「コーヒーを飲みたい」
欲望の励起──
「われ欲す」というメッセージの発信元は意識ではない。
意識は「われ欲す」という内的なメッセージの受信者である。
「われ欲す」の受信という出来事から、
意識はみずからの志向対象、世界との関係を告げられる。
「われ感じる」「われ欲す」──
この内なる告知によって、世界は「私-世界」という両極に分極し、
「私」のまえに〝私にとって〟の固有の意味配列をもつ世界が現われる。
この世界告知、そして意識による受け取りという出来事は、
人間のあらゆる世界経験の根源的な基礎構造をつくっている。
「かなしい」
世界との関係を告げる始原的な第一次のメッセージは、
疑いようのない情動の泡立ちとして、
あるいは、かたちをたどれない世界との関係として、
意識主体にとって、いわば内なるBackstageから届けられる。
世界経験の第二次の過程──
それは「ことば」(関係項)を媒介物として、
みずからの経験をことばへ変換し、
他者と相互の経験の交換しあう場面から展開していく。
*
一次過程から二次過程へ、そして、二次過程から一次過程へ。
この循環的な回路において、一次と二次の二重記述が現象し、
「私」という存在は必然的に状態遷移のプロセスを歩んでいく。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます