本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

インフォコモンズ

2008-10-06 06:06:57 | Weblog
■本
75 やせれば美人/高橋 秀実
76 インフォコモンズ /佐々木 俊尚

75 筆者の奥さまのダイエットについてのエピソードを中心に、痩せたい女性の心理を取材した作品です。奥さまというすごく身近な人を題材にしながら、現代日本社会を描いている(ような気にさせる)ところに筆者の力量を感じます。自身の水泳教室体験を描いた「はい、泳げません」といい、私的体験をエンターテイメント化して、エッセイではなくルポルタージュ風に描くと言う、独自の領域を切り開かれている気がします。読んでも多分痩せませんが、なんとなく、夫婦関係やささやかな幸せについても考えさせられる、独特の本です。女性に対する幻想も消えます。

76 ポストgoogleなどWeb2.0後を考察した本です。佐々木さんの新書はどちらかと言えば、最新動向をまとめたコネタ的展開をする本が多い気がするのですが(それはそれで有益なのですが)本書では、インフォコモンズ(共通の関心や情報を共有する不定形なグループ)という主題を中心に、構造化してネットビジネスの最新動向が展開されており、読みごたえがあります。筆者の言うように、今後はレコメンドエンジンのうさんくささ(どうしても個人的嗜好を覗き見されているような気がする)を解消するため、そのアルゴリズムを公開する方向に向かうような気がします。あと、やはり今後の可能性としては人と人との関係性(それは必ずしも友人、知人だけに限定されない)を分析し、利用者に役立つ情報を提供していく、という方向性にビジネスチャンスがありそうです。


■CD
25 Ode to J. Smith/Travis

 これまでさりげなさが売りであったTravisですが、本作は少しゴテゴテしたアレンジの曲もあり、そのあたりが賛否が分かれるかもしれません。とはいえ、全編を通じてはしみじみいいメロディを聴かせてくれる、相変わらずのtravis節。前述したゴテゴテ感も個人的には力強さの表れと、好意的にとらえています。秋にしみじみと聴くには最適。長く付き合える深みのある作品でもあります。
コメント
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