本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

わたしを離さないで

2010-09-05 06:02:17 | Weblog
■本
68 わたしを離さないで/カズオ イシグロ
69 トリプルメディアマーケティング/横山 隆治
70 わたくし率 イン 歯ー、または世界/川上 未映子

68 下北沢の「ヴィレッジヴァンガード」で、私の大好きなポール・オースターの「ムーン・パレス」並みと絶賛されていたので読みました。筆者の世界観にぐいぐいと引きこまれ、あっという間に読み終えました。あらためて、読書の楽しみを感じさせてくれる傑作です。ポール・オースターの作品で言えば、筆者の想像力を駆使して完璧な空想世界を構築しているという意味で「最後の物たちの国で」の方に近いと思いました。より明確に自分の最期をイメージできること以外は、死を運命付けられているという点では本作の登場人物と私たちに大差はなく、また、その限りのある人生の中でも、結局は人間関係に悩まされてしまっているところが(書いてしまえばすごく陳腐ですが)、示唆に富んでいる思います。ステレオタイプな善人や悪人は全然出てこないのに、倫理についても深く考えさせられる作品です。

69 雑多な内容を詰め込みすぎているので、若干散漫な印象を持ちますが、企業のソーシャルメディアの活用について網羅的に書かれていて、よくまとまっている本だと思います。特に、要点を構造化した図式が巧みで、頭の整理に役立ちます。最初から通して読むというよりも、手元に置いておいて、必要なときに関心のある部分を読むといった使い方の方が適しているかもしれません。

70 こういう独白形式の文体って、ミュージシャンの方に特有なのでしょうか? 町田康さんもこういう小説を書かれていた気がしますし、少し前に芥川賞を取った、モブ・ノリオさんの「介護入門」もこんな感じだったような気がします。良い悪いの判断以前に、本作は私にとっては、あまり合いませんでした。とっても読みにくく、何度も同じ箇所をループしていました。自己の存在とか深遠なことをテーマにしている気がしますが、小説にしてはその存在に踏み込む直接的な表現が多すぎる気がしました。あくまで過渡期的な作品なような気がします。


■CD
33 Vampire Weekend/Vampire Weekend

 引き続き、Vampire Weekendにはまっています。どちらかというと理知的で草食系な音なのに、センスと野心をすごく感じる作品です。これからフォロワーがたくさん出てくる気がします。2010年代のRadioheadt的存在に慣れるかも。

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