本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

サイドカーに犬

2014-08-17 06:39:16 | Weblog
■本
72 完訳 7つの習慣 人格主義の回復/スティーブン・R・コヴィー
73 弱いつながり 検索ワードを探す旅/東浩紀

72 自己啓発本の代名詞的作品でいつかは読まねばと思っていました。今回完訳版が出たので初めて読みました。さすが自己啓発本の古典だけあって、「直接的、間接的にコントロールできる問題とコントロールできない問題を分けて考える」や「緊急でないが重要な活動に時間をかける」など他の類似書に引用されている内容が多く、初めて知るような内容はあまりなかったですが、7つの習慣それぞれのつながりが明確にされているところ(特に7つ目の習慣の「刃を研ぐ」があることにより全体が引き締まります)が頭の整理に役立ちます。また、組織ではなく、あくまで個人でコントロール可能な習慣に焦点が絞られているところも一貫性があってよいと思います。ただ、冒頭のダラダラとした推薦文は不要だと思いました。

73 評論家東浩紀さんのエッセイ集です。とても読みやすいですが、ネット時代の人生訓として非常に含蓄に富んだ意見が提示されているよい本です。個人的にも子どもが生まれてから中断していた海外旅行に、昨年から家族で行き始めたので共感できる内容でした。偶然性に身を委ね(そもそも人生はいくら計画しても理不尽に予定外のことが起こる)、新しい検索ワードを手に入れるために(決まりきった予定調和の検索結果から脱するために)、旅に出よう(それもバックパッカーのようなハードなものではなく弱いつながりを作るための観光客として)というのが主な主張です。東さんの「福島第一原発観光地化計画」がどのような考えを元に提唱されているのかも理解できます。


■映画
53 ゲットバック/監督 サイモン・ウェスト
54 サイドカーに犬/監督 根岸 吉太郎
55 オール・ユー・ニード・イズ・キル/監督 ダグ・リーマン

53 ニコラス・ケイジ主演のクライムアクション。興行収入的にはかなり大コケした作品のようですが、結構楽しめました。天才的な銀行襲撃犯が、殺人をしようとした仲間を止めようとしたために捕まり、出所日にそのかつての仲間に娘を誘拐されて、大金を用意するように脅迫される、というありがちなストーリーにありがちなアクションですが、ニコラス・ケイジの中年の哀愁たっぷりの演技に好感を持ちました。ニコラス・ケイジは「ナショナル・トレジャー」や「ゴーストライダー」といった大作の自信満々な演技よりも、この作品のような遠慮がちな演技の方が好きです。

54 大好きな長嶋有さんのデビュー作の映画化です。淡々としつつ妙に人生について考えさせられる原作に忠実でありつつ、細かい小道具を随所に挿入するなど映画独自の独特の味付けがなされていてかなり好きです。国立駅周辺が舞台ですが、その近辺に住んでいたことがあるので、三浦百恵さんの自宅を探すエピソードや忌野清志郎の歌を口ずさむシーンに共感できました。竹内結子さん、古田新太さんが手堅い演技をされていますが、何より主人公の少女役が抜群の演技をしています。自転車と娘と(人によっては)愛人が欲しくなる映画です。

55 「トランスフォーマー」の新作とどっちを観るか迷ったのですが、日本人の書いたラノベが原作ということで観ました。あまり期待していなかったのですが、予想以上に面白かったです。トム・クルーズも最初のダメ男から戦いを繰り返す毎に成長する姿を好演していて、年齢を感じさせないアクションも見応えがあります。日本的な情緒的なストーリーを活かしつつ、アメリカでも受けそうなダイナミックなアレンジもなされていて、個人的にはそのバランス感覚も見事だと思います。アメリカでももっと大ヒットしてもよい作品だと思うのですが、興行収入が1億ドルを超えないそこそこのヒットに終わっているのが残念です。先述した情緒的な面と、ループするストーリーの複雑さがネックとなったのかもしれません。でも、後味もよく観て損はない娯楽大作だと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする