本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

アーキテクチャの生態系

2009-08-23 08:33:00 | Weblog
■本
66 アーキテクチャの生態系/濱野 智史
67 オバマ現象のカラクリ/田中 愼一 本田 哲也

66 グーグル、2ちゃんねる、ニコニコ動画などのWeb上のサービスを「アーキテクチャ」に注目しながら分析し、2ちゃんねる、ニコニコ動画、mixiなど日本独自のサービスの「アーキテクチャ」から日本社会の特性を明らかにして行こうという試みの本です。ここで言うアーキテクチャとは、「規範」や「法律」ではなく、運転手からアルコールを感知するとエンジンがかからない車のように、技術や物理的制約から、人々の行動を規制する仕組みのことを指します。ウェブサービスの最新動向といった結構賞味期限が限定される内容とアーキテクチャの観点からの分析といった普遍的な内容が混在していますが、やはり、読むには今が旬の本のような気がします。知的好奇心が満たされて面白いです。個人的にはケータイ小説「恋空」をメールなどのレスポンスの速度や着信番号により受信するか否かを決める行動(筆者は「操作ログ的リアリズム」と呼んでいます)をからめながら、分析しているところが、これまでの、ケータイ小説=定番の事件ばかりの深みのない内容、という解説とは異なった視点で興味深かったです。

67 最近、マーケティングの世界では、大統領選挙戦でのオバマ陣営のコミュニケーション戦略の分析がはやっていますが、本書はPR的観点からオバマ陣営の数々の施策を分析した本です。オバマ大統領の具体的なメッセージがたくさん盛り込まれていますので、オバマ大統領に関心のある人にも、わかりやすくそのメッセージが理解できる構成になっていて、単純に読み物としても面白いです。おそらく、ここで分析されている全ての効果を、事前にオバマ陣営が意図していたわけではないとは思いますが(オバマ大統領自身のカリスマ性が多分に影響していると思います)、やはりよく練られたコミュニケーション戦略と言わざるを得ません。最終章には個人レベルで活用可能な「戦略コミュニケーション発想」のポイントが書かれていて参考になります。しかし、頭では理解できても、実践するのは大変そうですね。ここまで周到に考えると、逆に疲れて人間嫌いが一層進みそうです。とはいえ、コミュニケーションも時には意識的に行うべきである、という視点は頭の片隅に置いておいても損はないと思います。



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