ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「詩人の肖像」20240519(20240122)

2024-05-19 | Weblog

 

 

真理と真理、正義と正義、善と善、現実と現実
せめぎあい、呪いあい、殺しあう、惨劇のふるさと
現世、涙の谷(マルクス)にあって

どんな職業のリストにも載らない仕事の人
涙の谷を目撃したかなしみを糧として
橋を架けるようにことばを紡ぐ人

詩人と呼ばれるまえに一つの意志が励起する
此岸と彼岸、滅ぼしあう両岸をブリッジする
橋を架ける理由は一つのことばで示される

 すべてがわたくしの中のみんなであるやうに
 みんなのおのおののなかのすべてですから (『春と修羅』)

荒廃と滅びのふるさと、死の谷に橋を架けて無力化する
無力化して新たな交歓のルートを開通する

地質、水量、風量、地震、洪水、交通量
強度、耐久、耐震、エトセトラエトセトラ
想定可能な全パラメータの集積と解析、構造計算

一切の工程に理由と意味を与える意志が励起し
どこでもない連結の気圏が見出され、歩み出す

 すべてこれらの命題は
 心象や時間それ自身の性質として
 第四次延長のなかで主張されます (『春と修羅』)

意識と意識、感情と感情
夢と夢、善と善、悪と悪
存在と存在、非在と非在
真理と真理、正義と正義

隔絶したことばとことばに糸を通し、両岸に血を通わせるように
新しいことばをあつらえて連結のルートを開く

そうして、銀河群の全時間、全方位、全波形
全停車場をつなぎ合わせる鉄道を走らせる

ことばを連結装置とする作業の目的はただ一つ
一切を用在として新たな祝祭のマテリアルに変換していく

 

 

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