goo blog サービス終了のお知らせ 

徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

回を追うごとに/3.11復興支援ライブ LIVE FOR NIPPON Vo.3

2011-05-13 20:45:53 | Music
昨夜は下北沢・風知空知3.11復興支援ライブ LIVE FOR NIPPON Vo.3
もうこのシリーズも実質4回目なのでスタートの時間も確認しないで行ったのだけれども、19時30分スタートってことになってたのか。ということでこの期に及んで20時スタートだと思っていたので当然のように今回も立ち見。まあ弾き語りライブシリーズとはいえ、半分ぐらいは立ち見の気分で行っているのでいいんだけど。
「まばたき」「ノックし続ける男」に続いて、今回の共同MCのクリス“兄さん”ペプラー登場。
クリスさんとのクロストークでまた言葉が滑ったとしか思えないが、この夜のタイジのキーワードは「ソーラーマーシャル」「なし崩しで明治維新」になった(さすがになし崩しで維新は起こらないとは思うが、言いたいことはわかる)。回を追うごとに話が大きくなるタイジ代表である。いや、間違っちゃいないし、オレらはこの道を進むしかないんだけど。

続いて登場したCaravanは、チャボの「今夜R&Bを」を思わせる「Soul Music」、タイジとのデュオで「FREE BYRD」など5曲。爽やかだけど乾いた感じのする兄さん。ペプラーさんが言うようにタイジのギターとの相性も実に良かった。「音楽のやりがいのある時代」というタイジの言葉には同意した。本当に、こんな時代だからこそ、ダイレクトな表現手段って大事なのである。そして、それは皆が手に入れるべきだと思う。

この夜のクライマックスはタイジとヴァイオリニストの金子飛鳥の緊張感あるセッションだった(インディーズ電力の皆さんすみません)。緊張感というのは、ハコの空気は勿論それ以前にタイジに緊張感が見えた。ニール・ヤングの「Only Love Can Break Your Heart」(Crosby,Stills,Nash & Young)、911に311を重ね合わせた透明感の高い「朝を迎えて」。<音>を聴かせる場としてはそれほどいい環境とは思えない状況ではあったけれども、一音一音を聴き逃さないように会場内が集中しているようで、実に濃密だった。支援物資を求める金子さんのメッセージも具体的で、実際的でとても良かったと思う(詳細は彼女のHPまで)。
そのぶん後に登場したインディーズ電力(うつみようこ、高野哲、佐藤タイジ)は笑ってしまうぐらい異常なユルさを見せた。「UFO」「津軽海峡冬景色」でちょっとどうかと思うぐらいのgdgdっぷりを露呈(会場内に約1名、いや2名、大騒ぎする酔っ払いカップルがいたのだけれども、これで奴は更に火がついた…)、と思わせたところで「Don't Let Me Down」「Come Together」「Keep On The Rock'in A Free World」できっちり締める。特に「Keep On The Rock'in A Free World」は完全にタイジの手の内に入ってきたような盛り上がりを見せた。
しかし内容はgdgdだったけど着地だけは綺麗に決めて見せた体操の演技みたいな。
ステージの3人は勿論、たぶんオーディエンスも洋楽度数が高いんだから、風知空知でやるなら最初から洋楽のカヴァーに絞ってやればいいのにと思わないこともないがw さらに言えば、やっぱしようこ姐さんは日本語より英語で歌った方が素晴らしいのではないか。まあ回を重ねるごとに面白くなりそうなユニットではありますが。

最後は再び金子飛鳥とのデュオで「ありったけの愛」。果てしなくインプロが続きがちなラストの「ありったけ」も、この夜は金子さんとのデュオで抑制の効いた、濃密なヴァージョンになったんじゃないかと思う。
この夜はタイジのセッションが増えたことで今後のブッキングに一抹の不安も残るわけだが(ファンとしてはタイジのセッションが増えるのは歓迎なのだが)、次回は6月9日、ロックの日。さらに濃密なライブを期待したい。

ついでに書いておく。さすがのタイジもラス前に件の酔っ払い男に対して一喝したのは良かったですが…奴のせいで最後の「ありったけ」で会場の半分は座ったまま引いちゃってるじゃねーかバカ。ひとりが酔っ払い過ぎると周囲が酔えなくなるという、ライブハウスにありがちなパターンですね。空気読めなどと野暮なことは言わないが空気に呑まれるな。

とか言いつつ、オレも地元に帰って呑みましたがね。

今回のustのアーカイヴはこちら






俺の俺の声/SIONデビュー25周年記念SPECIAL LIVE

2011-05-05 01:49:12 | Music
大震災、そして原発事故の後、SIONは「今、必要なのは音楽じゃない」と言い切った。初めて読んだとき、その言葉に違和感を覚えたのは事実だ。SIONはこの現実に“ミュージシャンとして”向き合わないのか、と思いちょっとがっかりしてしまったのも確かだった。だからこの25周年ライブが改めて行われたことは嬉しかった。

この日は3人のゲストが登場した。その中のひとりにBRAHMANのTOSHI-LOWがいた。
「SIONの歌はSIONにしか歌えない」と言いつつ、彼は彼なりの「俺の声」を歌った。
福島原発で1号機が爆発し、続いて3号機が爆発した後、茨城に向かったTOSHI-LOWは大混雑する反対側の車線――つまり“福島”から逃げる人々を見た(TOSHI-LOWは水戸市出身)。そのときに車の中で流した一曲がSIONの「俺の声」だったという。
スーパーマーケットでミネラルウォーターを買い占める爺婆じゃないんだよ。パニックを起こしかけてカタストロフィの現実から逃げている人たちなんだ。これはショッキングな場面だったと思う。
そしてその現実はまだ続いている。
オレたちはどうしたってこの無責任な社会から逃れられるわけがない。ましてや音楽を自己表現に選んだ人間たちが“現在”に背を向けて活動を続けるのは困難だろう。「今、必要なのは音楽じゃない」=今、音楽に何ができるのか。それでも社会や現実の中でピンボールのように跳ねているだけ(のような)の“俺の声”を発し続けずにはいられない。
だからこそ、この日の「俺の声」は最高に心揺さぶられた。TOSHI-LOWはいい男だったなァ…。

SIONというのは基本的にマイナス、もしくはプラマイゼロの人生を歌う人である。そして極めて個人的な現実を歌い続けてきた人である。しかしマイナス、もしくはプラマイゼロだからこそ、その言葉はポジティブになる。そして、そのリアルな視点はいつでも社会を映し出してきた(時には反動的なほど)。
「ガード下」、「俺の声」、「マイナスを脱ぎ捨てる」が今回のクライマックスだったかな。個人的には2009年に川村カオリに捧げた「鬼は外」のような熱さを彷彿とさせた「ガード下」がベスト。あれは「2011年(現在)の俺」ですよ。

20周年記念のときにはナカスでがっつりと取り上げさせてもらった。それから5年、25周年のSIONは変わっていないと言えば変わっていないのかもしれないけれども、いや、やはり“現在”に生きているシンガーだと改めて思った。
それにしてもロングヘアのSIONは若く、かっこよくなった。

25周年おめでとうございました。
徳永英明も25周年みたいですけど。

<MUSIC DAY2011 GO!GREEN SIONデビュー25周年記念SPECIAL LIVE 2011.5.4SHIBUYA-AX>
●SION WITH BUN MATSUDA
01.午前3時の街角で
02.それさえあれば
03.(新曲)
04.紅(GUEST:SAICO)
05.夜しか泳げない
06.がんばれがんばれ
07.ガード下
08.(新曲)
●SION & THE CAT SCRATCH COMBO
01.住人
02.強くなりてぇ
03.Valentine
04.狂い花を胸に
05.俺の声(GUEST:TOSHI-LOW)
06.調子はどうだい
07.あそこへは
08.(新曲)
●SION WITH THE MOGAMI
01.街は今日も雨さ
02.通報させるくらいに
03.2月と言うだけの夜
04.SORRY BABY(GUEST:花田裕之)
05.からっぽのZEROから
06.石塊のプライド
07.Hallelujah
08.新宿の片隅から
09.マイナスを脱ぎ捨てる
●ENC1
01.お前の空まで曇らせてたまるか
02.風来坊
03.燦燦と
●ENC2
01.そして あ・り・が・と・う
02.砂の城
03.このままが



Instant karmas

2011-04-27 21:11:49 | Music



今、タイジがHeroesを歌ってたのでインスパイヤされた。

改めて現状ってのは
We can be Heroes, just for one day
で、
Well we all shine on Like the moon and the stars and the sun
なんだと。
NHKの生放送で東儀秀樹が弾き語りで歌いたくなったように、今キミが何か歌いたくなったのなら、それは正しく現在に生きていることなのだと思う。

Baby

2011-04-16 12:07:59 | Music



何がわからないかと言えば、レベル7を宣言しながら相変わらず事故を小さく見せようとしている神経がわからない。
そら汚染水の上昇だって止まるわけがないわな。
彼らは本気で停める気あるんかね。結局本気ってのは人と金とスピードだぜ?
パチンコと自販機とファシストのストレス解消に誤魔化されるんじゃない。
ま、レベル7も有耶無耶になっちまったけど。

<日本は言葉がから回りする国だからさ、言葉を巧みに操った奴の勝ちなんだ。こんなんでマジに生きようとしたらキチガイになるよ、俺みたいに。>(江戸アケミ詩集「それから」思潮社1993)

目が覚めた/3.11チャリティーライブ LIVE FOR NIPPON

2011-04-15 06:24:05 | Music
下北沢の風知空知「3.11チャリティーライブ LIVE FOR NIPPON」
今回も店に着いたときにはほぼ座席は埋まっていたので立ち見。
黙祷に続いて、まずはタイジの「昨日よりちょっと」「お尻を引っぱたけ!」。
そして黒猫チェルシーの澤君が登場。何だか遠慮しているのかアコギのアタックが弱い。若いんだからもっと思い切り叩きつけるようにカッティングすればいいのに、と思っていたら、岡林の「それで自由になったのかい」で一気に盛り上がった。続いて浜崎貴司。もう圧倒的な安定感。そして寺岡呼人が「大人」「ハローグッバイ」、そしてチャボの「ティーンエイジャー」などをカバーしつつほのぼのとした空気を作ったあと、会場は一気に熱を帯びる。いや、個人的には凍りついた。

渡辺俊美の熱すぎるうたと、その直後に現れたキャンドル・ジュンの慈愛に満ちたメッセージはギャップが激しすぎた。
「Key word」「死んでしまうことがわかっているなら」「Innocent Love」の熱い流れに加えて、あまりに素朴な猪苗代湖ズの「I love you & I need you ふくしま」で胸が熱くなってしまった。一方、キャンドル・ジュンも訥々と30分以上に渡って自論をオーディエンスに説明した。まるで諭すように。

福島県双葉郡で生まれ育った渡辺俊美は、原発で育った当事者としての過去を受け入れつつ原発にNOを突きつけた。
LOVE FOR NIPPONというプロジェクトをいち早く立ち上げたキャンドル・ジュンは、これまでの日本人のライフスタイルを見直しつつも、現状(東電)を批判(NO)をするのではなく、シンプルにチェンジの選択(YES)をするべきだと語った。
被災者への想いはふたりとも重いものがあったし、共鳴できる。そしてそれぞれにリアルはある。またそれぞれのアプローチに違いがあるのは当然だと思う。しかし当事者としての渡辺俊美の絶望にこそ心から同情とリアリティを感じるが(彼はNOでもYESでもなく、当事者らしくMAKEと言った)、キャンドル・ジュンの主張は現時点では到底納得はできない。もちろん「チェンジ」という結論こそ同意するが…。

その直後、佐藤タイジは「Keep on Rock'n in The Free World」と叫んだ。
オレはやっぱりタイジにこそ一番共鳴するよ。ロックは<ユースレスなインフォメーション>に満ちたこの世界に疑問と不同意を突きつける表現なんだから、オレたちは批判の言葉を否定すべきじゃない。第一そんなもの、まったくクリエイティブじゃない。
まあMCの中村勉さんが、時に突っ走りそうになるタイジの言葉を抑えつつ、ラブ&ピースな内容で穏便に済ませようとする意図は物凄くよくわかるのだが、さすがにそれはロックンロールではないだろう。
フル回転で考え続けろ(ロックし続けろ)、転がり続けろ(ロックンロールし続けろ)、この不自由な世界で、というわけだ。




近田さんの言葉を再び引用する。
<ところで、我々の住むこの世界とはどんなところなのであろうか。ひとつ言えるのは、それこそローリング・ストーンズの歌ではないが、あふれかえるユースレスなインフォメーションにウンザリしながらも、結局はその源であるメディアの一方的な支配に甘んずること以外、ここで現実を暮らすのは至難の業だということだろう。(中略)
実は世界の“秩序”やら“正義”やらは世界の都合で出来ていて、いかにも変幻自在なものなのだが、なんとも仕組みが巧妙で、ついつい絶対的なものに見えてしまう。
「そんなことはねぇだろう!」
内田裕也は様々な表現を通じて、そのことをずーっと訴え続けてきたのだと思う。そして内田裕也の何が素晴らしいかと言って、そうした作業のすべてを<<ロックンロール>>と呼んだ、その直観に尽きる。>
内田裕也「俺は最低な奴さ」白夜書房 プロローグより)

最後に登場してタイジとセッションしたAO(from Dachambo)は心から楽しかった。久々にボ・ガンボスの「目が覚めた」のカヴァーを聴いて本当に目が覚めたような気がしたな。
ライブとしては前回よりも格段にパワーアップしたような気がする。コロナ1本しか飲まなかったがいろんな意味で熱くなった。次回は5月12日(木)です。







どんと、やっぱしかっこええ…。

五穀豊穣ROCK/メモ

2011-03-19 17:20:47 | Music
栗山千明/CIRCUS
2011年3月16日リリース
 
M9 五穀豊穣ROCK
Produced by 佐藤タイジ(Theatre Brook)
作詞・作曲・編曲:佐藤タイジ(Theartre Brook) 演奏:Theatre Brook

<佐藤タイジ(Theatre Brook)
 栗山千明は日本を代表する美人女優である。その彼女がロックを唱うということでシアターブルックに依頼がきた。
 正直「KILL BILL」のイメージしかなかった が、話を頂いたその夜にアフロキューバンロック的なハイテンションな楽曲ができた。彼女の持っているイメージがストレートだからだろう。
 彼女の為に歌詞を書くのはさらに楽しかった。
 世界中はどんよりと将来に不安をかかえるこの時代。
 オレたち男子は彼女のように、美しく健康な女の子にブットバしてほしいのだ。
 カワイクて元気な女の子に“やっちまえ!”と言ってほしいのだ。
 レコーディングで初めて会った彼女は女優的には貫禄があるのだが、歌手的にはまだまだ新人だった。
だがこれからドンドン成長するだろうし、そうでなくてはならない。なぜならば彼女の役目は「日本の大人のボケたお尻をひっぱたく」という大仕事だからだ。>(参加アーティストコメントより

その先の予定/東北地方太平洋沖地震チャリティライブ LIVE FOR NIPPON

2011-03-18 19:35:15 | Music
音楽を聴くのに神経質になっていた。
耳を塞ぐことに神経質になっていた、というか。
ニュースを聞き逃したくないということもあるし、余震も音で反応している。だからこの一週間、音楽をあまり積極的に聴いていなかったのかもしれないと思う。


昨夜は下北沢の風知地知でタイジ主催の東北地方太平洋沖地震チャリティライブ LIVE FOR NIPPON。この一週間、やはりそれでも気が滅入って仕事も滞り気味になっているので申し訳なかったのだが、ひとりで「ニュースの音」に満たされた部屋に篭っているよりも、数時間だけでも「音楽」に満たされた空間にいたかったのだ。さすがに。スマン。
当日になって大停電の可能性が政府によってアナウンスされたので開催も不安だったが、風地空地に電話して決行を確認。急いで支援物資を2つの袋に詰めて下北沢に向かう。
政府のアナウンスの影響もあってか、帰宅ラッシュは18時から19時にかけて集中していたようで意外とスムーズに、混み合うこともなく19時30過ぎには下北沢に着く。その頃にはすでにライブはスタートしていたわけですが。
ドレッドライダーの途中で会場に到着したのだけれども、会場は予想以上に埋まっていた。

LEYONAの「You've Got A Friend」や飛び入りの斉藤和義の「歩いて帰ろう」は感動的だったし、武藤昭平Withウエノコウジの男気溢れる歌には鳥肌が立った。うつみようこ姐さんの「満月の夕」はさすがだったな。そしてタイジ。直前に結構大きめの余震があったのだけれども、この日の「ありったけの愛」は最高に響いた。ライブはアーカイブされているようなので是非ご覧になっていただきたいと思う。(もしかしたら放射能混じりの)強風が吹き荒びガラスを震わせ、余震に揺れる中のライブというのは、思うになかなか壮絶な現場ではあったけれども。

ということでtheatre brook history's Barは中断。今後はLIVE FOR NIPPONとして継続していくとのこと。
タリスマン突入の勘違い時代の話も聞きたかったなァ…いつかhistory's Barの再開も希望しておく。
次回は4月14日(木)。もちろん帰り際に予約しておいた。
今、先の予定を立てること、それはやっぱり希望なんだと思うんだな。

それにしても下北沢、暗すぎ。


ガラガラの小田急線、総武線に乗って地元に帰って、まだ営業していた酒場で飲む。
みんな、あんまり一人でいたくないんじゃないかな…と思った。

勝利者

2011-02-24 04:48:29 | Music



ゴージャズでグルーヴィーな忠さんも勿論いいんだが、2004年の「き・み・は・す・ば・ら・し・い」も物凄く好きなアルバムなのでアコースティックな忠さんもいい。
思わずクリスチャンに…はならないけどれども。
年食ってもこんな風に歌えるのは素晴しい。こんな風に歌いたい。
12月のスタジアムで。