本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

文系AI人材になる

2020-03-14 09:46:30 | Weblog
■本
24 文系AI人材になる/野口 竜司
25 すべての教育は「洗脳」である/堀江 貴文

24 抽象的な議論か事例の羅列で終わることが多いAIに対して、それを「作る」ことや仕事で「使う」ということがどういうことかを、タイトル通りプログラミングや統計の知識が乏しい文系人材にも具体的にわかりやすく教えてくれるとても良い本です。AIのテクニカルな知識以上に、それを活用するビジネスに対する理解が重要であることが強調されています。極めて単純化すれば、与えられた大量のデータをAIが処理しやすいかたちに調整し、あるビジネスにかかわる処理を自動化する上での精度・効率を上げていくための特徴を把握させ、繰り返し学習させていくことが、「AIを作る」ということだと理解しました。特に、AIの基本について完結にまとめられた3章と各社から提供されているツールを用いて、どうやって「AIを作る」かを実例を通じて教えてくれる4章は秀逸です。この2つの章を読むだけで、ビジネス上での地に足のついた議論に必要なAIの基礎知識はほぼ押さえられていると言ってもよいと思います。AIが普及した背景を説明する冒頭や、後半の事例紹介はかなり冗長なので、先に3、4章を読み、残りは必要に応じて参照するという読み方も、時間のない方にはお勧めできると思います。

25 過激なタイトルの反面、学校や国家が教育を通じてはめようとする枠から逃れ、自分が没頭できる好きなことを仕事にして、自由に生きていこうという、真っ当なメッセージに満ちた本です。不確実性が増す現代では、こうすれば成功するというわかりやすい成功パターン(一流大学を卒業して大企業に就職するなど)がもはや通用しないので、外から押しつけれれた価値観から逃れ、自分の好きなことやりたいことに向かって一歩踏み出す勇気を持とうと、背中を押してくれるかのようです。藤原和博さんも提唱されている、そこそこの希少価値のある3つのスキルの掛け合わせで唯一無二の存在になろう、という議論も出てきますが、堀江さんはそのスキルの深化よりもポジショニングのユニークさ(女子高生社長やアイスクリーム評論家など)を強調されていて、よりハードルが下げられています。行動を促すためにあえて極論に振られている面もあるので、既存の価値観と堀江さんが提示されている価値観との間での自分の心地よいスタンスに則って、まずは行動してみることが大切だと思いました。私も、仕事の何割かを自分のモチベーション駆動型の内容に変えていこうと思います。


■映画 
23 ドラえもん のび太の月面探査記/監督 八鍬 新之介
24 地獄でなぜ悪い/監督 園 子温

23 昨年公開された映画版ドラえもんです。今回は月とカグヤ星という星が舞台の冒険活劇です。最近の映画版ドラえもんは本当にクオリティが高いです。手際よく映画版独自の設定や登場人物の説明を行い、かわいいキャラクターやカラフルな映像で楽しませ、AIの危険性や想像力の大切さというメッセージ性を持たせつつ、最後は巨大な悪に打ち勝ちカタルシスも十分に感じさせるといった、素晴らしい作品でした。子どもから大人まで楽しめる、一流のエンターテイメント作品です。

24 星野源さんが出演、主題歌を担当されているということもあって、サブカル界隈で話題になることが多い本作。やっと観ることできました。評判通りの熱量たっぷりの、ぶっとんだ快作でした。まず、なんといっても二階堂ふみさんの演技力に圧倒されます。この当時まだ10代だったとは思えない、妖艶で激しい気性の役を見事に演じています。長谷川博己さん、堤真一さんのくどすぎる熱演もこの作品の雰囲気に見事にマッチしています。國村隼さんも、コミカルさと怖さが入り混じった抜群の安定感です。ストーリーの方は娘の女優としての成功を望む服役中の母親を喜ばせるために、やくざの父親が討ち入り時に娘主演の映画を撮るよう、偶然巻き込まれた青年や彼が見つけてきた映画サークルメンバーに依頼するという現実感が全くない破天荒なもの。クライマックスの討ち入りシーンは、松本人志さんの長編コントを思わせるような、シュールかつグロテスクな面白さでした。エンディングのメタ的な構造は賛否が分かれそうですが(個人的にも、その点だけはあまり評価していません)、映画に対する過剰な愛が充満した、園子温監督の作家性が十二分に発揮された印象深い作品です。
コメント
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