてのは、そんなものでいいと思うのである。今年もいいライブだったよ。な?

<以下セットリスト>
①放つ
②お前の空まで曇らせてたまるか
③Teardrop
④鬼は外
⑤磨りガラス越しのオレンジ
⑥ガラクタ
⑦happy
⑧slide
⑨エレファントソング
⑩光へ
⑪鏡雨
⑫karan
⑬住人
⑭通報されるくらいに
⑮一瞬
⑯新宿の片隅から
⑰マイナスを脱ぎ捨てる
<アンコール1>
①遊ぼうよ
②お前がいる
③hallelujah
<アンコール2>
①今日の全部を
②彼女少々疲れぎみ
③たまには自分を褒めてやろう
④このままが
⑤金色のライオン(録音)


パンク/「パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ」プレミアム先行上映会トークショー

2009-07-31 02:37:40 | Music
<結局、すべてはくり返される。夕暮れのつめたい息のなかでわたしはすでに沸点を感じている。たぶん両者には激しさが欠けているのだ。わたしは最後の煙草をすう。言葉ではなく涙があふれ出る。どんなにかすかでも、なにかが起ころうとしているのだ。それはユーカリの木の繁みに聖者のように潜んでいる。無数の小さな死との深くて深遠な出合い。ミュンヒェンよ。あれはわたしがギターを置き忘れた最初でもなかったし最後でもないだろう。>(パティ・スミス/山形浩生・中上哲夫・梅沢葉子・共訳『バベル』思潮社1994 「ミュンヒェン」より)

ラフォーレミュージアム原宿で『パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ』プレミアム先行上映会トークショー。パティ、スティーブン・セブリング監督が登壇。サケ(日本酒)、サケを連発しながら、はにかみながら笑みを絶やさないロック・レジェンド。「2、3枚ぐらいだったらオッケー」ということで会場も即席撮影会になった。
10年以上に渡ってパティを追い続けてきたセブリング監督が、散文詩のように構成したドキュメントでは、ロック・レジェンドではなく、間違いなく現在進行形でしかないパティ・スミスが描かれる。みんな死んじゃったけれどもパティは何度でも復活して「アメリカを台無しにしやがってブッシュのバカヤロー」と叫びながら生き続けている。それはとても、物凄く尊いことなんじゃないかと思った。もうパティがアンタをどこかに連れて行ってくれるわけじゃないんだよね。アンタは自力でロックして、どこまでも遠くへ行きなよ、という話。まあパンクはそもそもそういうものだし、本来自立した女子というのはパンクにしかならない(いまだに)。そして、それはどこかの国の保守的な「女子」ブームとは真逆のもののはずである。

<当時のロック・バンドとしてのわたしたちの哲学は、本書のほとんどすべてにしみわたっています。ロックは未来のアートであり、民衆のアートであり、その純粋さには普遍的なコミュニケーションが見いだせるとわたしたちは信じていました。この作業には多くの献身と訓練がそそぎ込まれ、おかげでグループのメンバーたちは親しみをこめてわたしを野戦司令官と呼んだほどです。(中略)わたしたちがアートと夢において駆け抜けた戦場は、罪悪感や苦悶とは無縁のものでした。あなたも、同じ精神をもってこの戦場に足を踏みいれてくれますように。アートと夢において、献身とともに進んでくれますように。そして生においても、地雷原を横切る兵士の明晰さと勇気を持って、バランスをとりつつ慎重に進まれますように。生命力より貴重なものなどないのですから。そして進むあなたを、その生命力への愛が導いてくれますように。>(パティ・スミス/山形浩生・中上哲夫・梅沢葉子・共訳『バベル』思潮社1994 日本版のための序文より)

サウンドトラック/「青山ロックンロールショー2009.5.9 オリジナルサウンドトラック」

2009-07-29 14:14:04 | Music
一時、Blueさんのトコでも話題になっていた『青山ロックン・ロール・ショー2009.5.9 オリジナルサウンドトラック』。悼む気持ちは大事だと思うけれども、オレとしては全然オッケーであります。むしろタイトル以外はまっとうな<サントラ>なので、清志のうた以外のパッケージは全部冗談にして欲しかったぐらい。さらに石坂敬一氏の目の黒いうちは廃盤にしないという方向ならばもっとオッケーですが。

<「ヒッピー」は俺以外の電車に乗ってるやつが、「こいつらは豚なんだ」ってことじゃない? そう思ってたわけ。俺は音楽やってるし、ロックやってんだから俺は資本主義の豚ではないと思ってたんです。そうしたら石井に「あんたもそうじゃない」といわれて、それで「不思議」の歌詞が出てきたの。>(ロックン・ロール研究所編「忌野清志郎画報 生卵」河出書房新社より)

吉祥寺から高田馬場へ

2009-07-25 02:57:44 | Music
博多NOIZ/NOISのTOSHさんから大プッシュされたモアリズム
ということで、吉祥寺のスターパインズ・カフェで<ダブル・リリース記念パーティー~映画「ディア・ドクター」サウンドトラックとオリジナルアルバム「笑う花」を従えて~>。『ディア・ドクター』の西川美和監督もステージに上がる。噂の才色兼備。タイトル通り、ハープ、ヴァイオリンを交えたサントラコーナー(そのまんま)を経て、『笑う花』全曲。が、温かなムードで、ちょっとほのぼのエンディングになりそうになったところで、アンコールの最後の最後でオープンGのブギ。これで腑に落ちました。ブルースはやっぱり最終的にはワイルドじゃなきゃいかんよね。先にハコに入ってライブを撮影していた大甲君にマネージャー氏を紹介してもらって挨拶。来月初旬あたりに取材予定。

22時過ぎに店を出て、高田馬場へ移動して久しぶりのGateOne。今月は10周年記念マンスリーということで早く行かなきゃなあ…とは思っていたんだが、やっと顔を出すことができた(本当は7月7日が10周年記念日)。信二さんに『漣流』を手渡す。んでもって、まり子さんの姿が見えないと思って訊いてみたら、毎晩が10周年記念ライブでだいぶハッスルした模様。で、この日は休み。あまりにも予想通りで、酔っ払ったまり子さんの姿が目に浮かぶわ。懸念されていた問題も当面は回避できた模様。良かったス。
3、4曲程度しか聴けなかったけれども、この日のメンバーは上田裕香(vo)、橋本信二(gt)、成田祐一(p)、トオイダイスケ(b)でボッサナイト。久々に聴いた裕香ちゃん、いい意味でソフトになったような気がする。信二さんのカッティングは太かった(すぐヴォリューム絞っちゃうけど)。
ここのところ懐具合もよろしくないので24時前に帰る。

金の成る木

2009-06-30 02:04:05 | Music
MTVで追悼ビデオクリップ集を観たのでマイケルのことを書く。
90年代以降はもうまったく、いろんな意味で別次元のスターだったし、リアルタイムでは圧倒的に(現在も)プリンス派だったので思い入れがある人ではなかったけれども、最近では(それでも2003年だけれども)『Number Ones』を買ったぐらいの過去の人であった。ちなみに『Number Ones』に収録されていた当時の新曲「One More Chance」は全米83位、全英5位だった(レコード会社のプロモーションがほとんどなかったようだが)。ミュージシャンとしては、日本だけではなく本国でもそういうことだったのだろうと思う。
それでも、今でもマイケルを聴くとMTVからライブエイドの頃あたりまで、リアルタイムの80年代がまざまざと甦って来る。

少年への性的虐待疑惑が日本でも話題になっていた頃、某社の編集部にいたのだけれども、社内の若い連中が異様に盛り上がっていたのをよく覚えている。彼女たちが何で盛り上がっているのか、さっぱり理解できなかったけれども、やはりマイケルは世界中の玩具だったのだと思う。
そしてよく知られているようにマイケルは金の成る木だった。『漣流』にもマイケルが登場するエピソードを書いたのだけれども、マイケル自身が85年に金の成る木を手に入れている。著作権ビジネスというのは、良くも悪くも余程強い意志を持たなければ怖いビジネスになる。マイケルという金の成る木がビートルズという、もっと金の成る枝を接木してしまったのだから、これは世界最強の金の成る木である。亡者が沸いて寄ってくるのは当然。こうなると話はThrillerで、マイケルはLeave Me AloneやYou Are Not Aloneみたいな気分になって、終いにはGhostsになってしまう。最後がOne More Chanceってのは出来すぎた話ではあるが。

それにしてもマイケルには名作が多い。
ファンの皆さん、誤解しないように。これは別の意味で、愛されていた証拠である。
こんなスターはもう二度と出てこないかもしれない。