本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

The Best of The spencer davis group

2012-11-18 07:06:00 | Weblog
■本
112 夢を与える/綿矢 りさ
113 めだかボックス外伝 グッドルーザー球磨川 小説版(上)『水槽に蠢く脳だらけ』/西尾 維新
114 夜想曲集/カズオ イシグロ

112 綿矢りささんの初の長編。子どものころからCM出演していた主人公が、高校入学を機に清純派としてブレイクし、やがて、スキャンダルで破滅する話です。文章はとても巧みで読みやすいのですが、ストーリー全体のバランスが悪く(個人的には前置きが長く、話の核心部分が早急で唐突に終わる印象です)決して完成度は高くないです。にもかかわらず、筆者の毒というか狂気というものが、ヒシヒシと伝わってきて、読んでいると心に迫る何かがあります。キャラクターの描き方も、特に母親などは、このテーマでは、「自分の夢を娘に押し付ける親」といった紋切り型になるのですが、ギリギリのところで、もっと複雑で深みのある人物像に仕上げているところも作者の力量を感じます。欠点はあるものの、この作者は「只者ではない」と思わせるだけの、志の高さは感じる作品です。

113 球磨川禊君は大好きなキャラクターなのでとにかく楽しめました。キャラクター設定と心理戦だけで、ここまで引っ張れる作者の力技に感服するのみです。下巻も楽しみです。

114 カズオ・イシグロさんの音楽をテーマにした短編集。さすがに、彼の長編作品から得られる全身が脱力するような深い感動は読後に得られませんが、独特の悲しみと希望が入り混じった、しみじみとした読後感が心地よいです。人生は成果ではなくて、プロセスにどのような姿勢で挑むかが重要ということに気づかせてくれる優しい作品集です。


■CD
89 The Invisible Invasion/Coral
90 A.M./Wilco
91 Greatest Hits/Will Smith
92 The Best of The spencer davis group/the spencer davis group

89 もっとエキセントリックなバンドとの印象を持っていましたが、意外ととっつきやすく楽しいサウンドです。引き出しはたくさんあり、トリッキーな展開をする曲が多いですが、破綻していないので、安心して楽しめます。この作品はCoralの作品のなかで特に評価が高いわけではないですが、個人的にはかなり好きなサウンドだったので、機会があればデビュー盤から聴いてみたいと思います。

90 WILCOのデビュー作。後の作品のような深みやスケール感はまだないですが、ジェイ・ファラーの優しいヴォーカルが、ポップな楽曲に見事にはまっています。カントリー的なテイストも残っていて、リラックスして楽しめます。

91 いまや俳優としての方が有名なWill Smithのベスト盤です。ソロになってからの作品は、「メン・イン・ブラック」を筆頭にコマーシャル過ぎる気がするので、DJジャジー・ジェフ&フレッシュ・プリンス時代の曲の方がエッジが立っていて好きです。出世作「Summertime」は名曲だと思います。 

92 スティーヴ・ウィンウッドの若い頃の迫力ある声を堪能できます。やっぱりこの人すごいと思います。「Gimme Some Lovin'」、「I'm A Man」の2曲は、圧倒的に格好よくてテンション上がります。ほとんどの曲が2分台で、小気味よく始まり、ドラマチックに盛り上げて、潔く終わる、ポップソングの見本のような曲ばかりです。


■映画
69 20世紀少年 第2章 最後の希望/監督 堤幸彦

 3部作の真ん中なのでどうしてもつなぎ役的な位置づけになるのは仕方ないのでしょうが、あんまり面白くなかったです。原作ファンとしては、ストーリー的にはポイントを外さず、うまくまとめていると思いますが、あそこまで、コミカルな演技を俳優に求める必要があったのかが少し疑問です。そんな中、小池栄子さんは独特の存在感で、いい味を出していました。カンナ役の平愛梨さんは申し訳ないですが、完全に力不足です。彼女に感情移入できなかった時点で2作目が楽しめないのも仕方がないです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする